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ペイントハウス、有価証券報告書を提出

まあ、予定通りでありますが、有価証券報告書が提出されております。ご参考まで。
当然会計監査人の適正意見もくっついております。

決算短信から変わっている点は、損益計算書の注記に、債務免除益について記載が加わったことがあります。

※8 平成17年8月3日の社債権者集会において130億円の一部債務の免除についての決議をいただき同22日に管轄の裁判所から当該決議についての認可決定を得たこと、及び当該免除の条件である13億円の支払いは8月末時点で確実に実行可能であったことから、決算日において当該債務免除益計上の要件が充足されており、当期に係る利益として計上しております。

損益計算書を見ていただければわかりますが、特別損失までで※7を使い、また特別利益に戻って※8を採番しています。いかにも土壇場で付け加えたのだろうなと微笑を誘う記載となっております。

また、重要な後発事象の項では11/8取締役会決議事項の新株予約権発行につき延々と記載した後、11/20取締役会で発行中止の決議があったことを記載しているのも笑えるところであります。

JASDAQ側

今後につきましては、同社の平成17年8月期有価証券報告書を確認し、株券上場廃止基準第2条第4号(債務超過)に該当するかどうかを関係機関との協議の上、当取引所としての判断をすることとなります。

とのことですので、最終判断する材料が整ったというわけです。一方ペイントハウス側は先回りして上場廃止禁止仮処分の申し立てを行っています。野次馬的には面白い展開となってきました。

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民間主導の会計作り 金融庁いらだち募る(11/28 日経金融)

会計制度作りを巡り、金融庁がいらだちを募らせている。会計基準設定主体の企業会計基準委員会(ASBJ)が思惑通りに動かないためだ。きっかけは欧州連合(EU)が域内で資金調達する日本企業に追加の情報開示を求めた「2007年問題」。国際社会と足並みをそろえたい金融庁と、日本基準の正当性も訴えたいASBJの間に微妙なずれが生じている。

「国際会計基準との統合交渉を加速してほしい」、十月、ASBJに直接要請した。ASBJが今年から始めた国際会計基準統合の動きが鈍いため、背中を押した格好だ。金融庁関係者は「このままでは日本の会計基準だけが孤立してしまう」と言う。

そうなんですかねぇ。

そもそも国際会計基準との「統合」(ASBJでは公式には「コンバージェンス」という言葉を使っていますが)と言ったときには2種類の論点があります。

1.2007年までに、日本基準で作成した財務諸表が欧州の資本市場で認められか否かという短期的問題(いわゆる2007年問題)

2.日本基準と国際会計基準を比較して、お互いいいところを取り入れて最終的にはひとつになったらいいですねという長期的な問題

1.の問題はEUが日本の会計基準を認めるのかといった、いわば政治的問題であるため、金融庁が前面に出てくるのは当然であって、「権限を民間に移管したはずの金融庁も一転、日本側の代表として前面に出て、EUと直接交渉を重ねる(記事より)」のは自然の流れです。

2.の問題は最終的には自国(あるいは自経済圏)の会計基準をどう設定するのかと言う問題ですのでこれは会計基準設定主体が前面に出てくる話です。自国の会計基準の話ですから「ASBJは国際会計基準との統合の必要性を認めているが、『すべてを国際会計基準と統合させて良いのか慎重に見極めるべき』と日本の会計基準の良さも生かそうとする戦略(記事より)」をとるのは、これまた当然の話かと思います。まあ動きが鈍いことは否定しませんが。

つまり、お互いが自分のミッションを忠実に果たしているだけのことであり、「外国から"二枚舌"を使う国と受け取られる恐れもある(記事より)」というは、いささか自虐的過ぎる論調かと思います。

むしろこの記事が本当だとすれば、国際会計基準と日本基準との差異で再修正が必要とされているもののひとつである、企業結合における持分プーリング法を残した、企業会計審議会を率いる金融庁がASBJに文句を言っているということが、まさに"二枚舌"であると思いますが・・・

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半期報告書の作成・提出に際しての留意事項について

平成17年11月25日
金 融 庁

半期報告書の作成・提出に際しての留意事項について

平成17年9月中間決算会社の半期報告書を念頭において、新たに開示する必要が生じた事項を中心に、半期報告書の作成に当たり留意すべき事項について別紙のとおり集約・整理しました。

遅!

