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国際会計基準が中小企業用会計基準に関する討議資料を公開(3)

ある米国公認会計士の鎌倉からロンドンへの道: 国際会計基準が中小企業用会計基準に関する討議資料を公開

前回の続きです。

5.May an entity using IASB Standards for SMEs elect to follow a treatment permitted in an IFRS that differs from the treatment in the related IASB Standard for SMEs?

Full IFRSと中小企業の会計基準が異なる扱いを示している項目について、中小企業の会計基準を適用している企業が、当該項目に関しFull IFRSを適用することを否定するものではないとのことです。ただし、その場合はstandard by standard アプローチによるべきとの暫定的見解を示しています。すなわち、例えばIAS○号の第1項、第2項、第3項に中小企業用に簡便的扱いを認めている場合において、第1項につき原則的扱いを適用した場合は、第2項および第3項についても原則的扱いを適用する必要があるとのことです。

6.How should the Board approach the development of IASB Standards for SMEs? To what extent should the foundation of SME standards be the concepts and principles and related mandatory guidance in IFRSs?

これは、中小企業の会計基準を白紙の状態から作り上げるべきか、それともFull IFRSを出発点として、それを修正する形で行うのか検討した結果、Full IFRSを修正するアプローチで作成していくとの考え方を示しています。

7.If IASB Standards for SMEs are built on the concepts and principles and related mandatory guidance in full IFRSs, what should be the basis for modifying those concepts and principles for SMEs?

前段では、中小企業の報告基準はFull IFRSを修正していく形で作成していくこととしたので、どういった原則に基づいて修正していくのかという論点です。その修正の原則は「中小企業の財務諸表の利用者のニーズ」および「コストベネフィット分析」であるとしています。この原則により修正されるのは表示および開示の部分が中心であり、原則として資産負債の認識測定の原則については修正しない方向で考えているようです。大企業で資産であり、中小企業では資産ではないというのは原則的におかしいという考え方からです。

8.In what format should IASB Standards for SMEs be published?
発行の方法はどのようにすべきか

中小企業用の会計基準はどのような形になるのか、ということです。これについては、中小企業用の会計基準として別に1冊の形にするようです。そして、ナンバリングは既存のIFRSに従うものとしています。今後は、まず既存のIFRSについての中小企業用の扱いを定めた1つのIFRSの草案を公開し、基準にしていくとのことです。

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国際会計基準が中小企業用会計基準に関する討議資料を公開(2)

ある米国公認会計士の鎌倉からロンドンへの道: 国際会計基準が中小企業用会計基準に関する討議資料を公開

6/30付エントリの続編です。
討議資料が公開されていますので、改めて内容について紹介したいと思います。

内容については「IASB(国際会計基準審議会)は中小企業用IFRS(国際財務報告基準=国際会計基準の新名称)を作るぞ」という宣言と、「作るにあたってはこういう方針で行きますけどどうでしょう??」というもので、具体的な会計基準の変更について示しているわけではありません。

論点は以下の通りです。

1.Should the IASB develop special financial reporting standards for SMEs?

そもそもIASBには、完全なIFRS(Full IFRSと言っています)が全ての企業にとって最適な会計基準である、というポリシーがあります。しかしながら対がを中小企業とした場合、利用者、利用方法などの点で、Full IFRSを作成する場合の大前提とは異なっています。加えて、IASBが統一した中小企業の会計基準を作成しないとなると、世界に何種類かの中小企業用の基準が存在することになり、比較可能性に問題が生じることになることになります。これらのことを考えると、IASBが中小企業の会計基準を作成することは決して上記ポリシーに反することではないとしています。ただし、中小企業の会計基準を適用したのであれば、IAS1号に基づき、その旨を開示する必要があるとしています。

2.What should be the objectives of a set of financial reporting standards for SMEs?

中小企業の報告基準は以下のようであるべきとしています。
・高品質、理解可能かつ強制力のある、中小企業に適したグローバルな会計基準であること。
・中小企業の財務諸表の利用者のニーズを満たすことに焦点を当てること
・IFRSと同じフレームワークに基づくものであること
・グローバルスタンダードに準拠しようとする中小企業の負担を減少させること。
・Full IFRSに簡単に移行できるものであること。

経営管理情報や、税務に関するニーズは今回の中小企業用報告基準の目的ではないとしています。


3.For which entities would IASB Standards for SMEs be intended?

