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【映画】タイマグラばあちゃん

「生きる」ってことは何なのか。一つの回答がスクリーンの中に広がっていきました。

折りしも、イラクでは一人の若者が(私が映画を見ていた時点の報道では)犬死にした可能性が高く、また彼の実家にはいたずら電話をかけるような暇を持て余している人間が後を立たないという事実。そんな出来事とは無縁な、ただ「生きる」だけのことがどれだけ尊いか。

「何月が一番忙しいつうことはねえがねえ、百姓は、はあ。蒔けばすぐ後を立って草を取んねばなんねえし。収穫するときには、抜いて配ってハセさかけねえばなんねえし、何月が一番つううことはねえな。年がら年中、はあ4月さなって畑さ出はんようになれば毎日が忙しい・・・冬は冬、夏は夏。毎日忙しい。こうしてお客さんがあっ時がオレの日曜だ」

場所は早池峰山のふもと、タイマグラ。「姫神」ネタのときに書いたとおり、岩手出身の私にとってはお膝元。この住所であれば、かつて両親が住んでいた場所からは車で1時間とかからないはず。こんなところに、昭和の終わりに初めて電気がひかれたような集落があろうとは。全く知りませんでした。

半世紀以上前に、開拓農家として入植したじいちゃんとばあちゃん。仲間が山を次々と降りる中、最後の一家となってもこの地を離れず生活する様子を、約15年前からカメラが追い続けています。

監督の澄川嘉彦氏は、元NHKで1991年にこのばあちゃんをテーマとしたNHKスペシャルを完成後も、さらに取材を続け、ついにはNHKを辞めタイマグラに住みついてしまったという入れ込みようです。

「やはり、どうしも50代から60代あたりが一番元気のいいときではないかなあと考えておるわけです。ずっとこの兵隊に行ったあたりは元気はいいけれども考えなどがなってない点もあるんだもんね。やはり自分の身体に一番精力のあるときが何にも驚かないし、仕事をやり得るようだと今考えてみるに思っておるわけだ」

上司にこんなこと言われても、右の耳から左の耳へですが、90代のじいちゃんに言われると、実に説得力があるのです。私などまだまだひよっこ。ひよっこのくせにうだうだ悩むんじゃない。このように叱責されているように聞こえます。まるで今の迷いを見透かされているように。。。

精一杯生きているばあちゃん。でもその姿はなぜかキュートという言葉がしっくりきます。キュートなばあちゃんの姿、味噌と豆腐の香り、清冽な沢。2時間飽きさせません。現地に行ってみたくなること請け合いです。私も実家が近所なので行ってみたいのですが、件のNHKスペシャル放映後、ばあちゃんを訪ねた人が1万人いたという澄川監督の裏話を聞かされると、ちょっと躊躇してしまいますが。

現在のところポレポレ東中野で10:45~と限定的な上映ですが、土日は澄川監督のトークが聞けるようなので、お勧めです。

タイマグラ関係資料
タイマグラばあちゃん
岩手県川井村
ポレポレ東中野
ちほの宝箱
FIELD IN THE WILDLIFE
...タイマグラ
山小屋発 もうひとつの暮らし方
本州唯一のへき地5級校を訪ねる旅

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イラク香田さん殺害か?

イラクで香田さんとみられる遺体発見・身元確認へ

:日本政府は30日未明、イラクで武装グループに拘束された福岡県直方市出身の香田証生(こうだ・しょうせい)さん(24)とみられる遺体がバグダッド北方のバラドで発見されたことを明らかにした。巡回中の米軍が発見し、身体的な特徴から香田さん本人とみて、バグダッドの在イラク日本大使館に連絡した。日本政府は遺体の身元確認を急いでいる

前にも書きましたが、この手の若者を嘲笑したり非難する気にはなれません。
当時と状況は全然違うとはいえ、イランイラク戦争の直後、かつイラクのクエート侵攻直前にイランとトルコの国境をうろうろしていた私ですので。