もう提出したっつーの。

適時開示についていけてないんじゃないですか・・・

(追記)
こんだけの文章編集しUPするのに30分以上かかりました。重すぎますココログ様。
遅れている分いくつかエントリしようと思いましたが、徹夜になりそうなので今日は寝ます。

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IASB業績報告プロジェクト(2)


日経の誤訳?

そのSegmentAの論点は、以下の通りとなっています。

1. Whether to require a single statement of comprehensive income, that includes a subtotal similar to the concept of “net income from continuing operations” or “profit and loss”

2. Convergence on the required primary financial statements

3. Convergence on the number of years required to be presented in comparative financial statements and related disclosures in the notes to the financial statements

4. Whether presentation of the direct method should be required for the statement of cash flows (編注:4.はその後Segment Bへ移管)

これらの訳らしきものが、11/17の日経金融「国際会計基準 次の焦点 下 包括利益」の中に載っています。

・包括利益計算書に、当期利益などの項目を導入すべきか
・どういう財務諸表が必要か
・何年分の比較財務諸表が必要か

1行目の訳がポイント。ここをどうも日経は誤訳している節があるのが、ピントはずれの原因のように見えます。私の貧弱な語学力からはいまいち自信が持てないのですが、ここの論点はあくまでStatementをひとつにまとめるかどうかであって、その中に当期利益を含んでいることは既に前提となっているように読めます。

そしてこのことは、下記のように、後の2005年4月の会議の一時的な結論として追認されています。

To require a single Statement of Earnings and Comprehensive Income that presents a total for non-owners’ changes in financial position (comprehensive income) and a required subtotal for net income/profit or loss.

つまり、(当面の対応として)業績報告計算上に当期純利益の表示を残すことはすでに4月に確定しており、今回の結論は、それを1つの報告書でまとめるか、2つの報告書に分割するかという論点につき、双方選択可能という方針を決定したに過ぎないことになります。
日経の報道のニュアンスとはかなり異なりますね。

このSegment Aのは今後IAS1号の改訂という形で近日中に公開草案が公表され、コメントが求められ、それを踏まえ最終決定という流れになるかと思います。

近未来的な話
では、理想を目指すSegment Bの論点はどうなっているかといいますと、

1. Whether there is value in the notion of “recycling” items between the subtotals of net income and other comprehensive income and, if so, the basis for the types of transactions and events that should be recycled and when recycling should occur

2. Whether to develop consistent principles for disaggregating information on each of the required financial statements

3. Which totals and subtotals should be reported on each of the required financial statements (that might include categories such as business and financing)

1は特殊なので飛ばして、2、3です。どの情報を分割して、どの情報の小計を表示するかというのが論点となっています。最終的に当期利益の扱いがどうなるかはこのプロジェクトで扱うことになります。当期利益も3でいうsubtotalのひとつになりますので。ただ、Segment Aの結論が出てからということになるのでしょうから、結論が出るのは相当先ではないでしょうか。ただでさえ何度か挫折している議論ですから。


以上が、MOさんのコメントを元に私が理解した内容です。8割くらいは合っていますでしょうか>MOさん。


(参考文献 Performance Reporting

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IASB業績報告プロジェクト(1)

MOさんからコメントをいただきました。いつもすみません。

Segment Aは、当期純利益をとりあえず残す前提で、まず包括利益の表示方法を明確化しようとしたものであり、最終的に当期純利益を残すかどうかはSegment Bで決定される予定になっています。したがって、今回の暫定合意で当期純利益が残っているのは当然のことで、Segment Bの結論がこれと異なったものになる可能性はまだ残っているものと考えられます。

日経の記事を鵜呑みにしてはいけないと常に肝に銘じているのですが、今回もそうですか。いや、最近の動向を英文でチェックする作業をしていなかった、私の怠慢によるものでもあるのですが・・・

今回の決定事項

反省のもと、今回のIASB UPDATEが出ているようなので、早速見てみますと、日経の大はしゃぎが嘘のように、業績報告プロジェクトについてはほんの片隅に数行載っているだけです。

