国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価に関する実施計画
平成17事務年度 国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価に関する実施計画
国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価は、中央省庁等改革基本法第16条第6項第2号において「府省の長は、‥‥‥‥(中略)‥‥‥‥実施庁が達成すべき目標を設定し、その目標に対する実績を評価して公表すること。」とされていることから、財務大臣が行っています。今般、国税庁が7月からの新しい事務年度を迎えるに当たり、「平成17事務年度 国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価に関する実施計画」(以下「実施計画」といいます。)を策定しましたので公表いたします。
「国税庁が達成すべき目標」などというから、てっきり、TDK申告漏れ213億円・東京国税局や、ソニー、海外子会社との取引で214億円申告漏れ指摘のように、訴訟リスク覚悟の上でノルマを達成するために当局が喧嘩せざるを得ない・・・というような姿をとっさにイメージしたのですが、どうもそうではないようで、もっと大きな話として国税庁としての政策目標を3つの実績目標とそれにぶら下がるいくつかの指標に分けて管理して行こうという話のようです。以前からやっているのですね。不勉強ながらまったく存じませんでした。
もう少し詳細を見ていくと、実績目標、業績目標、業績指標、参考・モニタリング指標など、似たような言葉が頻出していて若干構成がわかりにくいきらいがあるのですが、おおむね以下の通りのようです。
まず実績目標が以下の3点
実績目標1 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収
実績目標2 酒類業の健全な発達の促進
実績目標3 税理士業務の適正な運営の確保
業績目標とは、上の実績目標をブレークダウンしたものにあたり、11点あります。
業績目標1-1-1
租税の役割、納税意識の重要性や税務行政について、広く国民各層から理解・協力を求めます。また、国民の意見・要望等を聴取し事務の改善に努めます。
業績目標1-1-2
納税者の視点に立った適切な情報の提供に努めます。また、問い合わせや相談に対して迅速かつ的確な対応に努めます。
(長いので中略)
業績目標2-1
消費者の視点に立ち、酒類製造業者及び販売業者の活性化に向けた諸施策に取り組んでいきます。
業績目標2-2
未成年者飲酒防止等の社会的要請、酒類業界を取り巻く環境の変化に対応した行政を推進します。
業績目標2-3
酒類の製造及び販売業免許について、酒税法その他関係法令を適正に適用し迅速な処理に努めます。
とまあ、ここまでが定性的な表現。未成年飲酒防止とかまで国税庁のミッションとなっているのかどうかはよくわかりませんが、そうだとすればそのミッションは果たされていない、というかまさにmission impossibleそのものかとも思えます。
そして、以下の業績指標、参考・モニタリングが定量的な指標となります。
業績指標とは「客観的に測定可能な定量的・定性的な指標として、目標の達成度を測定するために設定される指標」とのことで、要はこの指標により目標の達成/未達が決まるということのようで、20項目が指定されています。
1-1 KSKシステムの一部オープンシステム化の開発・運用
1-2 国税の広聴活動に関する評価
1-3 租税教育に関する評価
1-4 苦情の3日以内の処理件数割合
1-5 来署納税者の好感度
1-6 国税の広報に関する評価
1-7 国税庁ホームページへのアクセス件数
1-8 税務相談室における面接相談の満足度
1-9 税務相談室における電話相談の満足度
1-10 e-Taxの利用満足度
1-11 国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」へのアクセス件数
1-12 国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」の利用満足度
1-13 「更正の請求」の3か月以内の処理件数割合
1-14 所得税還付金の6週間以内の処理件数割合
1-15 納税証明書の15分以内の発行割合
1-16 「異議申立て」の3か月以内の処理件数割合
1-17 「審査請求」の1年以内の処理件数割合
2-1 酒類自動販売機(従来型機)の設置状況
2-2 酒類の製造及び販売業免許の標準処理期間内の処理件数割合
3-1 税理士会への説明会等の評価
租税関係については①アンケートによる好感度調査、②サイトへのアクセス件数、③納期短縮 におおむね分類されるかと思います。
来署納税者の好感度はおおむね8割前後で推移しており、接客態度はなかなかの評価を上げている模様。できれば今度は、被調査会社に対して調査官の好感度をアンケートしていただきたい。気の小さいやつを怒鳴り飛ばすなとか、くぁwせdrftgyふじこlpな!とか、うむ、考えてみればアンケートになど書けないな、そんなこと。
それよりやはり、どうも気になるのは酒税関係のところ。「酒類自動販売機(従来型機)の設置状況」?従来型機とは、「未成年者のアクセスの防止が可能となるよう技術的改良がなされた酒類自動販売機以外の酒類自動販売機」だそうだ。酒を自動販売機で買わなくなってからかなりの年月がたちますが、最近は身分証明がないと自動販売機では酒が買えなくなってしまっているのでしょうか?いやそうだとしても、自動販売機を置くような昔ながらの酒屋はどんどん姿を消していき、24時間営業の酒類販売可能なコンビニとなってきており、自動販売機の数自体指標としてどうなのか?という疑問があります。
またそんなものをそもそも国税庁が先頭になって指導すべきなのか?やはり気になるのであります。
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