ただ、明らかに今回は前回のときとは世論の風向きが違いますね。

一つは、前回の3人への非難を見てきた上での行動であったこと。

一つは、香田さんの目的が今のところ「旅行」しか出てこないところ(前回の方々にはそれなりの目的があった)

そして最大の要因としては、新潟地震で何ら非のない方々に悲劇が襲っていったのを目の当たりにしていること。
少なくとも香田さんには明らかな非があるわけです。

こんなところから、今回の世論は香田さんに冷たい、というより限りなく無関心に近い。
そのように感じています。上記のような経験をした私ですらさして関心がもてないのですから。。。

(まだ殺害は未確定情報ですのでご留意ください)

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伊豆箱根鉄道、個人名義株を4社が保有・社長辞任表明

伊豆箱根鉄道、個人名義株を4社が保有・社長辞任表明

:東京証券取引所第二部上場で西武鉄道グループの伊豆箱根鉄道の芹沢暉二社長は27日、伊豆鉄株の発行済み株式の3.5%にあたる約400人分の個人名義株を西武建設などグループ4社が実質保有していたと発表した。西武の同様の問題を受け、社内調査を進めた結果、個人名義株の存在がわかった、という。芹沢社長は事実関係を確認した上で、代表取締役を辞任する意向を示した。

:個人名義株には伊豆鉄の役員名義のものが含まれている、という。堤義明前会長の持ち株2000株のうち1400株がグループ所有と訂正した。現職取締役の持ち株もすべて伊豆箱根トラベルが実質保有している、とした。同日会見した芹沢社長も百株所有していることになっているが「配当はグループ会社が受け取るようになっていると認識していた」という。


素朴な疑問なのですが、この「配当」は一体どこに行ってしまったのでしょうか?

①役員が受け取っていた
②「グループ会社」(伊豆箱根トラベルは子会社のようです)が受け取っていた。
③実際には払われていない

社長会見によると①ではないようです。

では②だとしたら、子会社はどのような処理をしたのでしょう?
(借方)現金預金 /(貸方)???

受取配当ですか?でしたら、連結財務諸表作成の際にこれは消去する必要がありますね。そのような手続をしているのであれば、会計監査で発覚するはずです。

では、雑収益ですか?これも親会社からの受取であれば消去する必要があります。消去していないのだとすれば、親会社が配当で支払って、子会社が雑益で受け取る。連結ではキャッシュが動かないのに、連結損益計算書上雑益だけ毎期計上されることになります。損益計算書も誤っていたことになるはずです。

では、記帳していない?論外ですね。税務署が黙っていないでしょうね。いくら受取配当でも。

③も論外ですね。

もう少し事実関係を注視してみたいと思います。

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年金資産>PBOの場合の取り扱い

田舎で暮らす会計士のBlog のigarinさんからトラックバックをいただきました。ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。

:igarinの独り言:退職給付水準の引き下げによって年金資産>PBOとなっている場合に、当該超過額を「未認識年金資産」とせずに「未認識過去勤務債務」として償却していくのはやっぱりN.Gでしょうか?

基準では明確にNGなのでしょうね。上のほうに

:当該超過額は「未認識数理差異」または「未認識過去勤務債務」として償却していくのではなく、「未認識年金資産」として認識し、償却を凍結します。未認識なのでオフバランスです。

と書いている通り、内容が「未認識過去勤務債務」であっても、「未認識年金資産」として認識しろと書いていますからね。

結局、年金資産というものは、PBO(退職給付債務)があってはじめてその負債を減らす効果があるのであって、PBOなしの年金資産など資産性がないということなのでしょう。

ただ、これだと年金財政が健全な企業が、退職給付の水準を引き下げたとしても、減額の効果は損益計算上ほとんど出てこないことになりますね。

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SEC、GMなど6社調査 年金会計、不適切処理の疑い(日経金融10/25)

