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上場企業の固定資産減損、今期すでに5000億円超す(9/30 日経)

上場企業の固定資産減損、今期すでに5000億円超す

 :上場企業が土地や設備など固定資産の損失処理を加速している。2005年3月期に計上する損失額は、すでに明らかになった分だけで5000億円を超えた。鉄鋼や化学など好業績企業が財務の健全化を進めるため、前倒しで計上する動きが目立つ。9月中間決算の発表を控え、今後も処理する企業が増えるのは確実で、年間の損失処理額は約1兆円だった前期を上回る可能性がある。

金額的に、必ずしもそうとは言い切れないわけで。。。。

昨年度、つまり2004年3月期と今年度、つまり2005年3月期。ともに減損会計の早期適用が認められていますが、認め方が微妙に異なっております。

2004年3月期においての早期適用を認めた文言は以下の通りです。

「平成16年3月31日から平成17年3月30日までに終了する事業年度に係る財務諸表及び連結財務諸表についても適用することを妨げないものとする。」

これをどう読むかというと、あくまで平成16年3月31日に終了する事業年度に係る「(連結)財務諸表」にのみ適用可能なのであり、平成15年9月30日に終了する「中間(連結)財務諸表」には適用できないことになります。

 従って、前年度では中間期に減損会計を適用しなくてもよく(というより適用できない)、減損会計適用の意思決定は3月末までに行えばいいことになります。

一方2005年3月期に係る文言は以下の通りです。

「平成16年4月1日以降開始する事業年度から適用することを認めるよう措置することが適当である。」

この場合は、期首からの適用が前提とされており、従って、9月中間決算でも適用が義務付けられているという解釈となっています。
実務対応報告第14号「固定資産の減損に係る会計基準の早期適用に関する実務上の取扱い」 本文は有料 )

従って、今年度適用する場合は9月末までに意思決定する必要があります。

つまり今年度適用する予定の会社は既に意思決定済みであり、プレスリリース済みであるということが想定されます。今後この金額が下期に向けて増えていくというのは考えにくいのではないでしょうか(下期に減損の兆候が出始めた物件であれば別ですが)

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企業結合に関するFASBの暫定的結論(その5)

Changes in ownership interests in the subsidiary after control is obtained that do not result in a loss of control of the subsidiary would be accounted for as capital transactions. The difference between the amount by which the noncontrolling interest is adjusted and the consideration paid or received, if any, would be recognized directly in equity (additional paid-in capital). No gain or loss would be recognized in consolidated net income. Thus, the acquisition of some or all of the noncontrolling interests in a subsidiary would not be accounted for by the purchase method as in current practice. That is because at the time the parent obtains control of the subsidiary, the assets (including goodwill) and liabilities of the subsidiary would be recorded at their fair values in accordance with Statement 141(R) rather than in part at fair value and in part at carryover basis.

:親会社持分の変動は、支配を失わない限りにおいては、資本取引として会計処理する。変動した少数株主持分持分とその対価の金額の差異については、資本項目(資本剰余金)として扱われる。損益には影響しない。したがって、少数株主持分の取得については現状のようにパーチェス法を適用することはしない。なぜなら、支配を獲得したとき、その資産(のれんを含む)と負債はSFAS141(R)にしたがって、公正価値で評価されるためである。

 従来は、少数株主持分の取得については、そのつどパーチェス法を適用することになっていました。今までの例でいくと、IYが市場からセブンの株式を買い増した場合がこれにあたります。IYがセブンの株式を市場から対価100でを取得し、その結果少数株主持分が50減少したのであれば、

(借方)少数株主持分 50
    のれん    50
 (貸方)現金     100

という仕訳となっていました。

また、少数株主持分の売却についても、そのつど売却損益を認識することになっていました。IYがセブンの株式を100で市場に売却し、その結果少数株主持分が50増加したのであれば

(借方)現金     100
(貸方)株式売却益  50
  少数株主持分 50

という仕訳となっていました。

こうした処理が今後認められなくなるということです。
詳細は、もう一つの公開草案と絡みますので、別途改めてということで。

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【本】裏帳簿のススメ」(岡本吏郎)

Lotus21
もてはやされる裏金・裏帳簿の落とし穴


: 「裏金・・・」「裏帳簿・・・」などの書籍が売れているそうです。早速、書店に出掛けて確認しました。要は、まじめに納税している者は愚かで、自分の会社(零細企業)を守るために所得分散などをしたほうがいい、税理士は何もわかっていない、上手に銀行融資を受けるためには裏テクニックが必要、などといった内容でした。零細企業存続のためなら「手段を選ばず」という趣旨でしょう。
 確かに、切羽詰った資金繰りという現場では、このような考えかたもあるのでしょうが、読後感はあまり良いものではありませんでした。

