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2005.11.02

棚卸資産の評価基準に関する論点の整理(2)

【論点1】原価法と低価法の選択適用の見直し

もともと、棚卸資産の評価の原則が取得原価となっているのは、期間損益計算を適正にするためです。取得した棚卸資産に関する損益が実現するのは、その棚卸資産を売却したときか、廃棄したときであるべきであり、それを販売前や廃棄前に認識することは、期間損益計算を歪めてしまう、というのがその根拠です。

そして、低価法は実務で定着しているため認めるという、いわば例外規定である、という考え方です。

この「論点の整理」では、「そんな考え方、もう古い」という見解を前面に出してコメントを求めています。曰く、「簿価切り下げに関する会計基準が整備されていなかった頃に支配的だったものではないか」。現在では、固定資産の減損、有価証券の減損の規定などで、収益性の低下した資産についての簿価切り下げの会計処理が定着しているため、低価法を導入するほうがむしろ自然ではないか、ということです。

ただ、固定資産の減損では、減損の兆候があったときに限り減損の処理を検討することになっており、有価証券の減損についても著しい下落という条件がついています。棚卸資産の低価法は極端な話(重要性の原則はさておき)1円でも価格が下落したら、評価を切り下げる必要があり、一見厳しいようにも見えます。この点については、「収益性の低下の時点がいつか」ということに着目し、販売により投下資金の回収を図る棚卸資産については時価が下落したときにすでに収益性が低下しているとみて、この時点で評価を切り下げる必要があるとしています。

【論点2】低価法の適用除外とする場合

以下は、低価法の適用を前提とした話。

低価法というものが収益性の低下をもって行うものであるとすれば、収益性の低下に基づかない時価の下落は、低価法による評価減の対象とはならないことになります。
それらの例として、以下のものが挙げられています。

・販売金額が契約により決定している場合
・一定の計算式により利幅が確保されている場合
・販売活動および一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨

また検討点として、以下のものが挙げられています
・時価が回復する可能性が高い場合(客観的予想が可能か?)
・未成工事支出金その他請負契約における仕掛品等(工事損失引当金で手当てが十分か)

(続く)

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