The Board discussed its tentative decision to require a single statement of recognised income and expense. The Board expressed its view that a single statement presenting all income and expenses is the conceptually correct presentation. However, it decided that the Exposure Draft of Proposed Amendments to IAS 1 Presentation of Financial Statements would allow the presentation of income and expenses in a single statement or in two statements (an income statement and a statement of recognised income and expense that would begin with profit or loss for the period). The Basis for Conclusions to the Exposure Draft will make clear the Board’s preference for a single statement. All other tentative decisions of the Board in relation to Segment A of the project will be included in the Exposure Draft

これだけです。あくまで業績報告書は1つにまとめるのが理想だけど、まあ今回は2つでもいいよ、そんなニュアンスが伝わってきます。

ところで、1つと2つの違いは何かといいますと、上の文章から「2つの報告書=従来の損益計算書+損益計算書上の当期純損益を出発点に有価証券評価差額等を加えた包括利益計算書」(かなり補足していますが)というのが読み取れます。「2つの報告書」では明らかに当期純損益は表示されることになります。

では「1つの報告書」では当期純損益は表示されないのか?それは現在日本として阻止すべきものなのか。日経が言うとおり、2つの報告書が認められたのは日本の勝利なのかというところなのですが。


プロジェクトの経緯

ここで、そもそもこのプロジェクトの経緯に立ち戻りますが、本プロジェクト当初はIASBが理想とするかなり画期的な(そして作成者側から見れば、かなり奇抜な)業績計算書の提案をしてきたのですが、なかなか周囲の理解を得られず、プロジェクトが立ち往生してしまった経緯があります。

こういったとき、プロジェクト自体が頓挫しないようにする常套手段として、まず各国が合意できるところからやっていきましょう、理想を目指すのはそれ以降にしましょう、という態度をIASBはよくとります。今回もまさにそのようで、合意できるところからやりましょうというプロジェクトがSegment A、理想を目指しましょうというプロジェクトがSegment B、その2つにプロジェクトが分割された経緯があるようです。

(次回へ続く)

(参考文献 Performance Reporting

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監査、急に厳しく(11/21 日経金融)

下記記事。思わず吹いてしまいました。
いやぁ、こんなことを会社名+役職+実名入りでしゃべってしまうところがすごい。

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「監査法人が急に厳しくなった」とこぼすのは東亜道路工業(1882)の鈴木俊宏取締役。「当初想定していなかった」減損会計による損失や、関係会社への投資損失などが響き、九月中間期の連結最終損益は三十六億円の赤字に。「従来どおりの抗弁を準備したが本部の審査を通らないと通用しなかった」

会計士との"交渉"も「従来は一週間前には終わっていたが、今回は前日までやっていた」。取締役会では、他の役員から「なぜ損失を出す必要があるのかと、おしかりを受けた」と板挟みで疲れ切った様子。最後は「今損失を出せば、将来にとってはいいこと」と自ら言い聞かせていた。

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今夜ひとりのベッドで

今夜ひとりのベッドで

今クールのドラマの中で視聴率争いぶっちぎりで最下位をひた走っているドラマですが(直近の視聴率6.8%)、個人的にはお気に入り。

なんといっても気になるのは奥菜恵。正直以前からは彼女を気にしたことはほとんどなかったのですが、今回はあの彼女の眼が妙にドキマギさせます。本木雅弘が劇中独り言で「その眼は反則だろう」とつぶやく場面があるのですが、まさにその通り、って感じです。

まあストーリーは、夫婦2人に周りの男女が絡み合う恋愛物語という古典的なものなのですが、適度なお洒落感、適度な非ドロドロ感、適度なテンポが私の波長にあっているようです。

という感想なのですが、某巨大掲示板で以下の指摘が・・・

本木の顔見てると昭和の匂いがしてきて、ドラマが貧乏臭く感じる。

昭和の匂いは貧乏臭いですか。そうですか。

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「包括利益」純利益と並列開示認める(11/18 日経)

世界百カ国で利用されている国際会計基準(IAS)を作る専門家組織は十六日、保有株など資産の時価評価を反映する「包括利益」と呼ばれる新しい業績報告書の導入に際し、現行の損益計算書との並列開示を容認することを決めた。包括利益に開示の一本化を目指してきたが、純利益を経営指標として重視する欧州や日本の産業界に配慮した。