:ともかく、節税がもてはやされるということは、景気が回復してきている証拠です。それはそれで良いことですが、どんな手段を使っても勝てばいい、他人を欺いた方がトク、という風潮にやるせなさを感じるのは私だけではないはずです。 (Y)


私が読んだのは「裏帳簿のススメ」(岡本吏郎)のみなのですが、この本に関しては、上の趣旨とは異なることを言っているかと思います。

「裏帳簿」、「合法的裏金」などというどぎつい表現はどうかと思いますが、この本の趣旨は税務申告用に作成した損益計算書、貸借対照表は経営の役には立たない。本当に経営に活かし、本当のキャッシュの状態を示すような財務諸表を作成する必要がある、ということにあるかと思います。他人を欺こうなどとは書いておらず、至極まっとうなことを言っていると思います。

もともと、財務諸表というものは多くのステークホルダーに対しての情報提供機能を目的として作成されています。米国の、いわゆる「概念フレームワーク」と呼ばれる、FASB概念基準書第1号の24項では、財務諸表の利用者として、以下を想定しています。

出資者、与信者、仕入先、将来の投資者及び債権者、従業員、経営者、取締役、得意先、証券アナリスト及び財務アドバイザー、証券ブローカー、証券発行引受業者、証券取引所、弁護士、エコノミスト、税務当局、監督官庁、立法機関、経済新聞および報道機関、労働組合、商工団体、ビジネス調査機関、研究者、学生、その他一般大衆

このような多岐にわたる利用者のうち、「投資者および債権者ならびに彼らに助言する者」が最も重要であり、そののニーズに焦点をあわせることが、他の利用者にとっても一般的に有用であるとしています。

つまり財務諸表とは投資者のニーズに合わせた作られたものであり、他の者のニーズを必ずしも最大限満たすものではないということです。したがって、多岐なニーズに合わせるためには財務諸表がいくつも必要になるということになります。

この本では、公開会社を想定していないため、投資者の存在を前提としておらず、法的に作成義務のある財務諸表として、税務申告に必要となる財務諸表を想としています。しかしながら税務申告のニーズを満たす財務諸表は国家の税収最大化を目的としたものであり、必ずしも経営に役立たない。経営者のニーズに合わせた財務諸表、すなわち「裏帳簿」の必要性について著者は説いているわけです。

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企業会計基準、日米欧共通化へ始動(9/27日経)

企業会計基準、日米欧共通化へ始動

:日本の基準を決める企業会計基準委員会(斎藤静樹委員長)は、日本基準と国際会計基準の差を埋めるため、国際会計基準理事会(IASB)と協議機関を設ける。年内にも設置し、早ければ2006年までに議論を集約する。すでに欧州連合(EU)が全面採用する国際基準と米国基準との共通化作業が始まっており、日米欧の企業会計基準の共通化を目指す。資金調達を中心に企業のグローバル経営を後押しすることになりそうだ。

:ただ日本基準と国際基準では、企業が合併する際の会計基準やリース資産の会計処理、年金会計などで対応が異なる。市場関係者からは「日本基準は透明性に欠ける」との指摘が出ていた。


例に出ている、「企業が合併する際の会計基準」については基準ができたばかりで、適用はおろかまだ実務指針ができていない状態。「リース資産の会計処理」に至っては議論が収拾つかなくなり、業界での検討を待っている状態です。国際会計基準との統合を目指すとは言っても前途は多難であるというのが一実務家の率直な感想ではあります。

しかしながら、統合の意思があることを内外に表明し、統合に向けてのポーズをとって行くことは非常に重要であると思います。概してそのあたりの宣伝が日本は非常に不得手であるというのが定説ですので。

例えば、企業会計基準委員会の声明には、このようなものがあります。Convergenceに対する当委員会の姿勢- IFAD Report「GAAP Convergence 2002」に関して

これは、IFADという団体が調査した「GAAP Convergence 2002」というレポートに対するものなのですが、このレポート、国際会計基準の適用または国際会計基準との統合の予定がない国として世界で3カ国、日本、サウジアラビア、アイスランドをあげています(p16)

確かにこの当時、国際会計基準の適用や統合が具体的俎上にのぼっていたわけではなく、かつその実現も茨の道であることは予想できることから、IFADのアンケートに対しては生真面目にそのように答えた結果、そのような不名誉を蒙ってしまったというのが真相のようです。そのためこのアンケートは日本の真意を表していないという声明をあわてて出したいうことです。

