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減損算定方法で隔たり 割引率の根拠か、開示を(11/18 日経金融)

:2006年3月期の義務付けを前に減損会計の適用が広がる中、企業による算定方法の違いの大きさに投資家やアナリストが戸惑っている。割引率や資産のグルーピングなど企業側の裁量余地が大きく、算定方法しだいで損失額に大きな差が出ることは以前から指摘されていた。市場では早くもより詳しい情報開示などを求める声が出ている。

:減損会計は固定資産の価値を、資産が生み出す将来キャッシュフロー(現金収支)を現在価値に割り引いた回収可能価格か、売却可能価格で評価する。企業が設定する割引率によって、資産価値は大きく異なる。10年後の百億円を現在価値に割り引く場合、割引率2%なら82億円だが、割引率10%なら38億円にしかならない。

別に減損会計に始まったことではなく、既に退職給付会計でも同じようなことが起きています。退職給付会計では割引率を高めに見積もれば、将来キャッシュフローの割引現在価値が小さくなりますので、負債を小さく見せることにより損失を小さく見せることができますが、減損会計の場合は将来キャッシュフローの現在価値が小さければ固定資産の価値が小さくなりますので、逆に損失が大きくなることになります。

もっとも退職給付会計の場合は「安全性の高い長期の債券の利回りを基礎として決定しなければならない」と規定されていますので、それほど大きな差は生じない(はず)なのですが、減損会計の場合は会計基準で、「貨幣の時間価値を反映した税引前の利率」としており、これは企業の信用力等によって大きく異なることになります。

この減損会計、導入までにかなりすったもんだしたので、いろいろ不備はあるかと思います。しかしとにかく導入できたことに意義があり、まだ早期適用期間中なのでこれから運用で改善していけばいいかと思います。

ところで

:資産の売却価格は不動産鑑定評価や路線価、公示地価などから選べる。ある食品会社は、東京都心部の遊休地を周辺の取引事例より低い路線価で評価した。経理担当者は「決算が好調なので損失を多く計上したかった。貯金のようなもの」と打ち明ける。

こらこらこら。。。。
もともと米国で減損会計が導入されたのは、経営者が交替した場合、一旦巨大な損失を計上して、それからV字回復を印象付ける、いわゆるビックバスと呼ばれる手法の制限にあったと言われています。日本では損の先送り防止としての効果が強調されていますが、このように損失が過度に前倒して計上されていないかという側面から注視していくことも必要と考えられます。

(written on Nov.21)

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