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株価台替わり(12/15 日経)

金融庁は九月、大手銀行とその持ち株会社を対象に、繰り延べ税金資産の計上を制限する規制を発表した。

これにあわてたのがオリエントコーポレーション。オリコは有税引き当てや不動産の減損処理、繰越欠損金で繰り延べ税金資産が膨らんでおり、〇五年九月中間期末の計上額は連結ベースで千四百億円強に達した。株主資本に対する割合は金融庁が今期末の上限と定めた四十%ちょうど。ノンバンクは今回の規制の対象外とはいえ、「株式市場では金融機関全体への規制と受け止められかねない」

悩んだ末、同社は計画を前倒しして繰り延べ税金資産を取り崩すことを決めた。もともと来期に百億円、再来期に三百億円減額するはずだったが、今期にまず百億円減額する。会計上は税負担が増えるため、今期の連結純利益が百億円減る要因になるが、財務の改善を優先した。資本に対する繰り延べ税金資産の割合は今期末、三十六%程度に下がる見通しだ。

優先株や繰り延べ税金資産といったバブル処理の名残を、「貸借対照表から完全に消去して初めて再建は完了する」(飛鳥建幹部)。最終処理に向けどう道筋をつけるか。収益力の回復とともに各社の株価を左右する大きなテーマになる。

相変わらず繰延税金資産に関しての理解をしていない記事、というかこの記事が正しいのだとすると、実務界も実はわかっていないのでは、と思ってしまいます。

繰延税金資産が、バブル処理後の残りかすみたいな書き方がされていますが、繰延税金資産といえど会計原則上れっきとした資産です。資産性があるというのであれば、それは企業に恣意的判断により計上をするかしないか考えるのではなく、当然に計上しなければならないものです。当然に計上しなければいけないものを恣意的に計上しないのであれば、下方修正であろうとれっきとした粉飾決算です。

繰延税金資産の資産性は主に将来の収益力に起因します。資本の規模は少なくとも直接的には将来の収益力を反映するものではありません。したがって資本の規模により繰延税金資産の計上限度を決めることはナンセンスとなります。行政上の規制を繰延税金資産を除いた数値で行うことに合理性があるのかどうかについて私は門外漢なのですが、少なくともそれは規制上の利用にとどめるべきであり、会計上の資産計上限度を定めるのは論理的に正しいとは思えません。まして今回のケースは規制上対象外となっているノンバンクですから。

まして、上記に書いたとおり繰延税金資産の資産性は将来の収益力に起因しますから、再建が成功すればするほど、繰延税金資産の資産性は高まるのであり、繰延税金資産の消去と再建完了を結びつけるのはまったくナンセンスに思えます。

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