実際には日本は国際会計基準の多くの部分を取り入れ、国際会計基準審議会には理事も輩出しており、また解釈指針委員会等の討議にも参画し、資金援助も他国には決して劣っていないはずなのに、宣伝の巧拙の差によってこれだけのイメージダウンになってしまうわけです。

こんなことを未然に防ぐためにも、統合へのスタンスを明確にしておくことが望まれます。たとえ実際には時間がかかろうとも、統合への努力をし続けていることをアピールして行くことが今後ますます重要になって来ると考えます。

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【本】「小説ザ・外資」高杉良

以前金融腐蝕列島の新刊についてエントリしましたが、未だに新刊を定価で買う気にはなれず、かわりに文庫となった新刊(といっても5月発売ですが)を購入しました。


クレスベール証券事件と、旧長銀の破綻→リップルウッドへの売却を架空の主人公と、限りなく実名に近い登場人物を交えて描き出しています。おそらく金融腐蝕列島同様、綿密な取材の元に書かれたものと思われます。

正直「懐かしいな~」というのが感想。「あーこんなこともあった、あんなこともあった、そのとき自分は何してたっけ?」と回想する楽しみはありました。しかしながら、あまりに事実に即しすぎたいるために、新聞記事の後追いを読まされているみたいで、小説としての面白さにやや欠け、かといって事実の掘り下げがそう深いわけでもない、中途半端な感じが否めません。


また、あまりにもハゲタカ外資論を声高に振り回しているため、逆に著者の意図が空回りし、むしろ説得力を欠いている要因にもなっています。言いたいことはわかるのですが。。。。


ちなみに小説じゃないものとしては最近『ハゲタカが嗤った日 リップルウッド=新生銀行の「隠された真実」』
などというものも出ているようです。読んでいませんがタイトルからして本書と同趣旨なのでしょう。


あと、いちいち登場人物に「金融腐蝕列島を読んだか」「金融腐蝕列島という映画を見たか」と言わせるのはいただけません。小説内で自分の小説の宣伝をされると鼻が白みます。大小説家はもっとでんと構えていてほしいものです。


ちなみに、書中に出てくる外資のドンは「人の心もマネーで買えると私は思っている」と語っています。最近同じようなことを聞いたような気が。。。

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企業結合に関するFASBの暫定的結論(その4)

Losses attributable to the noncontrolling interest in excess of the noncontrolling interest in the equity capital of the subsidiary would be attributed to the noncontrolling interest rather than to the controlling interest.

:少数株主に帰属する損失が、子会社における少数株主出資の額を超過した場合、その超過部分は、親会社ではなく、少数株主に帰属する。

子会社が債務超過となった場合、それ以上の損失は少数株主に帰属させず、親会社に帰属させるのが原則でした。債務超過の会社が清算した場合、少数株主は株式が紙切れになる損失だけで済むのに対し、親会社はその超過分まで負担するのが通例です。したがって、親会社の立場で見る従来の財務諸表では、貸借対照表上の少数株主持分が0となった場合、それ以上少数株主持分が減少することはなく、それ以上の損失はそのまま連結の欠損金となりました。

今回の改訂案では、連結グループを一つの事業体と考える立場から、少数株主についても親会社と同様の負担をさせる考え方をとります。したがって、少数株主持分が0になって以降、さらに損失が発生するようだと、貸借対照表上の少数株主持分がマイナスとなる可能性があります。

IYの連結財務諸表におけるセブンの連結方法

セブンの資産200、負債100、IY出資60、少数株主出資40の場合

資産 200 / 負債    100
          少数株主持分 40
          子会社株式  60

その後セブンが100の損失を出した場合

資産 100 /  負債    100
           子会社株式  60
           連結剰余金 △60
           少数株主持分 0
(40の損失が帰属するため)

さらにセブンが100の損失を出した場合(セブンの債務超過などありえませんが・・・)
(従来)
資産  0 / 負債    100
         子会社株式  60
         連結剰余金△160
         少数株主持分 0
         (少数株主の負担なし))

(改訂案)
資産  0 /  負債    100
          子会社株式  60
          連結剰余金△120
          少数株主持分△40
          (少数株主も負担)
となるわけです。

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【本】「不安イライラクヨクヨがなくなる本」内藤誼人 「ため息の時間」唯川恵

歳とともに不惑(まだそこまで歳いってませんが)どころか、ますます小心度に磨きがかかってきました。そんな中すがる思いで「不安イライラクヨクヨがなくなる本」(内藤誼人)を購入。そもそもこんな本を手にとって買ってしまう自分が好きになれないのですが。。。

