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産業構造審議会新成長政策部会

産業構造審議会新成長政策部会
経営・知的資産小委員会中間報告書(案)の公表について

産業構造審議会新成長部会経営・知的資産小委員会(委員長:池島政広 亜細亜大学・亜細亜大学短期大学部学長)では、本年2月から、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の財務諸表上には現れてこない「知的資産」を活用した経営の意義と現状の整理、今後それを促進していくための方策について(とりわけ開示のメカニズムを中心に)検討を行ってきた。これまでの小委員会での検討の結果を中間報告書(案)として取りまとめ、パブリックコメントに付することとなった。

47thさんの記事で紹介されていた報告書です(あちらの更新ペースが速く、はるか下のほうへ行ってしまいましたが・・・)。47thさんは、「 いかん、揚げ足どりばっか・・・」と、揚げ足取りを厳に謹んでいらっしゃるようなので、大部分が揚げ足取りで構成されている当ブログにおいて取り上げてみようかと思います。

まず、本筋とは関係ないのかもしれませんが、気になったのが以下の部分ですね。

個々の企業レベルにおいて、こうした「知的資産」が適正に認識され、管理され、経営戦略の中に組み込まれることによって、本当の意味で「選択と集中」が可能となり、企業において、ひいては経済全体として、限られた資源が有効活用されることとなるから、企業における知的資産経営が推奨されるべき。

とありますが、この「選択と集中」、この報告書上ではひとつのキーワードのように使われていますが、いつからそんな絶対善みたいな価値になったのでしょうか?確かに今流行のキーワードのひとつではあるかもしれませんが、それを役所が未来永劫正しいように扱うのはどうかと。

例えば「ペンタゴン経営」などという言葉がもてはやされていたのは、そんなに昔の話ではないような気がします(といった時点で年齢がばれますが)。この選択と集中をキーポイントとした指標を公開するという施策は、あたかも20年前に「各社のペンタゴン経営度を開示しなさい」という施策を行うことと同じような違和感を覚えます。

また、そもそもこの報告書は誰向けに作られるのでしょうか。この点に関しては、

 企業が持続的成長・発展を重視した知的資産経営を行ったとしても、その価値観や行動が市場をはじめとするステークホルダーによって共有され、評価されなければ、企業の自主的な行動は続かない。このため企業の知的資産経営を市場等のステークホルダーあるいは社会全体が理解し、適正に評価して、企業の経済的価値に反映されるようになることが必要である。

このような問いを投げかけた場合、「ステークホルダー」という非常に便利な言葉を使ってその点は煙に巻くのが常套手段ですが、ステークホルダーとは幅広い概念であるがゆえに、ステークホルダー間の利害も相反する場合があるわけでして。

例えば開示項目例にある「原価の変化に対する出荷価格の弾力性」については、以下のような記載が考えられます。

○○○石油
「原価の変化に対する出荷価格の弾力性について」
当社は売上原価の大部分を占める原油価格の高騰があった場合には、その価格を速やかに末端価格に反映することにより、消費者から確実に対価を徴収すべく、各サービスステーションに対する指導を強化しております。

なんて記載をすることになってしまいますが、こんなことをステークホルダーの一角を占める消費者に向けてを書けということになってしまいます。

それにそもそも業種・会社を問わず(と読めるのですが)

共通指標群(第5頁の表参照)を可能な限り記述 


信憑性確保のための比較可能性などが最低限確保


しておきながら、

いわば「点取り競争」をすることには意味がない


といわれると。数値を出しても説明責任は問いませんよということですか?
それなら出すほうとしてはは楽ですが、そんな数値に意味ありますかね?全業種統一する必要も???ですが。

ま、そんなことはいっていても、結局日経やらダイヤモンドやらが単純に上から並べた順位表を掲載し好き勝手なコメントをして、それに対して会社は説明に追われる、というのが目に見えてきますが。

で、指標の例とされているものが、また突っ込みどころ満載なわけで・・・

いかん、この報告書だけで一週間くらいはネタが持ちそうなんですが。
とりあえず、今日のところはここまでに。

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Comments

TBありがとうございます。
やっぱり、つっこみどころ満載ですよね。
委員の方はどちらかというと知的財産の専門家の方々が多いようなので、そもそも、こうした開示のあり方全体まで扱うのには無理があったような気もします・・・

Posted by: 47th | 2005.06.17 at 09:24 AM

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