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年金資産の返還に係る会計処理と未認識年金資産

以前のエントリで、年金資産の返還により特別利益を計上した記事を紹介いたしましたが、週刊経営財務で緊急解説が掲載されています。専門家向けの記事なので難解なのですが、ポイントは、

・資産超過に伴い、事業主に資産を返還しても、原則として利益は計上せず、損益インパクトは生じない。

通常は年金資産の一部を企業に返還しても 現金/退職給付引当金 の仕訳がおきるだけで損益は生じません。

・年金資産>退職給付債務の状況でかつ、その原因が数理計算上の有利差異や、マイナスの過去勤務債務の発生等にあった場合、その金額は未認識年金資産としてオフバランス処理をする。

数理計算上の有利差異は、退職率の上昇や年金資産の運用改善などで資産超過となった場合に生じます。マイナスの過去勤務債務は給付水準を引き下げたときに生じます。例えば、年金資産が100、退職給付債務が100の状態のとき、将来の退職給付の水準を50%カットすることを意思決定すれば、50のマイナスの過去勤務債務が生じます。通常過去勤務債務は一定の年数に従って償却されることになりますので、償却期間を5年とすると5年間にわたって毎年 「退職給付引当金10/未認識債務償却額(利益)10」の仕訳が起こるはずです。ところが資産超過の状態にある場合はこの仕訳を起こさないこととしています。実際に資産が余ったとしても、それは企業に返還されるわけではないので、たとえ数年間に分けて計上するにしても利益を認識すること自体おかしい、という考え方によるのでしょう。

・借方に多額の不利差異が残っている状況下で、当期生じた貸方の有利差異に対して未認識年金資産を充てることはできない。

つまり、今まで運用損を抱えているような状況では、当期運用益になったら過去の運用損とネットしなさいということ。当期の運用益だけを未認識年金資産とし、それを企業に返還することにより利益を計上することは認めません、ということです。

・未認識年金資産は、一定の条件のもと、利益や資産の認識を凍結する特別の会計処理である。このケースでは、退職給付信託の解約、資産の事業主への返還に伴い、凍結した処理を戻し、未認識部分の償却を行うことが合理的である。

つまり適正に処理された未認識年金資産の部分についてのみ、返還された場合は利益計上されることになります。「現金50/年金資産返還利益?50」という仕訳が起きます。

上記のように考えると、年金資産の返還によって利益が出る場合というのは、かなり限られてきます。そもそもいくら運用がよくなってきたからといって、資産超過であるというケースは稀なはずです。今回の丸紅のケースでは退職給付信託を設定しており(これも資産超過の状態では設定できないはず)、そのあとに代行返上を絡めた退職給付債務の減額ということがあったものと推定されます。何らかのドラスティックな年金対策を打たない限り、資産超過という優秀な会社はそうそうないかと思いますので。

なお、この解説記事には米国基準についての言及がありませんでしたが、米国基準では未認識年金資産という考え方はなく、毎年 「退職給付引当金10/未認識債務償却額(利益)10」の仕訳が生じます。未認識年金資産の考え方がない以上、企業に返還することによって特別利益を計上するという考え方も当然ないわけです。

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なぜ、「頑張っている人」ほどうまくいかないのか

なぜ、「頑張っている人」ほどうまくいかないのか

正直、タイトルから想像されるようなイメージとはちょっと異なりますね。
前半を読みすすめると、一歩間違えば新興宗教、というよりそのものずばりといった感じの内容。
「潜在意識を変える」この一点をあまたの成功談を交え延々語っていてやや辟易気味です。

後半はその潜在意識を変える手法に費やされるわけですが、これにはちょっと惹かれるものがありました。
なりたい自分になる活動を「対価活動」と名づけ、それを行ったら自分にバーチャルな時給を払う。
夜寝る前に、払われた報酬の小遣い帳をつける。
表現は異なるかもしれないですが、おおむねそんな感じだったと思います。

要は寝る前に自分をほめてあげるということで、いままでもあった手法かと思いますが、ほめ方をデジタル化したことと、時給という概念を使うことにより、タイムマネジメントとしても使えそうなところに工夫があり、気を惹かれました。

ちょっと始めてみました。何時まで続くか分かりませんが、こつこつとやって見ようと思います。
対価活動の内容は。。。とても言えるようなものではありません。

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