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欧州銀行界 IASBに反発(5/27日経金融)

:2005年からの欧州の上場企業に適応が義務付けられる国際会計基準に欧州銀行界が激しく反発している。銀行界は、新しい基準のうち、特にデリバティブ(金融派生商品)関連の基準について「決算のぶれを大きくする」と主張、基準を作る国際会計基準理事会(IASB)に見直しを求め、政治力を使って揺さぶりをかけている。意見調整の期限は6月半ばだが、難航している。

反発の具体的内容がこの記事からは詳しくわかるわけではありません。ただ、昨年どこかの国を席巻した株式の評価損は計上しなくてもいいといった低レベルの話でないことは確かなようです。

欧州銀行界の要望の一つは「キャッシュフローをヘッジするデリバティブの時価評価を自己資本とは別項目で計上できないか」というものだそうです。将来のキャッシュフローに対するヘッジ効果は、最終的にそのキャッシュフローが実現するときに表れるのであり、ヘッジに使用したデリバティブ商品を時価評価すれば、キャッシュフロー実現損益と計上のタイミングがずれてしまうため、それまではその損益インパクトを繰延べ、差額を資本の部においておこう、といったのが「デリバティブの時価評価を自己資本で計上する」ことの趣旨です。

銀行の決算、規制の内容については明るくありませんが、結局銀行はそれぞれの自己資本のレベルによりいろいろな規制を受けるようなので、このことが会計基準の問題をいたずらに複雑化しているきらいがあります。会計上の問題と銀行規制上の問題をうまく切り分けることが必要と考えます。財務諸表はある一定の基準を元に作成したものに過ぎず、全てのステークホルダーが加工なしに使用できるほど完璧なものではありませんから。

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