残高確認
grandeさんの
日本システム技術 残高確認を捏造されてしまうと監査人はつらい
を読んで、思い出しました。
まだ私がぺーぺーの○年前のこと、
同じくペーペーの会計士さんが、残高確認の封筒づめを終えてからの会話です。
会計士さん「では、この残高確認書を投函するので、切手を用意してください」
私「あ、そんなのこちらで投函しておくからいいですよ」
会「いえ、私がやりますから切手を用意してください」
私「いや、どうぞお気遣いなく。メールのおじさんに頼んだ方が早いし、切手貼りもやってくれますから」
会「いえ、私がやりますから切手を用意してください」
私「でも、前任者のときは私がやってましたから」
会「いえ、私がやりますから切手を用意してください」
私「そんなこと言ったって、切手の在庫がないし、買いに行くのは面倒だし、立て替えなきゃないし、そして期末に余ったら数えて貯蔵品にしなきゃないし、とにかく面倒だからつべこべ言わず言うこと聞いてくれよ(注:実際はもっと丁寧に言いました)」
会「いえ、事務所の監査手続でこのように決まっていますから、切手を用意してください」
私「(けっ、この堅物め)」と思いながら切手を買いに行く。。。
今思うと、この会計士さんの方が正しかったのかもしれません、ごめんなさい。
ところで、トラックバック先のdias51さんの記事も読ませていただきました。
ちゃんと残高金額を記載して監査法人に返送しなかった確認先にも責任はあると思います。
確かにごもっともですが、そこまで確認先に責任を問うのは酷かと思います。実際確認先にこの確認書の意義を本質的に理解されている方がどこまでいるか疑問であり、通常の取引先同士の確認とさして区別できてない担当が多いのでは、と感じています。その担当のところに取引先の担当の方がやってきて「あ、これ私のほうから会計士に渡しておきますから」と言われれば、ほいほい渡してしまうのではないでしょうかね。手抜きをしようとしたかつての私のように。
もっとも、前にも書きましたとおり、私がこの辺を担当していたのは昔の話であり、現在はもっとどの会社さんももっとコンプライアンス教育が行き届いているのかもしれませんが。
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Comments
確認先に、残高確認の意義の理解を問うのは酷というのももっともですが、
共謀されると発見が難しくなるのが一番の問題だと思います。
もっとも、確認先には共謀するという程の罪悪感もないのでしょうが。
共謀しなければ粉飾できないにも関わらず、
かたや上場廃止、かたや罰則規定なし、というのもおかしいと思います。
こういう粉飾が多発すれば考えざるを得ない状況になるでそう。
しかし確認先の企業は中小企業であることも多く、
証券取引法と無縁の会社も多いでしょう。
そういった所にいかにモラルを植えつけるかがポイントだと思います。
Posted by: dias51 | 2005.02.18 07:30 PM
日本でもA/R confirmationを送るのですね。
米国公認会計士試験を合格されている方に申し上げるようなことではないかと思いますが。。。
Evidenceをお勉強した時に「これ」が出てきたのではないかしら。
アタシなども銀行に残高証明の確認の為の用紙を送りますが、クライアントには一旦アタシの所に戻すようにと説明します。その指示を忘れて、たまに銀行に直接郵送してしまうクライアントがいるのですが、その際にはやり直しです。
その昔、1000通くらいの残高証明の封筒詰めをしたことがありますが、ものすごくまじめに封筒詰めしたのに三時間もかかりました。
Posted by: koneko04 | 2005.02.19 02:37 PM
かなりぶっちゃけのコメントになってしまいますが、残高確認がかなり絶対化されている部分があると思います。
つまり、残高確認で数字が一致していれば、その金額については裏が取れていると判断しても「よい」のでそう判断する、といった部分です。
実際の残高確認の実務を振り返ってみると、共謀ではありませんが、「これこっちの数字をそのまま返してきているよなぁ」と思われるものもあり、監査証拠としての証拠力に結構疑問が。。。
まぁ、裁判の証拠として考えたときの、逃げ道にはなるのでしょうけど、実効性ある監査という立場から考えたら、いかがなものかでしょうね。
Posted by: grande | 2005.02.20 11:09 PM
あれ、コメント書いたはずなのに反映していない。。。
Posted by: KOH | 2005.02.22 01:42 AM