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企業結合に関するFASBの暫定的結論(その1)

すっかり旧聞になってしまったのですが(というより、長い間見落としていました)、FASBが7月27日に企業結合に関する暫定的結論を公表しております。

企業結合については既に基準書141号、および142号が2001年に公表され、持分プーリング法の廃止、のれんの償却停止などの新しい取り扱いが定められていますが、その後もパーチェス法の手続について検討が続けられていました。このプロジェクトについてもどんどんスケジュールが後倒しにされてきましたが、今回ようやく暫定的結論の公表に至ったものです。これは正式な公開草案とはまた別のようで、特にコメントは求めないけれども、もしコメントがあれば連絡くれという実にあいまいな位置付けになっています。

原文は2つの文書に分かれており、以下の場所に公開されています。
Summary of FASB Tentative Decisions on Noncontrolling

Summary of FASB Tentative Decisions on Business Combinations (including Mutual Enterprises) (156 pages)

Summaryといいつつ、改訂前の基準も紹介しているため下の文書などは156ページにも達しています。正直読みきれません。

今後、このサマリーのなかに、さらにサマリーがありますのでその部分を中心に紹介していきたいと思います。

まず、第一の文書Summary of FASB Tentative Decisions on Noncontrolling Interestsです。Noncontrolling Interests、日本語では「非支配持分」とでも訳すべきなのでしょうか。現状日本語では「少数株主持分」と呼ばれている項目の扱いです。英語では従来Minority Interestと呼ばれていました項目を名称変更したようです。

「少数株主持分」とは、連結財務諸表だけに出てくる項目で個別財務諸表には出てきません。
親会社P社と子会社S社だけが連結財務諸表を構成している場合を想定します。S社がP社の100%子会社であるばあいは、S社の資産負債は最終的にP社に帰属しますから、100%そのまま連結財務諸表に反映させることになります。しかしP社の持分が90%であり、10%は創業者の方が引き続き保有している、と言う場合を想定しますと、S社の資産負債のうち10%は最終的に創業者に帰属します。現在の連結財務諸表は一旦資産負債を満額計上した後、そのような10%株主が負担すべき分を控除するという形をとっています。損益計算書で考えると、S社が100の利益をあげた場合はその100の利益を一旦計上した後、「少数株主損益」として△10を控除するという形をとります。貸借対照表では、一旦100の純資産を増やしてから「少数株主持分」として△10を純資産から控除することになります。

この項目の扱いが大きく変わるというのがこの結論が趣旨です。詳細内容については次回以降で。

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