心理戦がらみの書籍が話題の著者の(おそらく)最新作。心理学の専門家のようです。

しかしながら、


「自分が対人不安だと思っている人は、友人とお酒を飲むときに緊張するかどうかを考えてみてほしい。おそらくは、全く緊張しないであろう。」(p128)緊張するんです。小心者は。「不安イライラクヨクヨ」を抱える人は。たとえ友人であろうとも。そんな相手は友人ではないと切り捨てられてしまうのかもしれませんが、切り捨てられると私には友人がいなくなってしまいます。

「恋愛にまさる人生の楽しみはない。既婚者だって恋のパワーを生かしてみよう」(p161)。そのように器用に恋のできる既婚者はこんな悩み持たないんですよ。小心者は新しい恋をしたらその恋に対して「不安イライラクヨクヨ」を抱えてしまうんです。既婚者だったらなおさらでしょう。

そのほか「ほどほどの基準、達成可能なルールを自分に課せ」(p98)といいつつ、一方で「できないという限界点を自分で設けるな」(p142)と言ってみたり、「人まかせにせず、自分でやれることを増やすと活力や積極性がアップする」(p88)といいつつ、「仕事は一人で抱え込まず、苦しいときには手伝ってほしいといえる人になろう」(p109)と言ってみたり。教えを請おうと思った迷える子羊は右往左往するばかり。

結局、「心臓に毛が生えていると自認している」(p128)方には所詮小心者の気持ちなど分からないのだな、というのが正直な感想でした。

で、「恋のパワーを生か」すために、唯川恵「ため息の時間」を購入。疲れているときはこのような主人公が若すぎない軽い恋愛小説が癒しになります。「バス・ストップ」「終の季節」、強そうだっだけど、実は脆かったおじさん。タフネゴシエーターよりこんな人たちに親近感を感じます。

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企業結合に関するFASBの暫定的結論(その3)

(つづく)と言っておいて全然続いていなかったものの再開です。
その1
その2

Net income or loss and each component of other comprehensive income would be attributed to the controlling and noncontrolling interests based on relative ownership interests unless the controlling and noncontrolling interests have entered into an arrangement that requires a different attribution. In that case, net income or loss or the components of other comprehensive income would be attributed to the controlling and noncontrolling interests based on the contractual requirements of that arrangement.

:純損益およびその他の包括利益の個別項目については、持分比率に応じて、親会社持分と少数持分に配分される。但し、配分について別個の契約があればそれに従う。

その2は貸借対照表上の表示についてですが、今回は損益計算書の表示についてです。

従来は以下の順番で表示することが一般的でした。

収益
費用
税引前損益
法人税等
少数株主持分(控除)
当期純損益

第二回で書きましたとおり、従来は親会社の視点から見た財務諸表という色彩が濃いため、最終的な当期純損益を計算する過程で、少数株主が享受する利益の部分を控除してしまいます。

しかしながら、今回の改正では、連結を一つの事業体と見る考え方が反映していると見られ、以下のような表記に変更されます。

収益
費用
税引前損益
法人税等
当期純損益
少数株主持分(控除)
親会社に帰属する当期純損益

まず会社全体の当期純損益を算出して、それを親会社分と少数株主持分に配分するというような表記となります。

つまり、今までは純損益(Net Income)といっていた数値は、最終的に親会社に帰属する部分についての数値であったのに対し、改訂後は少数株主に帰属する部分も含めた数値になるということです。前回のIYとセブンの例で行くと、最終的にセブンの個人株主が持っていってしまう部分について、従来は純損益から控除されていたのに対し、改訂後は一旦純損益に含んだあとに、それをIYの取り分と、個人株主の取り分に配分する、という考え方になります。

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【映画】誰も知らない

結局3連休は3日とも出勤してしまったわけですが、最終日は早めに切り上げ、映画を見ることにしました。もう終映間近の「誰も知らない」。川崎チネチッタにぎりぎりで駆けつけたら既に満席。昼の3時であるのにすでに最終上映時間であったため、時間をつぶして横浜の某映画館で仕切りなおし。ここはそんな混んでるわけではない。チネチッタは休日行っては行けないところになってしまったのかもしれない。

しかし、この映画。もちろん笑えるわけではなく、かといって感動作なわけでもなく、悲しくて涙ぼろぼろというわけでもなく、終了後はただただズシーと心に重さが残る読後感。かといって不快感ではない。これは何なんでしょうか。正直、まだ自分の中で消化し切れていません。

この映画を一貫して流れるのは、圧倒的な絶望感とその後に表れる一縷の希望。三歩下がって一歩進む。この繰り返し。これを監督は盛り上げようともせず淡々と映像にしていっています。

