紡績7社、軒並み増益(5/25 日経)
紡績7社、軒並み増益(5/25 日経)
紡績大手7社の2006年3月期の連結経常利益は軒並み増加する見通しだ。各社とも繊維事業のリストラが一服し、クラボウを除く6社が増収となる。
純利益は3社が減益を見込む。・・・ダイワボウ、富士紡績は持ち株会社の移行に伴い固定資産評価損が発生し、特別損益が悪化する。
「持ち株会社の移行に伴い、固定資産評価損が発生」というくだりがよくわかりません。
まず「固定資産評価損」というのは、いわゆる減損損失の計上のことですかね?だとすれば、減損会計基準は今年度からは強制適用ですので、いままで計上していなかった損失が発生することはあるかと思います。持ち株会社への移行は何の関係もありませんね。
それとも、いわゆるパーチェス法の時価評価のことですかね。それでも、単なる持ち株会社の設立であれば、取引が連結内で完結しているので損益への影響はないかと思います。
と思いつつ、プレスリリースを見てみました。
本分割は、全額出資の完全子会社への新設分割および吸収分割であるため、連結業績への影響はありません。
固定資産の話は全く出てきません。
分社型新設分割及び分社型吸収分割であり、承継会社がいずれも完全子会社であるため、当分割が連結業績に与える影響は軽微であります。
なお、承継会社に対する固定資産の譲渡にあたり、平成18 年3月期において、固定資産評価損2,025 百万円を特別損失に計上する予定であります。
これは前者のようですね。分割による損益の影響は軽微といいながら、20億円の評価損を計上するということは、この20億円の評価損は分割による損益の影響ではないということですね。もともと減損会計の強制適用で出てくるべき損失が、たまたま分割時に出てくるということに過ぎないようです。だとすれば、日経の書き方はミスリーディングですね。
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