:米証券取引委員会(SEC)は、ゼネラルモーターズ(GM)など大手自動車メーカーを含む6社が不正確な年金コストの計算などで財務内容をゆがめていた可能性があるとして、非公式の調査に入った。SECは6社に対し、年金コストの見積もりの詳細な算出方法など、資料の提示を求めている。
米誌ビジネスウィーク(25日付)が「SECが年金基金にからむ6社の会計処理法に疑問をもっている」と報じた。

(以下作成中)

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EU「信頼性」など4項目 日米会計継続利用で判断基準(日経金融10/26)

:欧州連合(EU)は域内の取引所に上場する日米カナダ企業に対して、自国の会計基準の継続利用認めるかどうかの検討作業を本格化する。国際会計基準(IAS)との比較にあたって、「信頼性」「妥当性」など4項目を判断基準とする方針を示した。11月上旬の日米欧定期協議でも主要議題になる見通しで、日本企業の上場維持にも影響しそうだ。

(以下作成中)

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サラリーマンの大切な企業年金を守るため特別法人税の撤廃を求めます

サラリーマンの大切な企業年金を守るため特別法人税の撤廃を求めますとのことなのですが、週刊税務通信2842号によると、財務省自身がこの税制の廃止を要望しているようです。

じゃあ、一体誰が継続を望んでいるのでしょうか?

(ちなみに、この税制自体、現在凍結中です)

(参考)サラリーマンの大切な企業年金を守るため特別法人税の撤廃を求めます

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事業税外形標準課税のC/F上の取り扱いについて

田舎で暮らす会計士のBlogより、

:前期まではP/Lの法人税等とB/Sの未払法人税等は同じ税金を対象としていたので、C/F精算書上は「未払法人税等」の前期差額全額を「利益剰余金」の前期差額から調整したP/Lの「法人税等」の金額と調整して「法人税等の支払額」としていましたよね。

:そこで、未払法人税等に含まれている「事業税の外形標準課税」相当額は法人税等の支払額で調整せずに、「その他負債の増減額」か「事業税外形標準課税」として区分して「営業活動によるC/F」の「小計』の上で、「税引前当期純利益」を調整する形で表示することで一件落着となります(^_^)。

なるほど。
キャッシュフロー計算書作成の現役を離れている間に、そのような論点があったのですね。うちはどうやっているんだろう、と一瞬頭をよぎりましたが。。。

結論からいいますと、米国会計基準適用会社には関係なかったです。

日本基準のキャッシュフロー計算書は、「税引前利益」がその出発点となります。従ってキャッシュフロー計算書を作成する場合は、損益計算書における「税引前利益」を、キャッシュの増減があったものとなかったものに区分する必要があります。


従来の貸借対照表上の「未払法人税等」の金額は、「税引前利益」に影響することはありませんでした。未払法人税の相手勘定は基本的には「法人税等」か「現金預金」しかありえなかったからです

これが外形標準課税の導入により「未払法人税等」の相手勘定に「販売費および一般管理費」が登場するようにりました。したがって、未払法人税等の増減額の一部だけが「税引前利益」に影響してくることになりました。このため「未払法人税」の増減の内容を区分することが必要となってきたわけです。

ところが、ソニーの決算短信 18ページの連結キャッシュフロー計算書を見ていただければ分かりますが、営業活動によるキャッシュフローの出発点は「当期純利益」となっています。したがって「当期純利益」の内容全体について、キャッシュの増減を判断すればいいことになります。その中身が税引前の項目であるか否かを問わないわけです。このため「未払法人税」の増減の内容を区分する必要はないことになります。

なぜ、このような差があるのか背景はよく分かりません。
最終数値は変わらないので、さしたる差ではないですが。

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アソシエント粉飾決算、全常勤取締役が辞任

アソシエント粉飾決算、全常勤取締役が辞任

:東証マザーズ上場で、ソフト開発のアソシエント・テクノロジーは21日、9月29日に公表した2004年7月期連結決算で純利益を約1億7000万円分過大計上したと発表した。決算内容を見直すため、28日に開催予定だった定時株主総会は延期する。利益操作を主導した成重健二前社長ほか、非常勤取締役を除く全取締役が20日付で辞任した。本来の赤字決算を黒字に見せかけていたほか、長期間にわたって利益を水増ししていた疑いもある。

