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朝日新聞の有価証券報告書

朝日新聞の社説「■放送株取得――マネーゲームでは困る」

いまいち、主張の意図が私にはわからないのですが、少なくとも「堀江さんメディア界へようこそ、熱烈歓迎」という趣旨には読めそうにありません。

さて、この社説中には以下の記述があります。

:日本の放送メディアは、電波法で外国株主の保有が制限され、米ウォール街などの荒波から直撃されにくくなっている。しかし、株式を上場している以上、波乱は起きることが証明された。

まるで、自らの非上場を正当化しているかのような表現です。

大西 宏のマーケティング・エッセンスはよく訪ねるブログのひとつですが、上記の社説を知ってか知らずか、そのエントリ「メディア革命の序章となるか?-ライブドアのニッポン放送株取得」において、以下の記述をしたのですが、

:日本のメディアは、ある意味で暗黒大陸です。朝日新聞と読売新聞という、世界に類を見ない発行部数を持つ新聞社が支配しているわけですが、その経営実態は情報公開されておらず、闇のなかの世界です。巨額の赤字を抱えているのではないかとも言われていますが、情報公開されていないのでまったくわかりません。

それに対し、以下のコメントがありました。

おまえ、アホか?
Edinet見たのかよ。
朝日新聞は有報だしてるのも知らないのかよ

日本語の表現技法はおいておいて、大西氏はどうかわかりませんが、すくなくとも私はアホのようです。朝日新聞が有価証券報告書を提出していることをこのコメントで初めて知ったからです。

さっそくEDINETをたどってみると、確かに朝日新聞の文字はあります。さらにたどると、有価証券報告書を閲覧することができます。

なぜ非公開の朝日新聞社が有価証券報告書を提出しているのか、自主的に会社内用をディスクロージャーしているのであれば、たいしたものだと思ったのですが、どうもそうではないようです。「株式等の状況」の「所有者別状況」のところを見ますと、株主数計がなんと3,374名。ちなみに、比較の対象にして申し訳ないのですが、朝日新聞のすぐ下にある「旭情報サービス」(東証二部上場)の株主数は2,009名。上場会社より株主数が多いわけです。

証券取引法は、有価証券報告書の提出義務について、以下のとおり定めます。

(証券取引法第24条より)
一  証券取引所に上場されている有価証券
二  流通状況が前号に掲げる有価証券に準ずるものとして政令で定める有価証券
三  その募集又は売出しにつき第四条第一項本文若しくは第二項本文又は第二十三条の八第一項本文若しくは第二項の規定の適用を受けた有価証券(前二号に掲げるものを除く。)
四  当該会社が発行する有価証券(株券その他の政令で定める有価証券に限る。)で、当該事業年度又は当該事業年度の開始の日前四年以内に開始した事業年度のいずれかの末日におけるその所有者の数が政令で定める数以上であるもの(前三号に掲げるものを除く。)

第四号の政令に定める数とは

(証券取引法施行令第三条の六第二項)
2  法第二十四条第一項第四号 (法第二十七条 において準用する場合を含む。)に規定する政令で定める有価証券は、株券及び優先出資証券とし、同号 に規定する政令で定める数は、五百とする。

すなわち、株主が500人以上いる会社は有価証券報告書提出の義務があるわけです。

なぜ譲渡が極めて難しいはずの朝日新聞社株の株主が3000人以上いるのか、よくわかりません。経緯等ご存知の方がいらっしゃったら教えてください。

さて、朝日新聞社、業績の概要ですが、

①新聞出版の事業

[新聞・出版]

 開戦から自衛隊派遣と続いたイラク戦争取材に総力を挙げたのをはじめ、有事関連法制の成立、改憲の動きなど、戦後日本の基本的な価値観を揺り動かすテーマに正面から取り組んだ。選挙報道では、統一地方選、衆院選ともに各部門の緊密な連携で「選挙の朝日」を実証した。

 新聞販売では、東京本社で04年1月、24ヶ月ぶりに前年比プラスを記録し、西部本社の03年10月部数も4年8ヶ月ぶりに80万部を回復するなど明るい材料はあったものの、全社の朝刊平均部数は823万5千部で前年度比2万5千部のマイナス、夕刊部数は391万4千部で前年度比5万4千部のマイナスとなった。出版部門では、書籍や分冊百科シリーズが収支改善に貢献したが、週刊朝日・AERAの基幹2誌の不振が続いた。

出だしが一般企業と異なってなかなか高尚です。「選挙の朝日」を誰が実証したんですかね。まあ自画自賛が許される部分でもありますのでまあいいでしょう。肝心の経営数値は芳しくないようです。新聞も週刊誌もジリ貧のようですね。週刊誌の中ではAERAなどはまだ読まれている方というイメージがあるのですが、現実は厳しいようです。

以下
[広告代理]

電通統計によれば、2003年(暦年)の日本の広告費は全体で前年比0.3%のマイナスと3年連続で減少し、うち新聞媒体は前年比1.9%のマイナスとなった。当社グループでは、上期はイラク戦争や前年のW杯の反動もあり低迷した。下期は景気回復傾向により前年比増だったが、通期では減収となった。

[折込広告]

電通統計によれば、折込広告は前年比1.0%増と堅調に推移した。当社グループでも積極的な営業活動を行い増収となった。

と続きます。折込広告だけ増収のようですが、

以上の結果、売上高は544,732百万円で前連結会計年度比9,858百万円(+1.8%)の増収となった。営業利益も24,590百万円で前連結会計年度比5,520百万円(+28.9%)の増益となった。

なぜ、以上の結果が増収増益となるのかがまったく不明。何がよくて前年比28.9%の増益となるのかがまるでわからず。それでも苦情が出ないのが非上場企業のいいところです。B/Sも見てみたのですが、有利子負債がそれなりにあるものの、多額の剰余金を溜め込んでおり、財政状態は良好のようです。多少下り坂でも、現金回収の商売は安泰ということなのか、すくなくとも、すぐに倒れる心配はなさそうです。有価証券報告書ですから、当然監査報告書も付されていますし。

自分にとっては、へぇ~な知識でした。ひょっとして常識でしたでしょうか?

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