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パンドラの箱を開けたカネボウ救済劇(FM:日経ビジネス)

「3500億円プラス数百億円が限界」。再生機構側から、買取りの金額が提示されると、帆足は表情をこわばらせて食い下がった。「そんなに安いはずがない」
次の瞬間には、テーブルを立ってトイレに駆け込む。吐き気をもよおしていることは一目瞭然だった。外科手術を受けてから日が浅い帆足の体調は明らかに良くない。そこへ衝撃的な数字の提示。帆足の顔に苦悩がにじむ。
(日経ビジネス 2004.3.15 p8)

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まるで財前五郎裁判のようなドラマ風に書かれています。

この記事を信用する限り、いままで再生機構との何の裏交渉もなく、単に公的機関だからという理由で花王より高い金額が提示されると本気で考えていたということなのでしょうかね。その理屈が通るんだったら、なんか売りたかったらすべて再生機構に持ち込めばいいことになってしまいますよね。どうも本気で考えていたとは未だに信じ難いのですが。

またこの記事での石坂副社長の言。

「手塩にかけてきた娘(化粧品事業)を差し出すのは、身を切られる思いですよ。そうまでして(本体)を再建しようとしているのに、何でマスコミに叩かれるんだ」
「日本の資本主義の勃興期に当たる明治20年(1887)年に創立し・・・そんな当社の歴史をちゃんと調べたら、あんなふうに(カネボウの再建案の批判を)言えるはずがないんだ」
「(一番苦しいのは、社員ではないか?の問いに)社員じゃないよ。一番苦しいのは我々経営者だよ。そういう正義面をするな」
(引用個所は同誌p8~p10)

記者の誘導尋問に引っかかったに過ぎない、そう考えることにしましょう。そうとでも考えないと説明つかないもの。

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