十六日の国際会計基準理事会(IASB)で合意した。公開草案の開示を経て2007年にも導入を目指す。

包括利益が定着すれば企業経営者は資産の効率化への配慮を一段と迫られ、持ち合い株の売却などの加速につながる可能性がある。IASと米会計基準は将来的には包括利益への一本化を目指しており、産業界との意見調整が一段と難航する場面もありそうだ。

「包括利益」とは、「純利益」+「時価評価損益」という説明がなされます。要は1期間にどれだけ資本の部が増減したか(出資と配当を除く)を表す指標であるということができるでしょう。

では、日本の基準でそれがわからないかというと、そんなことはなく、純資産の増減内容を見ればある程度わかります。今後会社法施行に伴い、「株主資本等変動計算書」が開示されるようになると、よりそれがわかるようになるかと思います。「包括利益」の内容については現状IASとそんなに大きな違いはなかったと記憶していますので、「包括利益」の開示自体にはそんなに抵抗はないはずです。

むしろ、日本が抵抗しているのは「純利益」の概念を廃止することにあるかと思います。経営成績を測る方法として今まで慣れ親しんできた「当期純利益」が今後表示されず、わけのわからない「包括利益」で経営者が評価されることには、当然抵抗を示すことになるわけです。

と、これだけの言い方だと只の古い経営者のエゴにしか聞こえませんが、問題は利用者のほうも「当期純利益」を一定の指標として認めており、「包括利益」にはさして興味を示していないように見えることです。少なからぬ実証研究が「当期純利益」と株価の価値関連性の高さを示す一方で、「包括利益」と株価の価値関連性が低いことを示しているようです。
(参考文献 10/24日経 経済教室 徳賀京大教授稿)

また日本のみならず、欧州産業界からも反発があるようです。「包括利益は投資家にも企業にも重要なデータとは言えない」とネスレの財務責任者が反発しているようです。
(参考文献 11/18日経金融)

さらに記事ではIASと米国が導入を推し進めているように読めるのですが、米国でも包括利益が支持されているのかというと必ずしもそうでないように聞いています。(これはソースがありませんが・・・)

こうしてみると、じゃあいったい誰が包括利益のみの財務諸表を欲しがっているのか、というのがよく見えなくなってきます。理論的には包括利益のみほうがすっきりし、貸借対照表との関係もわかりやすくなりますが、理論的にわかりやすくてもニーズがない財務諸表の導入を強引に進めることはできなかった、ということなのでしょう。

IASのサイトではまだこの件に関しては出ていないようですので、どのような方向付けがされたのかは正確にはよくわかりません。出次第読んでみたいと思います。

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週刊文春11月24日号

週刊文春11月24日号

特別読物
堀越学園「3年D組」
20年目の同窓会
本田美奈子、岡田有希子、南野陽子、高部知子…あのマツケン妻も

なんだ、私の2つのエントリと企画が一緒ではないか。ついにこのブログも文春にパクられるまでになりましたか。

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金庫株 持ち株会で活用 資本計上、投資原資に(11/8 日経金融)

三井住友銀行は、上場企業が金庫株として保有する自社株を従業員持株ち会を使って有効活用する新手法を開発した。持ち株会への実質的な株式譲渡で株主を外部に広げずに、現在は株主資本から減額されている金庫株の時価相当額を資本に計上できることに着目した。資本計上分を投資に回して企業価値を引き上げ、株主からの自社株消却圧力をかわす狙いだ。

あー、かすかな記憶だけどなんか昔あったような気がするなぁ。
自己株式をSPVに譲渡して資本をどんどん膨らまして言った会社が。

どこだったかなぁ。
確か2000年くらいに一世を風靡した、米国の電気の卸をやっている会社じゃなかったかなぁ。

今頃あの会社どうなったかなぁ。
資本が実態より膨らみすぎて突然パーンってはじけてたりしてなきゃいいけど。

もう4年も前のことだからみんなきっと忘れてるよね。
株価もその頃の水準に戻ってきてるし。
だったら、まぁいっか。

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エクソンモービル資本金1億円に減額 外形標準課税適用外に(11/15 日経夕刊)

エクソンモービル、資本金を500億円から1億円に

米メジャー(国際石油資本)の全額出資日本法人、エクソンモービル(東京・港)は12月22日に資本金を現在の500億円から1億円に減らす。499億円は「その他資本剰余金」に振り替え、資本準備金や利益準備金も減額する。同社は「資本構成を最適化し、配当原資を増やすのが狙い」と説明している。

