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厚年基金が「代行返上」を返上? 運用改善で事態変化(6/2 日経金融)

:厚生年金の将来の代行部分資産を返上した厚生年金基金から「返上をやめたい」という声が出始めている。株価上昇で代行部分の資産運用が改善したほか、今国会で審議している年金改革法案が実現すれば、代行部分に積立不足が発生する要素が少なくなるからだ。

本音としては分かりますが、あまりに虫のいい主張・・・・

もともと、厚生年金基金が本来国が行うべき代行部分を請け負っていたメリットは、資産運用での規模の利益が追求できたということがあります。もともと厚生年金は5.5%の運用ができることを前提に制度設計されていましたから、それ以上の運用水準を確保すれば、その分は企業側のベネフィット(直接企業の損益改善とはなりませんが、それを原資とした掛金の減額等で享受できる)となりました。また事実、過去の右肩上がりの成長時代にはそれなりの運用は容易でした。

ところが、最近運用がうまいこと回らなくなってきました。運用が5.5%で回らないと、不足分はいずれ企業が負担することになりますので、将来のキャッシュアウトリスクが高まります。それでもまだ簿外であるうちはよかったのですが、退職給付会計導入以降は運用の失敗分を何年間かにわたって損失認識しなければならないことになりました。この負担を重荷と感じている企業が中心となって動いた結果、代行部分の返上が制度上可能となったわけです。それを株が上がって、今期はメリットが享受できそうだからやめたいとはあまりに近視眼的な主張だと思います。

もっとも、年金改革法案の成立により、確かに代行部分におけるリスクが低減したことは言えるようです(私の理解不足により詳細は今のところ書けませんが)。したがって、そこまで考えて、未だ返上の手続をとっていない基金が、返上について再考するということは、当然ありだと思います。

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