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平成17年3月期の業績修正の可能性について(青山商事)

平成17年3月期の業績修正の可能性について(青山商事)

平成17年3月期第3四半期までの業績につきましては、別途ご報告の通りですが、下記の理由による平成17年3月期の業績修正の可能性についてご連絡申し上げます。

ビジネス系blog界はライブドア一色ですが、2周以上遅れてしまったので、こちらはわが道を行きたいと思います。

さて、業績修正リスクにつき開示した青山商事ですが、要点は以下のとおり

・青山商事(以下「当社」)は平成25年までのドル買い予約をしている。レートは$1=104円くらいのおおむね一定レベル

・今まではヘッジ会計を適用し、時価評価額については繰り延べていた。この処理を監査法人は容認し適正意見を出してきた。

・ところが、ここに至って突然監査法人が時価評価しなければ不適正意見だと言ってきた。根拠はリサーチセンター審理情報No.118「包括的長期為替予約のヘッジ会計に関する監査上の留意点」(以下「審理情報」)の厳格適用であるとのこと。

・しかしながら当社としては、審理情報公表以後も適正意見をもらっている会計処理を変更するのは継続性の原則に外れると考える。また、この為替予約は実需を反映したものであり、投機を意図したものではない。

・ただし、会計士が不適正意見を出した場合は上場維持が困難となるため、極めて不本意ながら従わざるを得ない可能性が高い。その場合連結最終利益は93億円から35億円に減少する。

いままでネゴを重ねてきたのでしょうが埒があかなかったために、公開の場で会計士に喧嘩を売り、投資家に理不尽性を訴えるとともに、実力外の部分での業績修正について理解を求めるといった趣旨でしょうか。

焦点は、リサーチセンター審理情報No.118「包括的長期為替予約のヘッジ会計に関する監査上の留意点」とは何ぞやということです。これは平成15年2月に公表されたもので、実需がない為替予約の締結により、損失の繰延を行うことを阻止する意図があります。

(注:以下「審理情報」の原文が手許にありませんので記憶により書いています。また筆者は金融商品にはあまり明るくありません。おかしなところがあればご指摘いただければ幸いです)

現在の円とドルの金利差を考えると、理論的に金利の高いドルの方が将来的に価値が落ちて行くことになります。円の金利が0%でドルの金利が5%で現在$1=\100の場合、一年後には$1.05=\100、すなわち$1=約\95となります。
で、これが例えば10年後は$1=\80となります。これを均して10年間$1=\90でドル買い契約をプレミアムなしで(=ゼロコストで)締結することが可能なわけです。

$1=\100の現在、ドルを$1=\90で購入できるということは、初年度は益が実現することになります。\90で調達したドルを市場で\100で売ればいいわけですから。しかしながら、同時に10年後に\90で調達したドルを¥80で売る義務を背負い込むことになります。

ヘッジ会計とは、ざっくり言うと実現益だけ認識しようと言う考え方なので、この場合益が先に出て、損が後に出てくることになります。一方ヘッジ会計を適用しないと、将来の義務を時価評価することになるので損が発生し、実現した益と相殺してチャラになるということです。

全く実需を伴わない、投機的な為替予約の場合はそもそもヘッジ会計の適用が許されませんので、為替予約残高を時価評価することが義務付けられます。ヘッジ会計を適用するためには実際にドルを購入する需要があるということが必要な条件です。

「審理情報」は将来の実需といってもそんな先のことなんか分かるわけないでしょ。せいぜい3年だよね、ということを言っていたと思います。それ以上長い契約は投機性を否定できない、ということです。いくら青山商事が平成25年まで実需があるといっても、そんなこと本当に断言できるのですか、ということです。

個人的立場もあり、心情的には大いに青山商事側にエールを送りたいところではありますが、「審理情報」を読む限りでは、理は監査法人側にあると思います。ただ、なぜ審理情報が出たときにそのような指導を行わなかったのか、ってとこが弱いですね。

結局監査が厳しくなる、ということの一面を見せてもらったと言うことですね。突然「監査法人を変えます」というリリースは最近よく見かけますが、監査法人を変えるまでもない場合、監査法人に公開の場でタンカをきりつつ、しぶしぶ矛を収めざるを得ないことをプレスリリースにて訴える手法、今後増えていくかもしれません。

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