主演の柳楽さんだけにスポットがあたっているような感じですが、長女の北浦愛さんもいい表情を見せてくれます。とにかく子供たちの表情がすばらしい。これを引き出したのが是枝監督の腕なのでしょうか。

詳細はカトラーさんのところで。ここからさらにトラックバックをたどっていけば無数の評論が見られると思います。

さて、マイペースで仕事をしてきて、戯言を書いていた3日間が終了。明日からは通常モードでの更新。再開できるでしょうか。

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遭遇、石川ひとみ

 石川ひとみさんを見てきました。

といっても、偶然の産物。休日通勤途上の駅ビルのイベントのライブ会場に通りすがったためです。
会場がかなり狭く、20分前で結構な人だかりでした。
(といっても、往年の人気のことを考えるとまだまだ少ないような気がしましたが)。

仕事はいつでもできる。
でも石川ひとみはたぶん一生見ることができない。
そう考えて私も人だかりの一員に加わることにしました。

14時ちょうど、「まちぶせ」のイントロとともに石川ひとみさん登場。
遠目で見る限りでは、往年の姿と変わっていません。
彼女は10年ほど前大病を患い、一時期活動を停止していたはずなのですが、そのようなブランクは微塵も見せません。
また歳をとってから往年のヒット曲を歌う場合、キーを下げる場合が多いのですが、彼女の場合はしっかり原調で歌っていました。声色も当時のイメージそのままでした。

2曲目は「プリンプリン物語」。二十数年前のNHKの人形劇のテーマ。もっともこの3月までNHKにて再放送をしていて、うちの子も見ていたため、ナツメロという感じはしません。

以下は彼女が最近出したCDから以下の童謡を披露。
夏の思い出
 ふるさと
 小さい秋みつけた
 浜千鳥
 もみじ
 バラが咲いた

 個人的には「まちぶせ」以外の昔の持ち歌を歌ってほしかったのですが、そのようなマニアックな場ではなく、あくまでファミリー向けのイベントなので仕方のないことなのでしょう。
 
30分ほどの短いライブでした。
 さすがにその後の握手会に参加する時間まではなく、すごすごと仕事に向かいました。

「まちぶせ」のときは私は15歳。少しだけその頃の自分に戻れました。
偶然このような場に遭遇でき、幸運にも最近不調だった精神状態の癒しにもなりました。

オフィシャルサイトによると、今日が彼女の誕生日とか。
おめでとうございます。素敵な一日をありがとうございました。

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「始業前に「昨日の仕事」をすます人が成功する」の実行

復活宣言をした割にはまた穴あけてしまいました。
この言い訳などを。。。

「始業前に「昨日の仕事」をすます人が成功する 高井伸夫

上記書籍を読みました。
朝の時間は2倍、3倍の能率があがるというというのが趣旨で、まあ目新しい話ではありません。野村正樹氏や、中島孝志氏が書いているのとほぼ同じことといえます。

しかし、すぐ影響されやすい(そしてすぐ飽きやすい)私はまた感化されてしまいました。Blogを書くなら朝のほうがいいのではないかと。夜は眠くて思考が散乱する。だらだらやっていると睡眠時間を圧迫する。朝書くのであれば自分で締め切りを設定しているのも同然であり、短期間で考えをまとめる訓練にもなる。これは名案だ。

また、深夜はココログが異様に重く、いらいらすることが多い。早朝ならばさくさく動くのではないか。

そうは言っても、平日5時半起きの生活をしている私。今でも決して遅い起床時間ではない。帰宅は1時になることも多く、就寝時間は大体2時半。これ以上の睡眠時間削減は体力的につらい。でも、同じ睡眠時間なのであれば、どんなに遅く帰宅しても1時半には就寝し、4時半に起床するほうが、生活パターンとしてはいいのではないか。もっと早く帰って寝れば4時起きも可能だ。よし、これで行こう。

。。。こういうことは大学受験時代から試みては失敗していることなんですけどね。

睡眠時間固定でも1時半~4時半と2時半~5時半では大違い。1時半に寝ることは簡単に実行できる(当たり前か)。、しかし4時半に起きることはつらい。というよりも、全く目が覚めない。もともと十分な睡眠時間からは程遠いため、4時半などという時間は簡単に通り過ぎてしまうのである。家族がいるため、目覚ましを遠慮がちにかけていることも原因だろうが、それも改善が難しい。結局気づいたら5時半なのである。