まず、なぜ発覚したのかが非常に気になります。少なくともこの件に関し、会計監査人が重要な役割を果たしたようには見えません。大分合同新聞の報道では前社長自ら内部監査室に報告したとのことです。なぜ前社長が突然改心したのか。どこかからの密告があったのか。続報は今のところ見受けられません。

ところで、アソシエントテクノロジーの決算短信はこちらです。

連結財務諸表は一期分しかありませんので、個別財務諸表を見てみましょう(p33)。
総資産十数億の企業が2億円程度の粉飾を行っていたとすれば当然その歪みがどこかに表れているはずです。
外注費用の未計上や、本来売上原価に上げるべき費用を資産に掲げ利益を過大に計上していた」とのことですので、それがどこに表れているのでしょう。

まず、前年度の前渡金が173百万円と異様に膨らんでいるのが目に止まります。売掛金より大きいというのが尋常じゃないですね。前渡金は将来の作業に必要な金額を取引先に前払いしたものと思われますが、本当に将来の作業に対する対価なのか、棚卸資産にして売上原価計上すべきものはなかったのかという疑念が生じます。もっとも反対に前受金も膨らんでいるようですので、ここはそれほど問題ないという可能性もあります。

次に今年度についてですが、前渡金は減少しているものの前払費用と長期前払費用は増加しているため前年度と同様の疑念が起こり得ます。それに増して、仕掛品とソフトウェアの急増が気にかかります。ソフトウェアの増加要因については「開発用生産管理システムに関わるソフトウェア資産(無形固定資産)の購入による支出116,500 千円」(p5)と書いています。これだけ目立つ投資であれば、会計士も何らかの証憑確認をしていると思いますので、問題ないようにも思えます。となるとやはり棚卸資産の中に実体のない資産が含まれているということでしょうか。ただ、それだけでは1億7千万までの説明は難しいように思えます。

あとは、「外注費用の未計上」とのことですので、資材購入のタイミングを繰り延べている可能性がありますね。それであれば財務諸表にとりあえずは痕跡は残りませんので、意図的にやられると監査上は発見しにくいですね。泣いてもらった取引先がいくつもあったのかもしれません。

これらは後講釈に過ぎませんので、これだけをもって担当会計士の監査手続の十分性を非難するつもりは毛頭ありません。11月末とされる決算修正発表に注目したいと思います。

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会計制度委員会報告第13号「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)」等の改正について

会計制度委員会報告第13号「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)」等の改正について

:会計制度委員会からの答申「会計制度委員会報告第13号「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)」の改正について」及び「「退職給付会計に関するQ&A」の改正について」が、平成16年10月4日の理事会で承認され、同日付けで公表されましたのでお知らせいたします。

:積立超過の全部又は一部の解消日後は、1により積立超過の解消に伴い発生したものとされた未認識数理計算上の差異又は未認識過去勤務債務を、事業主の採用する会計方針に従い費用(減額)処理を行う。積立超過の解消が年金資産の返還により生じたものである場合には、返還額を事業主の資産と退職給付引当金の増加として処理する。

以前公開草案が出た際に記事 にしましたが、これが本決まりになったようです。難しく書いてありますが、要はこちらでとりあげた2商社の会計処理は結局認められなかったということになります。

しかしながら、私がこちら

:ゲーム最中にこの技を使うと宣言したばっかりに、突然その技が反則になるのではおちおちゲームなどやってられない気がしますが。

と書いたおかげで?、最終版はかなりもってまわった書きぶりとなっています。

:「会計制度委員会報告第13号「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)の改正について」(平成16年10月4日)は、公表日以降に年金資産の返還が行われた場合に適用する。ただし公表日前に行われた返還であっても、公表日を含む事業年度(当該事業年度を構成する中間会計期間を含む。)に行われた返還について、改正後の本報告を適用することが望ましい。なお、公表日を含む事業年度の開始後、公表日前に行われた返還について、改正後の本報告により確認された会計処理と異なる会計処理を行っていた場合で、重要性があるものについては、その内容を注記する。

