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退職給付会計基準注解の改正案を来年1月に公表(経営財務 12/20)

:企業会計基準委員会(ASBJ、委員長:斎藤静樹 明治学院大学教授)は12月9日、「第1回退職給付専門委員会」を開催した。テーマは退職給付会計基準注解(注1)Ⅰの見直し。代行返上等による積立超過(年金資産-退職給付債務>0)が生じていることから、あらためて積立超過に関する処理のあり方を検討するものである。11月5日開催の第68回委員会において確認された、未認識年金資産として取り扱っている部分を資産計上(前払年金費用)にする、との方針を踏まえ、今回の会合では(1)資産計上することの考え方、(2)資産計上するよう変更した場合、会計基準変更時差異を含めることの是非、(3)すでに未認識年金資産が存在している場合、今回の変更による会計処理はどのようになるか、などについて意見交換が行われた。

また退職給付会計ネタです。年金資産の残高が退職給付債務の残高を上回る、いわゆる「積立超過」の状態となった場合の会計処理について見直しが行われるようです。

かいつまんで書きますと、現状では退職給付債務として計算された額を年金資産の額が上回る場合、その上回った部分は資産として計上できないことになっています。年金の支払義務が100ある場合、年金資産が80である場合はネットで負債が20と記帳されますが、年金資産が120である場合は、20の資産計上とはならず、ネットで資産負債0と扱われる、ということです。これを20の資産計上ができるようにしよう、というのがこの改正の動きです。

このネタは、既に田舎で暮らす会計士ことigarinさんが既に取り上げていますが、そちらでも指摘されている通り、経営財務の記事では、なぜこのような検討が始まったのかよく分からない面があります。

以降は私の憶測に過ぎませんが、そもそもの発端は、年金資産を返還した場合に一時的に特別利益を計上するような解釈の余地があることが判明したことにあると思います。この話題はここでも過去何度か取り上げています。

年金資産>PBOの場合の取り扱い
会計制度委員会報告第13号「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)」等の改正について
信託拠出の年金資産 株高「返還益」計上認めず(9/7 日経)
年金資産の返還に係る会計処理と未認識年金資産
2商社が年金資産の返還

結局、こちらの記事にも書きましたとおり、原則としてこのような特別利益の計上は認められないこととなったのですが、そもそもそのような解釈の余地がある基準のほうがおかしいのではないか、という問題意識があったものと思われます。個人的には「積立超過」は将来の拠出金負担の減などを通じて企業にメリットをもたらす可能性が高いといえると思います。したがって「積立超過」も「積立不足」も同様に、一定の償却年数にて償却していくほうが論理的に正しいと思いますし、単純ですっきりすると考えています。

おそらく、「経営財務」で改正の理由について奥歯に物のはさまった言い方をしている(そして企業会計基準委員会が公表するであろう基準にも同様のことが書いてあるのでしょうが)のは、かつて企業会計審議会が明文化した一文を、企業会計基準委員会があからさまに否定することになるため、環境の変化という側面を前面に押し出す必要があったからと勝手に推測しております。

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Comments

トラックバックありがとうございます。
Kohさんがおっしゃるように、たとえ退職給付債務を上回る年金資産になったとしても、通常の未認識数理計算上の差異もしくは未認識過去勤務債務として計上し、平均残存勤務期間等一定の年数で償却すべきであるということなんでしょうね。
監査法人内でもこのあたりの議論をしていただける方がなかなかいらっしゃらないので、ほんとありがたいです。
これからもよろしくお願いしますm(__)m。

Posted by: 田舎の公認会計士 | 2004.12.26 at 10:45 PM

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