課題多い「会計大学院」 卒業生の需要増カギ(日経金融 9/2)
:会計の専門家を育成する会計専門職大学院が2005年4月から本格スタートする。すでの開設済みの中央大学に加え、早稲田大、青山学院大などが文部科学省に設置認可を申請しており、来春には最大で10校体制に拡大する見通しだ。しかし金融庁が目指す公認会計士5万人体制への切り札的存在になるには、大学院内外での課題も少なくない。
当サイトの検索元ランキングでも常に上位をキープしていることから(サンプル数が非常に少ないのですが(笑))、この世界においては注目を浴びていると見られる「会計専門職大学院」について、日経金融が問題点を指摘しています。全文は引用できないのですが、指摘している課題を原文のまま挙げると以下の点になります。
①第一の課題は大学院の数だ
②教員の確保の問題もある
③講義時間も課題だ
④最大の課題は学生の出口戦略だ
①について今後設置予定も合わせて20にも満たないこと、およびそれも首都圏偏在であることが指摘されています。個人的には首都圏偏在は確かに問題かと思いますが、数は20もあればいいほうではないかと思います。本紙も指摘している通り、法科大学院と異なり、資格取得の必須条件とはされていない以上、そこまでの強い需要があるかと問われると疑問だからです。こういう場は受験のためというよりむしろ一旦実務を経験してきた方々が切磋琢磨する場として活用してもらいたいものです。ええ、単に私が行きたいというだけです。
②については、大学院では実務家教員の配置が義務付けられているらしく。「論文や出版物もあり、理論も教えられる教員にふさわしい実務家は限られる(本紙)」ということのようです。正確に言えば、いないことはなさそうなのですが、大学教員レベルの給与では来てくれる人がいないのが実情とのこと。サウイフモノニ ワタシハ ナリタイ
③、多くの大学院は昼間の開講とのこと。言語道断。私が行けないではないか。
④、これは大問題。本紙が言うとおり、将来的には公会計の導入による会計士需要の高まりはあるでしょうが、これは定着までにはまだまだ遠い話。おそらく直近の就職難は大手監査法人では吸収しきれないでしょう。そういったときにあぶれた方々を企業側が採用する意思があるか。新卒では厳しいでしょうね。
Blogを読んでいるような方には釈迦に説法でしょうが、本を読んで、講義を受けて、それだけでわかることというのは少ないです。とにかくわけのわからないままに実務をやってみて、その上で改めて本を読み直すと「なるほど、自分ってこういうことをやっていたんだ」という気づきが得られることが多いです。そのような「気づき」を得られた方なら企業の採用意欲は高いのではないでしょうか。ええ、単に私が行きたいというだけです。
個人的な感想文になってしまいました。ご容赦!
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Comments
以前、関西の某私立大学の大学院まで出ていた人と仕事をしたことがあります。日本に3か月くらい帰った時のバイト先の上司という立場にいた人なのですが。
この人が日本の会計大学院卒業者を代表しているとは思いませんが、実務に疎く整理する能力(消化できない仕事を何か月も放置してあった)もなく、かつ頭の回転も遅いというアフォでした。こんなバカで使い道がないのが出ている大学院って、一体何を教えていたのかしら?と某大学の評価がどっと下がったのを覚えています。
公認会計士の試験のあり方にも問題があるのかもしれません。試験を通って公認会計士になることが出来ない人が多いのであれば、試験の構成などにも改革が必要なのではないかしら?
☆アフぉが勤務していた会社は社長と経理部長が使い込みをしていたような気がしました。たったの二週間しかいなかったアタシがわかることを一年以上も仕事していて気が付かないのだもの。大がつくばか者でした。
このような低レベルの会計士を育成することがないように、公認会計士の試験なみの厳しい課題をカリキュラムにいれて欲しいものです。
Posted by: こねこ | 2004.09.23 03:55 PM
こねこさん。
引っ越しました?
気が向いたら引越し先のURL教えてくださいね。
遅くなりましたが、コメントありがとうございます。
そのバイト先の上司とやら、
どんな方か存じませんが、
1.そもそも大学院と実務界では求められる能力が異なります。いや異なると断言すると語弊があるかもしれませんので、求められる能力の優先順位が異なりますというべきか。
2.現在の大学院は必ずしも優秀な方ばかりが集う場ではありません(もちろん優秀な方は多いですが)。まあ優秀な方ばかりでなくても、少なくとも勉学好きが集まるべき場所であるはずなのですが、それも眉唾がつきます。この手のネタは荒れる原因になりますのでこの辺で止めておきますが。
今度新設される会計大学院は実務家養成が主目的であるため、今までの大学院とは目的も人員構成も異なるものとなるでしょう。
Posted by: KOH | 2004.09.28 01:21 AM