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【読書】僕のなかの壊れていない部分

18日のエントリどおり、週末は引きこもり状態だったわけなのですが、そんな中呼んでいたのがこちら

白石一文さんの小説は読んでていつも疲労感を覚える。「一瞬の光」然り、「すぐそばの彼方」然り。(「不自由な心」は短編集なのでそれほどでもないが・・・)。

出てくる主人公がみんな「疲れる」人物なのである。頭脳明晰のエリート中のエリートで、偏屈者で、時として暴力的で、なんだかんだ理屈をつけて他人を見下すことにより自らのプライドを守っている、それでいてなぜか女性にはもてる(ここが一番腹立つ)。

そして、もっと疲れるのが、その疲れる人物の中に、自分の片鱗が投影できること。

もちろん、彼らほど頭脳明晰ではないし、エリートなんてとんでもない。多少偏屈かもしれないが彼らほどとは思っていないし、精神的には多少暴力的かもしれないが肉体がついていっていない、彼らほど理屈っぽくなければ、プライドも高くない(つもり)。そして、何よりも(以下ry)。冷静に考えれば、彼らと性格や境遇が似ているわけではない。

でも、なんというか、自分の性格のレーダーチャートがあるとすれば、その頂点をさらに限界まで引き伸ばせばこんな感じになるのかなと。自分をデフォルメした姿が見てるようなのが実にこう、鬱なのだ。

白石さんの小説の書評を見ると、主人公に全然共感できない、というのを散見する(心なしか女性が多いような・・・確かに男性優位的な表現が垣間見えることがある)。私とて共感のレベルにあるわけではないが、なんとなく心境は理解できている気がする(事実彼の小説を4冊も読んでいるわけですし・・・文庫だけですが)。うーむ、私も周りからあんな偏屈屋に見られているのだろうか。それは由々しき事態だ。

そんな彼、今回の主人公「僕」もほとんど壊れている状態から「壊れていない部分」をなんとか残せそうな希望が見えてきたところでこの小説は終わるわけです。結局最後まで壊れなかったのは、人とのつながりのおかげ。

思えば、最近はそのつながりに自分が感謝することが、かなり少なくなっているような気がします。感謝を忘れると本当に全て壊れてしまうことになるのでしょう。いろいろ自戒させてくれる一冊でした。だから疲れるんですけどね。

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