楽天、のれん代負担重く 経常増益も最終赤字(2/18 日経金融)
楽天(4755)が17日発表した2004年12月期連結決算は経常利益が前の期の3.5倍の百五十四億円と躍進した。一昨年の証券とトラベルの大型買収が加わったのが主因だ。ただ最終損益は142億円の赤字と、のれん代の一括償却が響く構図に変化はない。大型買収とそれに伴う多額ののれん代負担はまだ続くのか-。
「本業と関係ないものはやらないが、必要に応じこれからもアグレッシブ(積極的に)やる。」三木谷浩史社長は決算発表会見でこう語った。「のれん代は帳簿上のものにすぎず、実態を伴わない最終赤字はそれほど気にしていない」と言う。
三木谷社長は「のれん代償却をここまで義務付けているのは日本だけと認識している。海外との比較もできない上に、償却期間を何を根拠に五年とか十年を決めるのか」と反論する。
もう一方の雄、三木谷社長ネタでいきます。
のれん代の償却について三木谷社長が語っています。確かに米国基準も国際会計基準ものれんの償却を禁じています。そういう意味では償却を義務付けているのは日本だけとの論も間違ったものではありません。
しかしながら、楽天はのれん代を買収の期に一括償却していますが、これとて米国基準や国際会計基準で認められた処理ではありません。どちらも、のれんについてはちゃんと評価し、減損が生じていることを確認した上で、簿価を切り下げ、損失を計上することになります。
一括償却は確かに保守主義の観点からは好ましい会計処理かもしれません。しかしながら、損益計算書を時系列で並べると、損失の先出しになります。楽天の例で具体的に言いますと、前年度はトラベル・エンターテイメント事業の営業利益は約20億円ですが、前々年度はマイトリップネット(改名前)の買収により約200億円ののれんが生じているはずであり、これを仮に10年償却とすると、本来であればそれだけで今期の営業利益が吹っ飛んでしまうことになります。すなわち10年間0であるはずの損益が、初年度の200億の損と10年間にわたる20億円の益と分かれて発生することになります。
しかも、一括償却は特別損失として行っていますので、10年償却した場合と比較すると、経常利益の累計額が底上げされていることになります。
将来の収益力を示すと言う目的のために、過去のキャッシュアウトであるのれん代は将来の損益に含めないというのは、確かに一つの考え方かもしれませんが、それは固定資産の減価償却なども否定することであり、現在の会計基準と整合するとはいえないと思います。
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