どういう生活パターンがベストなのか。もう少し試行錯誤してみます。

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社会復帰

週末含め、精神的に絶不調だったゆえしばらく休載させていただきました。
何とか社会復帰の目処が立つまで戻ってまいりました。
(いや、別に引きこもっているわけではなく、実社会生活は普通にしていましたけどね)

どうも気分にムラがあって、いけないですね。
毎日コンスタントに問題提起されている方々のblogを見ますと、そのプロ意識に感心するとともに、まだまだ修行が足りないことを思わされます。

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信託拠出の年金資産 株高「返還益」計上認めず(9/7 日経)

:企業が株高で大幅な積み立て超過になった年金資産の一部を取り崩し、利益計上する会計処理が認められなくなる。日本公認会計士協会は近く、企業が信託制度を利用して年金向けに積み立てた資産の返還益を、原則認めない会計ルールの草案を公表する。2005年3月期から適用する方針。信託の活用は、退職給付会計の導入で顕在化した年金積み立て不足の解消策。安易な利益計上は企業会計の透明性を損ねると判断した。伊藤忠商事など返還益計上を決めていた企業は計画変更を迫られそうだ。

:既に伊藤忠や丸紅が2005年3月期の単体決算で、年金資産の返還に伴い,140億-150億円の特別利益をそれぞれ計上する方針を発表している。しかし、外部に積み立てた会計上の年金資産を取り崩すだけで利益計上できると、本業に関係ない部分での業績底上げが可能になる。会計士協会は決算の透明性を高めるため、返還益を認めないことにした。

日経(13版)一面に堂々と載っていました。それほどのことかという気がしないでもないですが。。。

以前こちらこちらで取り上げた年金資産の返還にかかる利益計上のお話です。

返還された部分が利益であることは疑いないかと思います。株価が上昇して含み益が増加しただけならまだしも、返還義務のない150億円という現金が実際に入金されるのですから、これは利益が実現していると考えていいと思います。

もっとも、この利益を一時で認識するか、何年かにわたって認識するかについては確かに議論がありそうです。退職給付債務がらみのいわゆる含み損益は残存勤務年数にわたって認識するのが原則であり、この場合だけ一時的に利益認識するのは違和感があるという感覚はわからないでもありません。この場合は、おそらく現金/退職給付引当金という仕訳になります。引当金が増加するということは、未認識債務が減少するわけで、将来の負担軽減という形での利益認識となるのであろうと思われます。
とはいえ、実際に現金150億という形で入金があり、とくに使途制限がないのであれば、それを素直に一時の利益とするという考え方もあながち間違っているとは思えません。

会計士協会は2005年3月から新ルールを適用させようとしているようですが、丸紅や伊藤忠がプレスリリースをしてからルールを変更するというのはどうなのでしょうか?丸紅などが無理な解釈をしているのであれば問題ですが、屁理屈をこねているというレベルではないですし、おそらく事前に関与している会計士との相談の上決定したことであると思います。また、経営財務誌上でも利益認識可能である場合を示しています。ゲーム最中にこの技を使うと宣言したばっかりに、突然その技が反則になるのではおちおちゲームなどやってられない気がしますが。

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企業結合に関するFASBの暫定的結論(その2)

3日付けエントリの続きです。

The equity interests of noncontrolling shareholders, partners, or other equity holders in subsidiaries would be accounted for and presented in equity, separately from the parent shareholders’ equity, rather than as liabilities or as “mezzanine” items between liabilities and equity.

:少数株主持分(注:分かり易さのため旧呼称を使用します。正確には非支配持分と訳すのが筋であると思います)は資本として会計処理され、親会社持分と区別して表示される。負債として表示すること、あるいは「メザニン(中間的項目)」として表示することは認められない。

少数株主持分の性質については、かねてより議論があった所です。

イトーヨーカドー(以下IY)を例にとると、この会社はセブンイレブン(以下セブン)という巨大な子会社を持っています。
セブンの過半数の株式はIYが保有していますが、セブン自身上場しているため、IY以外にも株主は存在するわけです。IYの連結貸借対照表における資産から負債を差し引いた残余の部分が連結の純資産となるわけですが、この連結純資産の中には当然セブンの純資産も含まれるわけです。セブンの純資産はIYだけのものではなく、少数株主が権利を持つ部分が含まれます。したがってIYの連結の純資産の中にも少数株主が権利を持っている部分が含まれているわけです。

この部分についてどのように考えるかということです。

連結貸借対照表をどの視点から見るかでこの性質は違ってきます。

IYという親会社の視点から連結財務諸表を見ると、少数株主部分は、他人が権利を持っている部分、他人に将来とられてしまう部分、すなわち負債であると考えることができます。