 資本金が1億円を超える企業には外形標準課税が適用になる。同社は今回の措置で適用外になるが「節税が目的ではないが、結果的に税を含む管理コストを低減させる効果がある」としている。

エクソンモービルの日本法人は有限会社のようですね。有限会社のことについてはまったく持って無知なのですが、資本金500億円とは尋常ではない金額ではないのでしょうか。沿革についてはよく知りませんが、おそらく2つのメジャーと、ゼネラル石油の寄り合い所帯ですので、何回か再編を繰り返すうちに資本金が膨れ上がってしまったのでしょう。

で、今回の資本金の減額。「配当原資を増やすのが狙い」と言えば聞こえはいいですが、いざとなれば1人株主総会を開いて有償減資を決議できる100%子会社においてはあまり説得力のある理由には聞こえません。たしかに有限会社で500億円の資本金は大きいですが、じゃあ499億円の「その他資本剰余金」なら適正なのかといわれるとあまり変わらないような気がします。

やはり外形標準適用除外が主目的なのでしょうか?500億円も資本金があればそれだけで0.2%の税率がかかりますので、1億円が流出することになります。これが節約できれば確かに大きい。

しかし、大丈夫なんでしょうかね。isologueではDESに関してのエントリの中で

確かに登録免許税が安くなったり外形標準課税の対象にならなかったりするわけですが、もともと未公開で債務超過(または債務超過寸前)のような会社の資本金が何十億円、という方が実態からしてヘンなわけで、「資本金が数千万円」といった見かけにとどめるのは、課税を回避する以外の合理的な理由があると思います。
税務署も、「DESして増えすぎた資本金を減資しても、ちゃんと株主総会で減資等の決議された事実があれば、まあいいでしょう」と、決議や登記は、それなりに尊重していただける対応をしていただいているようですので。

と書かれていますが、今回の場合は総会の決議は当然あるにしても、外形標準課税節約以外の合理的な理由が説明つかないような気がします。500億円の出資(資本金の科目ではなくても)が厳然としてあり、それに対して課税されないのは不自然であるような気がします。

現在有限会社であるエクソンモービル日本法人の財務状態は(少なくとも無料では)手に入りにくいのですが、上場会社東燃ゼネラルの親会社でもあるため、東証の既定により12月決算の財務諸表はいずれかの段階で開示されることになります。そのときには多少中身が見えるかもしれません。

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題名のない音楽会21~本田美奈子さん追悼

まだ、このネタで引っ張りますが・・・

たまたま見ていたら、本田美奈子の追悼番組でした。
今年の1月にこの番組に出演したのが彼女の最後のテレビ出演だったとか。

正直クラシック転向後の彼女のことはあまり知らなかったのですが、びっくりしました。
これほどまで歌唱力が伸びていたとは。

よく引退した歌手が復帰することがありますが、イメージダウンすることのほうがほとんどのような気がしています。
特に高音域が悲惨になっていることが多いと感じています。
これはブランクというより年齢的に仕方ないことなのかと思っていましたが、
40近くになってもまだまだこういうものは伸びるのですね。
自省。

彼女のアイドル時代「私はアーティストです」と発言して失笑を買った記憶があるのですが、本当にアーティストになってしまったんですね。今日の番組を見て改めて惜しい方をなくしたと思いました。


ところである方の指摘から、前回のこの関係のエントリであげた参考文献であげた岡田有希子、本田美奈子の同級生の中に「松本友里」、つまり「マツケン妻」がいるとのこと。うーん、人生というのは本当にどうなるかわからない。

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内部管理監査の実務指針策定へ(11/11 日経)

金融庁の企業会計審議会は10日、公認会計士が上場企業の内部管理(ガバナンス)をチェックする新制度の導入に向け、経済団体と共同で実務指針を策定することを決めた。監査内容を明確にし、企業に過度の負担をかけないようにする。

 金融庁は早ければ2008年3月期から新制度を導入する考え。経営者が意思決定の手続きなど内部管理体制をチェックし、その結果を会計士が改めて監査する仕組みだが、日本経団連などから「中身があいまい」といった不満が出ていた。

 実務指針は経営者自らによるチェックの責任範囲を明示するほか、企業が会計士にどんな資料を提出すべきかなども盛り込む。監査で問題となりそうなポイントについても例を挙げて示す。


