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企業会計基準公開草案第6号 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準(案)(2)

>>まあ、これだけであれば従来負債でも資本でもないという扱いを受けてきた少数株主持分の位置が定まって、若干区分が変わったくらいの影響しかないようにも思えますが、実はこの会計基準案、ドサクサ紛れに扱いを変えている項目がまだあります。

いつぞやの続きです。すぐに書く予定だったのですが、自分でえらい勘違いをしているのに気づき、修正をしておりました。

まず基準の第8項の記述です。

8.評価・換算差額等には、その他有価証券評価差額金や繰延ヘッジ損益のように、資産又は負債は時価を持って貸借対照表としているが当該資産又は負債にかかる評価差額を当期の損益としていない場合の当該評価差額や、為替換算調整勘定等が含まれる。

どさくさにまぎれて「繰延ヘッジ損益」が評価・換算差額等に含まれてしまっています。

「繰延ヘッジ」とは、もともと持っている金融資産・負債の価格変動をヘッジするために契約した為替予約等のデリバティブの時価評価損益を繰り延べるための勘定です。

例えば、4月にドル建ての売上を予定しており、その売り上げを$1=\100で固定させるために、為替予約をかけたとします。3月末にはまだ売掛金の計上ができませんから、売掛金の評価損益は発生しませんが、一方3月中に契約した為替予約については原則として時価評価しなければなりません。3月末のレートが$1=\110であれば(直物=先物の場合)

(借)デリバティブ評価損 10
(貸)為替予約       10

という仕訳となります。

ヘッジしようとした資産の換算差損益が実現していないのに、為替予約の評価差損益だけが出るのは本末転倒ですので、金融商品会計基準はこの損失を繰り延べることを認めています。すなわち

(借)繰延ヘッジ損失(資産) 10
(貸)為替予約         10

という仕訳が認められています。

今般の改正では、この資産勘定に計上していた繰延ヘッジ損失を資本の部に計上しようとする内容です。また、第8項では

なお、当該評価・換算差損等については、税効果会計を適用し、これらに係る繰延税金資産又は繰延税金負債の額を控除した金額を記載することになる。


とのことですので、表示の変更といいつつ、仕訳も変わることになります

(借)繰延ヘッジ損失(純資産) 6
繰延税金資産        4
(貸)為替予約           10

という仕訳になるかと思います(実効税率40%とする)

繰延税金資産の増加要因となる場合もあり、回収可能性につき気になる向きもあろうかと思いますが、同時に公開されている実務指針によりますと、

・ヘッジ会計が適用されている→ヘッジの有効性が認められている→繰延ヘッジ損益の解消時期が明らかである→スケジューリングは可能

とのロジックから、回収可能性を広範囲に認めています。ただし、いわゆる④⑤の会社といわれる1年分の利益見合いしか繰延税金資産を計上できない会社および繰延税金資産の計上が認められていない会社については、回収可能性が認められませんので、含み損失全額を純資産の部に計上することになりそうです。

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