原油埋蔵量見積もり 監査法人に依頼 SEC、会計基準見直し(7/28 日経金融)
:米証券取引委員会(SEC)は、石油会社の原油埋蔵量の推定を独立した監査法人に依頼するよう義務付けるなど、会計基準の部分的な見直しに着手する。
:SECは「あいまい」との批判もある埋蔵量推定の基準も明確にさせる方針。監査法人を監督する米上場企業会計監査委員会(PCAOB)と会計基準の改正について話し合う。
よく、会計士の苦労話として耳にする中に、石油会社の実地棚卸があります。普通の会社と違い、商品を数えるのではなく、石油タンクの中身を測らなければなりません。コンビナートの大きな石油タンクに登って行って、高いところから石油の量を測ったというのが話のタネになっています。
上記の記事によると、それには止まらず、油田の埋蔵量まで会計士は測りに行かなければならないようです。会計士の中東出張が激増しそうです。
。。。なんてことにはなるわけはありません。監査法人にはおそらく油田埋蔵量推定のノウハウはありませんから、ノウハウのある会社に委託することになります。そういった専門家の証明をもらうことにより、実際の監査に変えることになります。現在でも、土地を減損する際の鑑定士の評価や、退職給付債務を計算する上での年金数理人の計算結果など、専門家に計算を依頼する局面は多々ありますが、それにもう1つ加わる、ということではないでしょうか。となれば、「会計基準の部分的な見直し」というよりも「監査基準(あるいは実務指針)の見直し」というのが実態に近いのではないでしょうか。油田を適正に評価するということについてはおそらく変更がなく、その評価の適正さを証明する方法が厳格になる、ということかと思われますので。
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Comments
棚卸しのobservation(日本語ではどのように言うのでしょうか?)はスタッフの時にやりました。アタシのクライアントは製造業が多かったので、倉庫に行ってフォークリフトで上に上げてもらい、在庫のスポットチェックをしました。
石油関係の会社はクライアントにいなかったので、どのようにスポットチェックするのかというのは興味深かったです。
ところでネットではどのようなニックネームをお使いになられているのでしょうか?
Posted by: koneko04 | 2004.08.03 02:47 PM
コメントありがとうございます。
KOHと名乗る者です
observationはきっと「立会」ですね。
私自身は一企業の人間なので、似たような棚卸しか経験していませんので(しかも、本社勤務になって以降はまったく無縁)、いろいろな現場を見に行ける、いわゆる職業会計士の方々をうらやましく思います。
しかし、国は違えど、同じように人間が見て数えるのですね。当たり前なのですけど、ちょっと安心したりしています。
Posted by: KOH | 2004.08.04 02:26 AM