一方、IY連結を一つの事業体と見ると、資本として(子会社の)株主が提供した部分に属するものであり、返さなくてもよい部分、すなわち株主資本の一部であると考えることができます。

従来は、双方の性質を持つことから、負債と資本の中間に表示をしていました。メザニンと呼ばれてるのはそのような背景があります。

しかしながら、今回の暫定的結論においては、この部分を資本の部の一項目として表示すると明言しています。連結財務諸表というのは親会社の視点からではなく、連結グループを一つの事業体とみなして作成すべきとの立場を明確にしたものと思われます。

この改訂が行われれば、各社の資本の部は急激に増加するものと思われます。株主資本比率などの経営指標の定義なども修正する必要が出てきそうですね。

(つづく)

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企業結合に関するFASBの暫定的結論(その1)

すっかり旧聞になってしまったのですが(というより、長い間見落としていました)、FASBが7月27日に企業結合に関する暫定的結論を公表しております。

企業結合については既に基準書141号、および142号が2001年に公表され、持分プーリング法の廃止、のれんの償却停止などの新しい取り扱いが定められていますが、その後もパーチェス法の手続について検討が続けられていました。このプロジェクトについてもどんどんスケジュールが後倒しにされてきましたが、今回ようやく暫定的結論の公表に至ったものです。これは正式な公開草案とはまた別のようで、特にコメントは求めないけれども、もしコメントがあれば連絡くれという実にあいまいな位置付けになっています。

原文は2つの文書に分かれており、以下の場所に公開されています。
Summary of FASB Tentative Decisions on Noncontrolling

Summary of FASB Tentative Decisions on Business Combinations (including Mutual Enterprises) (156 pages)

Summaryといいつつ、改訂前の基準も紹介しているため下の文書などは156ページにも達しています。正直読みきれません。

今後、このサマリーのなかに、さらにサマリーがありますのでその部分を中心に紹介していきたいと思います。

まず、第一の文書Summary of FASB Tentative Decisions on Noncontrolling Interestsです。Noncontrolling Interests、日本語では「非支配持分」とでも訳すべきなのでしょうか。現状日本語では「少数株主持分」と呼ばれている項目の扱いです。英語では従来Minority Interestと呼ばれていました項目を名称変更したようです。

「少数株主持分」とは、連結財務諸表だけに出てくる項目で個別財務諸表には出てきません。
親会社P社と子会社S社だけが連結財務諸表を構成している場合を想定します。S社がP社の100%子会社であるばあいは、S社の資産負債は最終的にP社に帰属しますから、100%そのまま連結財務諸表に反映させることになります。しかしP社の持分が90%であり、10%は創業者の方が引き続き保有している、と言う場合を想定しますと、S社の資産負債のうち10%は最終的に創業者に帰属します。現在の連結財務諸表は一旦資産負債を満額計上した後、そのような10%株主が負担すべき分を控除するという形をとっています。損益計算書で考えると、S社が100の利益をあげた場合はその100の利益を一旦計上した後、「少数株主損益」として△10を控除するという形をとります。貸借対照表では、一旦100の純資産を増やしてから「少数株主持分」として△10を純資産から控除することになります。

この項目の扱いが大きく変わるというのがこの結論が趣旨です。詳細内容については次回以降で。

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課題多い「会計大学院」 卒業生の需要増カギ(日経金融 9/2)

:会計の専門家を育成する会計専門職大学院が2005年4月から本格スタートする。すでの開設済みの中央大学に加え、早稲田大、青山学院大などが文部科学省に設置認可を申請しており、来春には最大で10校体制に拡大する見通しだ。しかし金融庁が目指す公認会計士5万人体制への切り札的存在になるには、大学院内外での課題も少なくない。

当サイトの検索元ランキングでも常に上位をキープしていることから(サンプル数が非常に少ないのですが(笑))、この世界においては注目を浴びていると見られる「会計専門職大学院」について、日経金融が問題点を指摘しています。全文は引用できないのですが、指摘している課題を原文のまま挙げると以下の点になります。

①第一の課題は大学院の数だ

②教員の確保の問題もある

③講義時間も課題だ

④最大の課題は学生の出口戦略だ

①について今後設置予定も合わせて20にも満たないこと、およびそれも首都圏偏在であることが指摘されています。個人的には首都圏偏在は確かに問題かと思いますが、数は20もあればいいほうではないかと思います。本紙も指摘している通り、法科大学院と異なり、資格取得の必須条件とはされていない以上、そこまでの強い需要があるかと問われると疑問だからです。こういう場は受験のためというよりむしろ一旦実務を経験してきた方々が切磋琢磨する場として活用してもらいたいものです。ええ、単に私が行きたいというだけです。