つまり、2商社に対し、当初の会計処理を適用してもいいけど、決して望ましいことじゃないよ。望ましくないことをやるんだから、財務諸表にはちゃんとその旨明らかにしておいてね、といっているわけです。まあ協会の最大限の妥協なのでしょうね。

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凡ミスの恐ろしさ

過去の凡ミスが大変な事態を巻き起こし、ずっと後フォローに追われるとともに、週末はショックで精神的引きこもり状態に陥っていました。あー恐ろしい。

やっと立ち直りつつあります。

独り言でした。

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『だれが「本」を殺すのか』(佐野眞一)とリスク情報開示(その2)

:上場するには、東京証券取引所の審査を受けなければならないんですけど、けっこう厳しい審査だった。そのときリスク開示を求められたんです。例えば再販制(「定価」販売制度)とか委託販売制がリスクになると。

 上場する際に金融庁に提出する「有価証券届出書」では、上場しようとしている企業が抱えているリスクに関する情報を記載する必要があります。

具体的には「事業の概況等に関する特別記載事項」といわれるもので、IPO用語集の言葉を借りますと、以下のように説明できます。

「事業の概況等に関する特別記載事項」のことをいい、リスク情報ともいわれる。株式を公開するにあたっては、自社の事業内容等を投資家に対して開示する必要がある。特に株式公開時に作成する有価証券届出書や公募等の勧誘に際して用いられる目論見書には「事業の概況等に関する特別記載事項(いわゆる「リスク情報」)」を記載しなければならない(平成16年7月以降は項目名が「事業等のリスク」となる)。リスク情報は、その名のとおり投資家の判断に重要な影響を及ぼすおそれのある投資上のリスクを記載したものである。なお、内閣府例の改正により、平成16年3月期決算からは有価証券報告書においても、リスク情報(「事業等のリスク」)の記載をしなければならないこととなった。

上記の通り、昨年度からは既に上場している企業が提出する「有価証券報告書」においても事業等のリスクの開示が求められています。もっとも、これについては始まったばかりなので開示内容については未だ手探りの状態が続いているようです。

角川ホールディングスの有価証券報告書では、再販制度および委託販売制度について、下記の通りリスク情報を記載しています。

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(2)再販制度について

当社グループの製作・販売している書籍、雑誌等の著作物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下「独占禁止法」という)第23条の規定により、再販売価格維持契約制度(以下「再販制度」という)が認められております。

再販制度とは、一般的にはメーカーが自社の製品を販売する際に、「卸売業者がその商品を小売業者に販売する価格」「小売業者が消費者に販売する価格」を指定し、その価格(「再販売価格」という)を卸売業者、小売業者にそれぞれ強制する制度であります。独占禁止法は、再販制度を不公正な取引方法の1つであるとして原則禁止しておりますが、著作物ついては再販制度が認められております。

公正取引委員会は平成13年3月23日付け「著作物再販制度の取扱いについて」において、「競争政策の観点からは同制度を廃止し、著作物の流通において競争が促進されるべき」としながらも、「同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない」と指摘しており、当面、当該再販制度が維持されることとなっております。当該制度が廃止された場合、業界全体への影響も含め、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)委託販売制度

法的規制等には該当いたしませんが、再販制度と並んで出版業界における特殊な慣行として委託販売制度があります。委託販売制度とは、当社グループが取次及び書店に配本した出版物について、配本後、約定期間内に限り返品を受け入れることを条件とする販売制度であります。

当社グループではそのような返品による損失に備えるため、会計上、期末の売掛債権を基礎として返品見込額の売買利益相当額を、返品調整引当金として計上しております。よって、返品率等の変動により、当社グループの経営成績に影響が出る可能性があります
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『だれが「本」を殺すのか』(佐野眞一)とリスク情報開示(その1)