なんか、根本的に誤解のある記事ですなぁ。

「公認会計士が上場企業の内部管理(ガバナンス)をチェックする新制度」って何?というかまあ、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(公開草案)」のことについて言っているのだなと大まかな想像はつくのですが、「財務報告にかかる内部統制の評価」=「ガバナンスのチェック」というあたりがかなり強引。

その誤解は誤解を呼び「経営者が意思決定の手続きなど内部管理体制をチェックし、その結果を会計士が改めて監査する仕組み」?経営者がいったい誰の意思決定の手続きをチェックするのだ?意思決定は経営者の仕事でしょ?で、それを会計士が監査?企業の意思決定にいちいち会計士の監査が入るとでも?

あくまで「財務報告に係る内部統制の評価」。財務諸表を作るプロセスに重要な欠陥がないことを経営者が宣言し、その宣言について監査しようというのが導入予定の制度。ガバナンスだの意思決定などの監査ではないのである。

まあ記事はともあれ、企業会計審議会が直接実務指針を作成するというのはあまりないことでは?JICPAの監査委員会や企業会計基準委員会がその任を果たしてきましたから。まして経済団体と共同でどのような作業になるのでしょうか。

金融庁の報道発表資料には何も載っていませんのでどのように進んでいるのか、真相はよくわかりません。

やや酒が入っています。乱文失礼。

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GM、2001年利益を過剰計上・半減に修正も(11/10 日経夕刊)

GM、2001年利益を過剰計上・半減に修正も

 米ゼネラル・モーターズ(GM)は9日、会計処理の間違いにより2001年12月通期の最終利益を実際よりも多く計上していたと発表した。01年の最終利益は6億ドルと報告していたが、3億―4億ドル分を上乗せしていたという。

 利益計上に誤りがあったのは、一部の部品会社に対する債権を利益として計上したため。02年以降についても同様の間違いがある可能性があるという。

「部品会社に対する債権を利益として計上」??

(借)債権 xx
(貸)○○ xx

ではなく

(借)利益 xx
(貸)○○ xx

であったってこと?これじゃ逆に利益の過少計上になってしまいます。

どうにも記事が意味不明なので、内容を調べているのですが、
GMが「発表」と書いているにもかかわらず、会社のサイトにはニュースリリースの記述はなし。(10日夜現在)

ただ、EDGARを見ると、確かに8-K(臨時報告書)は提出されています。曰く

GM has been conducting an internal review of credits received from suppliers and
the appropriateness of its accounting treatment for them during the years
2000-2005. This issue is one of the matters that is also being investigated by
the SEC as previously reported by GM.

The review of supplier credits is ongoing and GM has not reached final
conclusions about this matter. However, the review to date indicates that GM
erroneously recognized some supplier credits as income in the year in which they
were received rather than in the future periods to which they were attributable.
Based on the information to date, GM currently estimates that its net income
from continuing operations for 2001 was overstated by approximately $300 million
to $400 million (or about 25% to 35%) due to this error. Accordingly, although
the final restatement amounts have not yet been determined, GM has determined to
restate its financial statements for 2001, and the restatement is expected to
be material to the financial statements previously reported for that year. GM
will also restate financial statements for periods subsequent to 2001 that may
be affected by the erroneous accounting. However, the effect of any such
restatement in subsequent periods is expected to be immaterial to those
financial statements.

supplier credits を一時の利益として計上していたが、これは将来にわたって認識すべきものであった、ということのようです。

で、supplier creditsって何?ってことなのですが、よく知りません。調べてみますが、ご存知の方いらっしゃいましたらぜひ教えて下さい。

 

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We miss Saigon~本田美奈子さん

USCPA試験で渡米した際に立ち寄ったNY。ミス・サイゴンのラストラン間近というとき。ポスターには"You will miss Saigon"の文字。英語の苦手意識が抜けない私などでも、なかなかうまいコピーだなと思い、なぜかずっと心に留まっていました。