中小企業用会計基準といっても、適用範囲を企業の規模の大小で判断することはしないとの考えを示しています。まず第一に公的説明責任(public accountablity)がある企業は中小企業の会計基準を適用できないとしています。公的説明責任のある企業としては、上場企業、公益企業、金融機関などがあげられています。また、株主全員が賛成しないと中小企業の会計基準は適用できないこととされています。公的説明責任のない企業は潜在的な中小企業の会計基準の適用者となりますが、最終的などのような企業に適用可能とするかは各国の規制当局が定めるものとしています。

4.If IASB Standards for SMEs do not address a particular accounting recognition or measurement issue confronting an entity, how should that entity resolve the issue?

設問が分かりにくいのですが、中小企業用の報告基準が言及していない問題があった場合は、その問題に限りFull IFRS に従うものとしています。

(続く)

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企業会計審議会 論点整理及び意見書(公開草案)の公表について

16.6.24 企業会計審議会 論点整理及び意見書(公開草案)の公表について

従来、海外の会社が日本に上場する場合において、自国の会計基準で財務書類を使用する場合は、金融庁が、公益又は投資者保護に問題がないか個別審査することになっていました。そしてその開示は日本語によるものとされていました。

この公開草案では、公益又は投資者保護の審査には「我が国会計基準との同等性の評価を行うことによることが考えられる」とのことです。したがって、個別審査ではなく、会計・監査・開示の基準を日本の基準と比較し「同等性の評価」を行うことで判断しよう、すなわち、一定の会計基準などを使用して自国で開示を行っている企業については個別審査なしにその開示を日本においても認めようということです。日本語での開示については、不要との明文はないものの、前後関係から解釈すると、どうも不要というのが趣旨のようです。翻訳費用が外国企業のかなりの負担であったとの指摘があり、それに応えたものと思われます。

なお、自国で上場していない場合は、原則として日本の基準に従うべきとの考えですが、例外的に個別審査したもの、また「同等性の評価」を受けた各基準を適用したのであれば、海外の基準により日本で上場することも認めてよいとの見解を示しています。

とはいえ、激減している上場外国企業の数を考えると、どこまで効果があるのか、心もとありません。どうも、若いというだけでちやほやされていた時代には何もせずに、もう若くなってしまってから焦っている、そんな印象がぬぐえません。

一方日本企業の国際会計基準適用に関しては、現状では時期尚早との構えを崩していないようです。

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財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書(公開草案)

日本基準のフォローが遅れていますので。。。。

財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書(公開草案)

前回書きました企業会計基準委員会では「概念フレームワーク」でしたが、企業会計審議会では「概念的枠組み」と言うようですね。全くどうでもいい話ですが。

「概念的枠組み」ですので、基準そのものではなく、「保証とは何か」、「監査とは何か」といった、ある意味哲学的な文章が並んでおります。公認会計士が関わる業務といっても、いろいろなレベルがあるため、まずその業務を「保証業務」と「非保証業務」に分類し、「保証業務」の中で、「監査」および「レビュー」を位置付けています。

で、「保証業務」とは「主題に責任を負うものが一定の規準によって当該主題を評価又は測定した結果を表明する情報について、又は、当該主題それ自体について、それらに対する想定利用者の信頼の程度を高めるために、業務実施者が自ら入手した証拠に基づき規準に照らして判断した結果を結論として報告する業務をいう」のだそうです。なんと難解な...

これを「監査」に当てはめますと、「主題」というのは、企業の財政状態、経営成績およびキャッシュフローの状況であり、「責任を負うもの」が経営者、「一定の規準」が会計基準、「評価又は測定した結果を表明する情報」は財務諸表、「想定利用者」は投資者、「業務実施者」が監査人と読み替えれば何となくイメージは湧いてきます。

その保証業務はさらに、「合理的保証業務」と「限定的保証業務」に分類されます。「合理的保証業務」では「業務実施者が、当該業務が成立する状況のもとで、積極的形式による結論の報告を行う基礎として合理的な低い水準に保証業務リスクを抑える」のに対し「限定的保証業務」では「合理的保証業務の場合よりは高い水準ではあるが、消極的形式による結論の報告を行う基礎としては受け入れることができる程度に保証業務リスクの水準を抑える」のだそうです。私の日本語の理解力を既に超えています(笑)。

