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会計士法に再強化論浮上 癒着防止に監査法人交代(10/13 日経金融)

カネボウによる粉飾決算事件に絡む不正監査疑惑で、中央青山監査法人の公認会計士が逮捕・起訴されたことを受け、公認会計士法の再改正議論が浮上している。昨年四月に改正されたばかりだが、企業との癒着防止効果が不十分との見方が根強く、自民党内で再強化を求める声が強まっているためだ。所管の金融庁は事態を注視しているが、監査法人の出方次第では現実味を帯びる可能性がある。

「昨年四月の改正」については、あずさ監査法人の解説がよくまとまっているかと思います。記事ではこの改正の中で「ローテーション制度」と「公認会計士・監査審査会」を槍玉に挙げています。

ローテーション制度とは以下の通りです

同一の公認会計士(監査法人にあっては、審査担当社員を含めた業務執行社員)の7会計期間を超える継続関与が禁止され(改正法第24条の3および第34条の11の3、改正施行令第7条の5および第8条の2)、また、その後復帰できる間隔(インターバル)も2会計期間(改正施行令第7条の6および第8条の 3)とされました。

記事ではこのローテ制度につき「カネボウは産業再生機構に送られ、別の監査法人が決算を厳しくチェックしなおしたから、粉飾が発覚した」という指摘があり、監査法人ごと強制的に交代させる制度の導入の提言があったとしています。現在の業務執行役員を交替させるだけでは不十分というわけですね。

そういわれると至極ごもっともなことでありますが、監査法人の交代を強制すると実務はいったいどうなってしまうんでしょうね。株主総会で新しい監査法人が選任されたころにはもう第1四半期決算は目の前。そのころには、四半期決算においても監査法人のなんらかの保証が要求されているでしょうから、それまでには引継ぎをしなければならない。となると総会前から実際には引継ぎ作業が必要。二つの監査法人が机を並べて有価証券報告書のチェック?うーむ、想像したくない光景。

記事によると自民党内にも「膨大なコスト負担を企業、監査法人に課すことになる」との慎重な声もあるようです。いわば新規上場審査みたいなことが一定年度ごとに繰り返されるわけで、監査初年度の必要時間は相当なものであることが予想されます。その時間数は企業か監査法人のどちらかが負担することになります。

また監査法人の営業活動ってどうなるのですかね。単年度の監査契約書で、7年?以上の更新はない契約。いまでも監査法人の新規受注ランキングなどというものが記事になりますが、当年度の新規受注は、7年後他社に確実に奪われる受注。ましてIPO準備から携わっている場合だと、上場したころにはもう他社のクライアントなんて場合もあったりして。将来の夢がない刹那的な営業活動となりそうです。

なんてことを考えると、そこまでしなければならないということであるならば、そもそも企業から報酬をもらって監査しているという監査法人の事業モデル自体がもう破綻してきているのでしょうか。「企業から金もらって監査ができるはずがない、全部政府がやるべきだ。」、このような指摘は、会計とはあまりなじみのない方からよく提起される意見であり、個人的には極論だと思っているのですが、上記のような流れになると、そのような意見にも耳を傾けざるを得なくなってくるのかもしれません。民にできることは民に。でも民にはできなかったから官へ。そういう流れになっていくのでしょうか。

これといった妙案がなく、まとまらないエントリとなりましたが、ともあれ米国ですらそこまで踏み込んだ制度にはなっていないわけですから、これからの議論は注目されるところではあると思います。

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