« 会計制度委員会報告第13号「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)」等の改正について | Main | 事業税外形標準課税のC/F上の取り扱いについて »

アソシエント粉飾決算、全常勤取締役が辞任

アソシエント粉飾決算、全常勤取締役が辞任

:東証マザーズ上場で、ソフト開発のアソシエント・テクノロジーは21日、9月29日に公表した2004年7月期連結決算で純利益を約1億7000万円分過大計上したと発表した。決算内容を見直すため、28日に開催予定だった定時株主総会は延期する。利益操作を主導した成重健二前社長ほか、非常勤取締役を除く全取締役が20日付で辞任した。本来の赤字決算を黒字に見せかけていたほか、長期間にわたって利益を水増ししていた疑いもある。

まず、なぜ発覚したのかが非常に気になります。少なくともこの件に関し、会計監査人が重要な役割を果たしたようには見えません。大分合同新聞の報道では前社長自ら内部監査室に報告したとのことです。なぜ前社長が突然改心したのか。どこかからの密告があったのか。続報は今のところ見受けられません。

ところで、アソシエントテクノロジーの決算短信はこちらです。

連結財務諸表は一期分しかありませんので、個別財務諸表を見てみましょう(p33)。
総資産十数億の企業が2億円程度の粉飾を行っていたとすれば当然その歪みがどこかに表れているはずです。
外注費用の未計上や、本来売上原価に上げるべき費用を資産に掲げ利益を過大に計上していた」とのことですので、それがどこに表れているのでしょう。

まず、前年度の前渡金が173百万円と異様に膨らんでいるのが目に止まります。売掛金より大きいというのが尋常じゃないですね。前渡金は将来の作業に必要な金額を取引先に前払いしたものと思われますが、本当に将来の作業に対する対価なのか、棚卸資産にして売上原価計上すべきものはなかったのかという疑念が生じます。もっとも反対に前受金も膨らんでいるようですので、ここはそれほど問題ないという可能性もあります。

次に今年度についてですが、前渡金は減少しているものの前払費用と長期前払費用は増加しているため前年度と同様の疑念が起こり得ます。それに増して、仕掛品とソフトウェアの急増が気にかかります。ソフトウェアの増加要因については「開発用生産管理システムに関わるソフトウェア資産(無形固定資産)の購入による支出116,500 千円」(p5)と書いています。これだけ目立つ投資であれば、会計士も何らかの証憑確認をしていると思いますので、問題ないようにも思えます。となるとやはり棚卸資産の中に実体のない資産が含まれているということでしょうか。ただ、それだけでは1億7千万までの説明は難しいように思えます。

あとは、「外注費用の未計上」とのことですので、資材購入のタイミングを繰り延べている可能性がありますね。それであれば財務諸表にとりあえずは痕跡は残りませんので、意図的にやられると監査上は発見しにくいですね。泣いてもらった取引先がいくつもあったのかもしれません。

これらは後講釈に過ぎませんので、これだけをもって担当会計士の監査手続の十分性を非難するつもりは毛頭ありません。11月末とされる決算修正発表に注目したいと思います。

|

« 会計制度委員会報告第13号「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)」等の改正について | Main | 事業税外形標準課税のC/F上の取り扱いについて »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12395/1758948

Listed below are links to weblogs that reference アソシエント粉飾決算、全常勤取締役が辞任:

« 会計制度委員会報告第13号「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)」等の改正について | Main | 事業税外形標準課税のC/F上の取り扱いについて »