まあ要は信頼性のレベルという面で「合理的保証」>「限定的保証」であり「監査」は合理的保証業務、「レビュー」は限定的保証業務である、と結論付けたいようです。「レビュー」という「消極的形式による結論の報告」とは「すべての重要な点において、一定の規準に照らして適正性や有効性がないと考えられるような事項が発見されなかったかどうかを報告する」のだそうです。そして「一般に、限定的保証業務であるレビューでは、主に分析的手続及び質問によって、レビューにおいて求められる十分かつ適切な証拠が得られると考えられている」のだそうです。

もっとも、このあたりは、米国公認会計士試験では必須の部分です。日本の会計士試験のことは知りませんが、おそらく大方の会計士さんの頭の中にはある話でしょう。それを今般権威ある方々(企業会計審議会の委員)議論を通して、明文化したものだと考えています。

ともあれ、日本の監査基準でもレビューは「質問」と「分析的手続(簡単に言うと、数値の増減を見ておかしなところがないかチェックする手続)」で行って、報告書は「話を聞いて、数字をなめてみたけど、おかしなところは見つけられませんでした」という形式になる、というコンセンサスができたことになります。業界の方以外にこのへんが理解していただけるかどうか、いささか不安であります。

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討議資料 「財務会計の概念フレームワーク」の公表

財団法人 財務会計基準機構-企業会計基準委員会

 :企業会計基準委員会(以下「当委員会」という。)では、わが国の会計基準を開発・設定していくにあたり、いわゆる概念フレームワークを明文化する必要性が各方面から指摘されたのを受け、平成15年1月に、外部の研究者を中心に一部の委員や事務局メンバーが加わる基本概念ワーキング・グループを組織して、基本概念を整理した研究レポートの公表に向けての検討を委託いたしました。
 基本概念ワーキング・グループは、合計46回に及ぶ会議で検討を重ねた成果を当委員会に報告し、これを受けて当委員会は、それを今後の議論の素材とするために討議資料として公表することにつき、平成16年6月22日の第59回企業会計基準委員会で承認いたしました。

「いわゆる概念フレームワーク」といわれても、何が「いわゆる」だかわからない方が多いと思います。少なくとも一般会社で実務やっていてこんな言葉を聞くことはほとんどないですから。
手許に資料がありませんので、正確な定義はできませんが(この討議資料自体、説明なしに概念フレームワークという言葉を使用しています)、概念フレームワークとは会計基準を策定する上での基礎的な概念を示すことを目的としたものです。この討議資料は、以下の論点について整理されています。

1.財務報告の目的
(まあ、これは読んで字の如し。討議資料では、「投資家の意思決定に資する」ことが目的とされています)

2.会計情報の質的特性
(上との関連から、会計情報は意思決定を行うにあたって有用なものであることが求められます。意思決定に有用であるためには、意思決定に関連した情報であること、内的整合性のある会計基準によって作成されていること、一定の水準で信頼できる情報であることが求められます)

3.財務諸表の構成要素と
(構成要素とは、具体的に資産、負債、収益、費用などで、それぞれがどういうものなのかを定義しています。ちなみに資産とは「過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源、またはその同等物」を言うのだそうです。)

4.財務諸表における認識と測定
(認識の問題とは、資産、負債、収益、費用などに計上すべきか否か、という問題であり、測定の問題とは、「認識」する場合、何円で認識するか、という問題です。)

とてもこんな夜中に目を輝かせて読めるものではありませんので、詳細は後ほど(と言いつつ書かない可能性が高い)

米国FASBも、国際会計基準も独自の概念フレームワークを持っています。国際会計基準に同等性を認めてもらおうとしている日本としては、明確なポリシーをもって会計基準策定を行っているということをアピールするためには、敵さんの理解可能性という意味で独自の概念フレームワークを持つことは有用な手段であると思います。とはいえ、ここまでいろいろ詳細な会計基準ができてから、それらに一貫した概念を見出していくということは、相当な困難な作業であるかと思います。おそらく2-3年では完成しないでしょうね。

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誰か誘って!mixiまたはgree

友達いないんです(笑)!
体験してみたいんです、ご迷惑をかけませんから、誰か誘って下さい。
(メールはプロフィールを参照)


何ができるのか、よく分かっていませんが。。。。。

<7/6 追伸>
言ってみるもの。ご親切な方に招待を受けました。ありがとうございました

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