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丸紅 連結納税で所得隠し 子会社、取引時期偽る(7/2 日経夕刊)

丸紅 連結納税で所得隠し 子会社、取引時期偽る

大手総合商社の丸紅が二〇〇三年三月期までの三年間に、親会社と一〇〇%子・孫会社の損益を合算して申告する連結納税制度の導入などに絡み、約六億円の所得隠しを東京国税局から指摘されていたことが二日、分かった。同国税局は、丸紅が子会社と孫会社の取引時期を偽り、連結所得を圧縮したと判断した。

単純な経理ミスを含め申告漏れは全体で約二十億円に上るが、約六億円のうち約三億円が連結納税制度に関係するもの。赤字の決算期があったため、追徴税額は重加算税などを含めて約一億円だった。


これだけだとよく分かりませんが、。7/2夕刊の本文を読むとおおむね以下のようにまとめられるかと思います。

・03/2に子会社が孫会社に対し、3億円の販売報奨金支払い
・孫会社は02/12に益金算入
・連結納税は03/3月期に導入
・孫会社は12月決算であるため連結グループ加入は03/1月
参考
 したがって、3億円は連結グループ加入前の益金となる。

・孫会社は繰越欠損金あり
・連結納税加入前の繰越欠損金は切捨てとなる。
参考

・これらを総合すると、本来は連結グループ内取引なので損益が発生しないはずなのが、実際には連結グループには3億円の損金だけが残り、その分グループの課税所得は圧縮されるとともに、3億の益金は個別会社の益金となり繰越欠損金と相殺され、課税されないまま切り捨てられることになる。

ただ、所得の計算は支払い時期ではなく、あくまで発生ベースで認識されますから、2月の支払いだからといって、必ずしも12月益金計上がいけないというわけではないかと思います。事実、丸紅のコメントによると報奨金の前倒し計上は以前から行われていたとのことで、何らかの根拠があって12月に計上したのだとすれば、「所得隠し」「偽る」はちょっと言い過ぎのような気がします。(もっともその子会社が12月に未払費用を計上していないのであれば論拠は弱いですが・・・)

そもそも連結グループ加入前の子会社の欠損金の切捨てという制度が、連結納税制度全体を歪めているような気がしてなりません。もしそのような制度がない場合は、今回のケースにおいては、今後所得と相殺される繰越欠損金が3億円減少することにより、最終的には3億円の益金についても課税されるということで、申告漏れを指摘されることはなかったはずです。制度導入に伴う減収の防止、赤字子会社の利用による課税所得の圧縮防止など制定理由はいろいろあったようですが、実務者からすれば理不尽感ぷんぷんの制度であります。

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Comments

世界で一番後から作って、一番どんくさい制度になってしまいましたからねえ。減収を言い訳に退引など関係ない増税もしましたし。
これ以上はあまり書けないですが(苦笑)。

Posted by: おーば | 2005.07.10 at 02:03 PM

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