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企業会計基準委 包括利益協議に参加 IASBにスタッフ派遣(6/5日経)

:企業会計基準委員会は4日、国際会計基準理事会(IASB)が手がけている「包括利益」の導入協議に積極参加することに決めた。6月中にIASBに専門家を派遣する。包括利益導入案は日本が懸念を表明しているにもかかわらず欧米主導で協議が進んでいる。会計基準委は専門家を送り込むことで、実務レベルから日本の意見を反映させたい考えだ。

:・・・ところがIASBは、米財務会計基準審議会(FASB)との間のみで包括利益の協議を進める方針を表明。日本の会計基準委は基準作り協議に公式参加できなくなることから、専門家をIASBスタッフとして派遣し、実務段階で協議に加わることを決めた。

IASBの「包括利益」プロジェクトについて語りだすとかなり長くなります。分からない方は、とりあえず現在の損益計算書の形を抜本的に変えようとするプロジェクトくらいに思っておけばいいかと思います。

記事だけ読むと、日本だけが反対しているのに全く無視されて、欧米主導でどんどん話が進んでいて、日本が電車に遅れまいと必死、というように読めます。そのような側面を全く否定するわけではないですが、やや説明が足りないように思います。

ASBJのサイト中に書かれている通り、「包括利益」プロジェクトのもともとのスケジュールは2003年中に基準の公開草案を公表するというものでした。この時点で公開しなければ、2005年のEU内企業の強制適用に間に合わないからです。しかしながら、2003年春に行われたフィールドビジットにおいて慎重論が根強く、いまだこのプロジェクト、目立った成果があげられず、サンセットレビューの対象となりました。サンセットレビューというのは、プロジェクト発足後2年経って目立った成果がないプロジェクトは継続について再検討するというものです。

再検討の結果継続することに決まったものの、このまま進めても合意に至ることが難しいことから、一旦仕切り直しをして、英米を(欧米、ではない)中心として幅広く人を集め、アドバイザリーグループを組織し、突っ込んだ討議をしようという狙いです。現状、必ずしも米英の思い通りに進んでいるわけではないということのようです。

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