そのフレーズをまた再び思い出させるような訃報でした。既にあまたのブログに書かれているでしょうが、この世代として、この出来事をスルーするわけにはいきません。

そう、確かデビューの頃はやっとCDというものが世に出だした頃だったかな。少なくともまだ私はCDプレーヤーを持っていなかった。まだエアチェックという言葉は死語にはなっていなかった(廃れてはいたかもしれないが)。そう、たしかタイガースという球団が優勝した年でもあったな。そして、翌年世を去った岡田有希子と入れ替わるかのように、トップスターにのし上がっていったっけ。記憶を確認するためにぐぐって見たところ、堀越の同じクラスだったらしい。長山洋子もいる。(参考文献

その後個人的な事情により、テレビや歌謡曲と一時期はなれることになる。そのため、スターに駆け上ってしまった「マリリン」以後の彼女よりも、「殺意のバカンス」や「Temptation」のほうが自分にとってはインパクトがあったし、楽曲としても好きだったかな。

そして、アイドルとしての旬を過ぎた彼女は周知のとおりミュージカル女優として復活する。その後のことに関しては私に語るほどの知識はありません。ただ、自分とほぼ同年代の元アイドルが消えずに活躍しているのを見るのは楽しいものでした。

急性骨髄性白血病。ろじゃあさんが書いているとおり、私の世代でも不治の病のイメージが強いのですが、渡辺謙はいまではぴんぴんしているし、CMは現代であれば夏目雅子も生き延びることができたかもと伝える。それなのに・・・。

♪いつも心にハリケーン~ などと歌っていた彼女が、よりによってハリケーンの当たり年に世を去ってしまう。両者に不謹慎と思いながらも、つい因縁めいたものを感じてしまいました。

橋本真也に続く同年代の訃報。あまり無理するなという警鐘なのかもしれません。
といいつつ既に2時近いのですが。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

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瀬川さん 頑張る

やっと子供の相手が終わり、ふとパソコンを立ちあげてみて、今日が瀬川さんのプロ入り試験第5局目の日と気づきました。早速リアルタイム中継のサイトに行ってみたが、画面がなかなか進展しない。故障かと思いきや、どうやら現在62手目(執筆時)でプロの高野五段が長考中ということらしい。

私にはとても形勢判断をする棋力はないのですが、まだまだ望みがありそうということくらいはわかります。この一局に勝てば3勝でプロ入り確定。ぜひ夢をかなえてほしいです。

(追記)
ずっと中継を見ていまして、たった今、瀬川さんの勝ちが決まりました。
おめでとうございます!

私が見始めたときは既に有利であったようですが、控え室のプロの予想通りに進まず、ずいぶんやきもきさせられました。プロの予想を外しながらもしっかり勝ちきった瀬川さん、見事でした。そして、大方の憎まれ役を引き受けて十分に役割を果たした高野五段にも、お疲れ様の言葉を送りたいです。


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棚卸資産の評価基準に関する論点の整理(3)

【論点3】低価法適用時の時価

時価としては、正味実現可能価額と、再調達原価を中心に検討がなされています。

正味実現可能価額は、要は予想される売価(売却コスト控除後)であり、国際会計基準で採用されている方法。再調達原価は、同じものを取得しようとしたらいくらかかるかという金額で、米国基準の基本となり、また日本の税法においても採用されています。

収益性の低下、という基準で判断するんであれば、正味実現可能価額が一番整合するのでしょう。ただ、あくまで取得原価基準という枠を外さないであれば、再調達原価という考え方もあるでしょうし、なんと言っても実務的にはそのほうが楽。法人税法との調整も不要だし。


【論点4】洗替え法と切放し法

洗替え法とは、前期にいったん切り下げた簿価を、次期には取得価額まで戻し、改めて時価の下落を判定する方法で、切放し法はいったん切り下げた簿価は元には戻さず、次期には切り下げ後の簿価と時価を比較し、時価の下落を判定する方法です。

これも国際会計基準では洗替え法が採用されており、米国基準では切放し法が採用されており、議論が分かれるところかと思います。低価法が任意で適用されている日本基準においては両方が認められています。

論点3と同じように、収益性の低下という基準で判断するんであれば、収益性が回復した場合に簿価の切り上げが生じることは否定できないと考えられます。ただし、固定資産の減損や有価証券の減損では損失の戻入が認められておらず、それとの整合が問題になると考えられます。

この点については、固定資産やや有価証券では、損失の発生の可能性が高い場合に限り減損を認識するため切放し法と考えられる、としています。

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棚卸資産の評価基準に関する論点の整理(2)