②については、大学院では実務家教員の配置が義務付けられているらしく。「論文や出版物もあり、理論も教えられる教員にふさわしい実務家は限られる(本紙)」ということのようです。正確に言えば、いないことはなさそうなのですが、大学教員レベルの給与では来てくれる人がいないのが実情とのこと。サウイフモノニ ワタシハ ナリタイ

③、多くの大学院は昼間の開講とのこと。言語道断。私が行けないではないか。

④、これは大問題。本紙が言うとおり、将来的には公会計の導入による会計士需要の高まりはあるでしょうが、これは定着までにはまだまだ遠い話。おそらく直近の就職難は大手監査法人では吸収しきれないでしょう。そういったときにあぶれた方々を企業側が採用する意思があるか。新卒では厳しいでしょうね。
Blogを読んでいるような方には釈迦に説法でしょうが、本を読んで、講義を受けて、それだけでわかることというのは少ないです。とにかくわけのわからないままに実務をやってみて、その上で改めて本を読み直すと「なるほど、自分ってこういうことをやっていたんだ」という気づきが得られることが多いです。そのような「気づき」を得られた方なら企業の採用意欲は高いのではないでしょうか。ええ、単に私が行きたいというだけです。

個人的な感想文になってしまいました。ご容赦!

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初の退職時株式支給制度を導入 三洋電機の社員処遇改革(9/1 フジサンケイビジネスアイ)

:三洋電機(大阪府守口市)が社員処遇制度の改革を加速している。成果主義の導入で成果をあげた同社の改革は、いよいよ仕上げの段階に入ったようだ。

:そこで、来年四月から業界では初の試みとして、現行の退職金に上乗せする形で、全社員に同社株1050株を支給する退職時株式支給制度をスタートさせることになった。
「ESOP」と呼ばれる自社株運用の従業員持ち株制度で、勤続年数や勤務成績に関わらず15年間、毎年70株分のポイントが加算され、退職時に一括して1050株を手にできる。株価が上がれば成果配分が増えることから、経営への参画意識も向上できる。

「業界では初の試み」というより、日本ではあまり聞いたことがないような気がします。

これも会計処理が気にかかります。ESOPが古くから定着している米国では会計基準が定めれらています。手許に詳細な資料がないのですが、Web上で検索したところ、AICPA SOP(Statement of position:米国公認会計士協会の実務指針、とでもいいましょうか)93-6という会計基準があり、自己株式を各個人のアカウントに割り当てたときに、公正価値をもって費用認識することとされているようです。ちなみに、その会計基準が制定される前は、制度への拠出時に費用認識していたようですね。

三洋電機は米国基準適用会社ですので、連結決算上はこれにならった処理をすることになるのかと思います。

ただし、米国基準適用会社といえども、商法上の単独決算は日本基準によらざるを得ません。ESOPは日本に存在しないといってもほぼ間違いのない制度ですので、それに特化した会計基準は当然存在せず、会計処理をどうするかは一つの論点になるかと思います。

現在検討中であるストックオプションの会計基準が適用される範囲は、「自社株式又はこれをこれを原資産とするストック・オプションを対価(報酬)として用いる取引」とのことです。したがって、この会計基準が完成した暁には、それを用いることになると思うのですが、その平成18年4月以前まではどのように処理するのでしょうか?

「退職給付」の定義である、「一定の期間にわたり労働を提供したこと等の事由に基づいて、退職以後に従業員に支給される給付」には該当しそうです。確定拠出型の退職給付は拠出時に費用処理することになりますが、確定給付型では退職給付にかかる会計基準が適用されることになります。
確定拠出型と認められるためには、拠出時に負担した後の追加負担が生じないという要件が必要となります。このESOPの場合、詳細なスキームはよく分かりませんがおそらく何らかの制度を設立し、会社が一定額を拠出していくものと思われます。株価の急激な上昇や、退職率の上昇などのリスクは会社が負担することになるのでしょうから、確定拠出とはいいがたいような気がします。

では、確定給付型として会計処理するのでしょうか。だとすると、通常の退職給付債務の計算にさらに株式のボラティリティーを加味した計算が必要となってきます。文系の私などは天を仰ぐしかない計算となりそうです。

もっとも、ストックオプションが現在費用として認められてない以上、ESOPによる給付も費用ではないと考えることもできるかと思います。というよりそのほうが現在においてはまっとうであるかと思いますが、それでは自己株式を買い付けるために制度に拠出した金額の性質は?会計処理は??と考えると難しいものがありますね。どなたか教えていただければ幸いです。

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