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金融庁、監査の定義明確に 簡便な「レビュー」と区別(日経金融6/3)

:「監査とは何か?」金融庁が答えを探している。同庁は近く、監査やより簡単なレビューなど、会計士による財務諸表のチェック業務について、それぞれの社会的な位置づけを既定する方針だ。簡易なレビューについても、点検の内容や手順に厳しさが求められる見通しで、会計士業界に与えるインパクトは意外に大きいかもしれない。

:東京証券取引所などが上場企業に四半期開示を求めたことで、日本にもレビューによる財務開示が広がっている。・・・今後レビューの質が定義されれば、投資家は従来よりも安心して各社の開示内容を比較できるようになる。

:一方、会計士はレビューが「消極的保証」としての水準を満たしていなければ「レビューという保証を実施した」とサインすることは許されない。・・・監査に対する会計士の責任は増す。

ASBJ(企業会計基準委員会)の発足で、すっかり影が薄くなってしまった企業会計審議会ですが、監査基準を設定するという機能はまだ残されており、最近では保証業務についての議論を進めているようです。

ここで出てくるいわゆる「レビュー」ですが、米国では四半期報告の際に義務付けられており、簡易な監査として定着しています。しかしながら日本では、少なくとも正式にレビューについて規定した基準はなかったかと思います。(レビューによる開示が広がってるという表現は正確ではないはずです。)強いて言えば、東証マザーズが四半期財務諸表の開示を義務付けた際に「東京証券取引所のマザーズ上場企業の四半期財務諸表に対する意見表明業務について」という研究報告を日本公認会計士協会が発表していますが、この報告で規定する「意見表明業務」が限りなくレビューに近いものとして扱われているようです。

このレビューですが、一定水準の保証を果たすものとして認識されていはいます。しかしながら、レビュー報告書に記載される結論は「・・・に関する有用な情報を表示していないと認められる事項は発見されなかった」(前記研究報告より)というものです。すなわち「まあ見たことは見たけど、違ってるところは見つからなかったよ」というレベルのものです。おそらくレビューの定義が明確になっても、この文言と大差ないものになると思います。日経金融紙はずいぶんと期待しているようですが、個人的にはエクスペクテーションギャップがむしろ広がるのではないかと危惧します。

また、既に存在する独特の制度「中間監査」との位置関係をどうするかという問題も抱えています。中間監査報告書の文言はレビューよりも強い保証を示すものであることから、並存させると日本の財務諸表には3種類の保証が行われることになります。レビューを導入するのであれば、中間監査の位置づけを再検討すべきだと思います。

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