『だれが「本」を殺すのか』(佐野眞一)
数ヶ月前文庫化されたノンフィクションです。本の趣旨についてはここでは触れません。

ただ、この本に引用されている角川書店社長の角川歴彦氏のインタビューの中に、このサイト的に興味深い部分がありましたので、取り上げてみます。(p311)

:上場するには、東京証券取引所の審査を受けなければならないんですけど、けっこう厳しい審査だった。そのときリスク開示を求められたんです。例えば再販制(「定価」販売制度)とか委託販売制がリスクになると。

:つまり「再販制度がなくなったら角川書店の経営に投資家として重大な影響を受ける」とか、「委託制というものが100%返品自由であれば、どこで売り上げが確定するんだ。売り上げが確定しない会社というのはあり得ないではないか」という東証の審査官の素朴な疑問ね。

:そういうことが出版界ではほんとうに語られたことがあったのか。そのことを上場して知ったということかな。

4年ほど前のインタビューにもかかわらず、非常にタイムリーな論点を含んでいます。今日は時間がありませんので、続きは後ほど。。。

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今週休載

時既に遅しですが、 今週は決算のため休載させていただきました。

ねたはそれなりにありそうなのですが、咀嚼している暇がないですし、そもそも、今週は家でパソコンの前にすわっていません。


三連休は、休めそうですが出掛けてきます。台風なのに。

てなわけで、更新は連休明けとなります。トラックバックをいただいているようですが、返事は来週となります。御了承ください

KOH@モブログ

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10/12追記

上記は10/8に書いた文章ですが、モブログの設定ミスにより投稿が12日となってしまいました。
3連休は上記の通り台風のさなか出かけてきました。
現在はリハビリ兼、休み中の情報収集をしております。
本格復帰は明日からということで。

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姫神さん死去

ココログのメンテをしていたら、こんな記事が飛び込んできました。

Yahoo!ニュース - 社会 - 読売新聞

:東北地方の風物を題材にした音楽で知られるシンセサイザー奏者の姫神(ひめかみ、本名・星吉昭=ほし・よしあき)さんが1日午前1時21分、心不全で亡くなった。58歳だった。

久しく忘れていた名前でした。

 1981年デビューですので、まさに私が岩手に住んでいた頃。地元出身で、当時としては先端的イメージのあったシンセサイザーを駆使した「姫神せんせいしょん」の音楽は、好むと好まざるとに関わらず、ローカル番組のテーマ曲などを通じて、耳に飛び込んできたものでした。子供の頃から身についている民謡みたいなものというべきでしょうか。その当時から気になる人ではありました。それは、現在ちょくちょく山に登りに行くようになった私が、小学一年生の頃最初に登った山が姫神山であることとは、決して無縁ではないでしょう。

その後、「姫神」を名乗りソロ活動を始めた後も、名前を聞いて音楽を流れてくると、耳を傾けてしまう。そんな存在でした。

とくに記憶があるのは「深夜のNews」の真魚さんも書かれている「炎紀行」での音楽。この「炎立つ」というドラマ自体の視聴率はテーマがマイナーなこともあり、大河ドラマ界での底辺をはいずっていたものの、個人的には小学校で習った地元の歴史そのままのテーマであり、新撰組などよりはるかに身近な歴史であり、故郷そのものでした。そして配役に優れた名作でした。このころはもう首都圏で働いていたため、このドラマ、そして音楽は望郷の念をかきたてるものでした。
CSで放送するらしいのです。うちじゃ見られませんが(泣))

さりとて、CDを持っているわけではない。曲はいろいろ聴いたことがあるものの、タイトルは分からない。そんな私です。ファンを名乗ることは失礼極まりないことかもしれません。ただ、また一つ故郷を失ったような気がします。

これから休日出勤ですが、CDショップ寄って行くかな。亡くなってから買っても喜んでもらえないかもしれないけど。

(追記)
よく考えると「姫神さん」という表現は、「ZARDさん」とか「T.M.Revolutionさん」とか呼ぶのと同様に奇異な感じですね。でも、それ以外の表現が見当たらないのと、「姫神山」のイメージがあるので、このままとさせていただきます。

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