【論点1】原価法と低価法の選択適用の見直し

もともと、棚卸資産の評価の原則が取得原価となっているのは、期間損益計算を適正にするためです。取得した棚卸資産に関する損益が実現するのは、その棚卸資産を売却したときか、廃棄したときであるべきであり、それを販売前や廃棄前に認識することは、期間損益計算を歪めてしまう、というのがその根拠です。

そして、低価法は実務で定着しているため認めるという、いわば例外規定である、という考え方です。

この「論点の整理」では、「そんな考え方、もう古い」という見解を前面に出してコメントを求めています。曰く、「簿価切り下げに関する会計基準が整備されていなかった頃に支配的だったものではないか」。現在では、固定資産の減損、有価証券の減損の規定などで、収益性の低下した資産についての簿価切り下げの会計処理が定着しているため、低価法を導入するほうがむしろ自然ではないか、ということです。

ただ、固定資産の減損では、減損の兆候があったときに限り減損の処理を検討することになっており、有価証券の減損についても著しい下落という条件がついています。棚卸資産の低価法は極端な話(重要性の原則はさておき)1円でも価格が下落したら、評価を切り下げる必要があり、一見厳しいようにも見えます。この点については、「収益性の低下の時点がいつか」ということに着目し、販売により投下資金の回収を図る棚卸資産については時価が下落したときにすでに収益性が低下しているとみて、この時点で評価を切り下げる必要があるとしています。

【論点2】低価法の適用除外とする場合

以下は、低価法の適用を前提とした話。

低価法というものが収益性の低下をもって行うものであるとすれば、収益性の低下に基づかない時価の下落は、低価法による評価減の対象とはならないことになります。
それらの例として、以下のものが挙げられています。

・販売金額が契約により決定している場合
・一定の計算式により利幅が確保されている場合
・販売活動および一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨

また検討点として、以下のものが挙げられています
・時価が回復する可能性が高い場合(客観的予想が可能か?)
・未成工事支出金その他請負契約における仕掛品等(工事損失引当金で手当てが十分か)

(続く)

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棚卸資産の評価基準に関する論点の整理(1)

「棚卸資産の評価基準に関する論点の整理」の公表

企業会計基準委員会(以下「当委員会」という。)では、近年整備されてきた他の会計基準との整合性や国際的な会計基準との調和の観点から、棚卸資産の評価基準において、原価法と低価法の選択適用を見直し、低価法を唯一の評価基準とすべきかどうかについての検討を行っております。 今般、評価基準を低価法とした場合に生ずる論点やその周辺の論点について、一通りの検討を終えたことから、これらを論点整理として公表し、広く一般から意見を求めることを目的として、平成17年10月14日の第90回企業会計基準委員会において、標記の論点の整理(以下「本論点整理」という。)の公表が承認されました。

サボっている間にずいぶん古い話題になってしまいましたが、棚卸資産の評価基準に関するASBJの論点整理です。あっさりといってしまえば、棚卸資産の評価に低価法を取り入れることについての理論武装をどうするかといったところでしょうか。

そもそも、この議論が始まったきっかけが、国際会計基準とのコンバージェンスを目的とした会議にあります。したがって、国際会計基準が原則とする低価法を導入するということは既定路線であり、どのように導入するか、ということが主題になっているのも当然のことなのでしょう。

「低価法」・・・すなわち棚卸資産について、取得価額と時価と比較して低いほうの金額で評価しようということです。言い換えると、取得した当初は取得価額で評価して、その後時価が下落したら、時価まで評価を切り下げて、差額を損失に計上するという会計処理です。現在は適用は任意となっており、時価下落後もずっと取得価額で評価することも可能です。

もっとも、現在でも時価が著しく下落し、回復の見込みがない場合は、時価で評価することが企業会計原則で強制されています(強制評価減)。したがって、価格下落についてまったく手当てされていないわけではありません。したがって、「固定資産に減損会計があるのに、棚卸資産にはない」との批判は当てはまりませんし、国際会計基準と大きな差があるのか、と問われると文面ほどの大きな差はないのではないか?と思っています(厳密に適用されていれば、という前提ですが)


この「論点の整理」、8つの論点について取り上げているわけですが、以下にその論点を取り上げていきたいと思います。

(続く)

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