今年最後の感想
無意味なもの
倖田來未のラジオ観賞・・・
てなわけで来年もよろしくおねがいします。
遅い忘年会に参加しているうちに、次々といろんなものを出し逃げされてしまった・・・
「ストック・オプション等に関する会計基準」及び
企業会計基準適用指針第11号
「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」
産業界も反対をあきらめ、既定路線のまま適用へ。ストック・オプションを発行したらそれは公正価値でもって費用計上しましょうね、という基準。それだけっていえばそれだけなのだが、なぜか適用指針は75ページもある。誰が読んでまとめてくれ。
「会社法による新株予約権及び新株予約権付社債の会計処理に関する実務上の取扱い」及び
改正実務対応報告第1号
「旧商法による新株予約権及び新株予約権付社債の会計処理に関する実務上の取扱い」の公表
何が一番変わったのかな?外貨建転換社債(古い名称)の換算か。転換しても発行時のレートを引きずるのが今までだったけど、今後は転換時のレートを使うということ。
「事業分離等に関する会計基準」及び
企業会計基準適用指針第10号
「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」の公表
相変わらず分厚い。目次だけで20ページもある。
あまりに論点が多いので、これは解説記事待ちだな。
「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」
改正企業会計基準適用指針第2号
「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針」の公表
これは大して変わっていなさそう。
「株主資本等変動計算書に関する会計基準」
企業会計基準適用指針第9号
「株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針」の公表
横型がメインで、縦型でもいいという規程になった。縦型って読みづらそう。
「その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理」の公表
これも実務的にはあまり影響なさそう。
二〇〇八年三月期から導入される上場企業の四半期決算に関し、財務諸表を作成する手続きについて企業側と投資家など利用者側との間で意見が分かれている。三カ月単位で計算した数値を足し合わせて財務諸表を作る積み上げ方式と、四半期が終了するごとに、それまでの財務諸表をまとめて計算しなおす方式のどちらかにするかが焦点だ。
わはは、くだらんこと揉めている。
7-9月の財務諸表を作成するのに、7-9月独立で作るのか、4-9月の分を作成して、4-6月分を差し引いて作るのか揉めているということ。
財務諸表を作ったことのない方にはぴんと来ないかもしれません。なぜこれで結果が異なるのでしょうか。
この場合為替レートの影響が異なってきます。
4-6月の平均レートが$1=\110
7-9月の平均レートが$1=\120
4-9月の平均レートが$1=\115
であり、
4-6月の売上高が$1,000/月
7-9月の売上高が$1,200/月である場合
【積み上げ方式】(こんな名称は初めて聞きましたが)
4-6月売上高 \330,000
7-9月売上高 \432,000
半期売上高 \762,000
【再計算方式】
4-6月売上高 \330,000
7-9月売上高 \429,000
半期売上高 \759,000
(半期売上高=((1,000*3)+(1,200*3))*115)
と、数値が異なってくるわけです。
積み上げ方式のほうがわかりやすいのでしょうが、企業としては為替レート変動は長期的に把握しますから、再計算方式のほうが実感にあう数値が出てきます。
まあ、どちらもそれなりに根拠があるのですからどちらも認めてくれたっていいと思うのですが。
「あらしのよるに」は、もともと劇場が発行するカードのポイントがたまって1作無料となるために見に行ったのですが、無料券の発行にはまた別の列に並ばなければならないことが判明。上映時間ぎりぎりであったため、正規料金を払って見ました。
こんなことがないように、次回何かを見に行くときのために、終映後に無料券を発行してみた。すると、「12月23日発行」の文字が。え、当日限り有効?
集中力がない私は一日に映画二本以上見ることは避けているのですが、背に腹は変えられない。息子を家まで送り返し、私はまた映画館に向かう。定期券があるので費用はかからないが、1時間以上のロス。そんなこんなで、当日見る予定のなかった「SAYURI」を見ることに。
ちなみに、この無料券を「SAYURI」のチケットに交換する際、「これって当日限り、って意味ですよね」と聞いたら「いや、ずっと有効ですよ」との返事・・・。ちゃんと確認しなきゃね。
当日見る予定がなかったとはいえ、いずれは見ようと思っていた作品。賛否両論あるようだ。日本文化の描き方が、あまりに酷いというもの。有名人としてはこの方の意見。もっともであるが、役者も国辱者としている。ただ、仕事を選ばずにきっちりこなすのも役者の能力の一つかと。そういう意味じゃ
役所広司 さん、仕事を選ばずきっちりこなしていますよね。ええ、仕事を選んでいませんとも。
で、そんなことを求めるのは無理というもの。だってアメリカ映画ですよ。アメリカに他国の文化をもう少し学ぶ姿勢があれば、もっと世界は違っているはず。よくも悪くもそれがアメリカ。日本人は決して西部劇の映画を制作し世界に発信しようとない。
ここはあのCHICAGOの監督。女性陣のたくましい生きっぷりを鑑賞しようではありませんか。
そう割り切ってしまえば、なかなか見所ある映画です。強烈なのは桃井かおりの存在感。英語しゃべってても、桃井かおり以外の何者でもない。コン・リーとミッシェル・ヨー。和服にはいまいちの違和感があるが、安定した演技で脇を固めてくれます。
これらと比較して、主役のチャン・ツィー。化粧っけのないシーンでは、「初恋のきた道」時代を思わせるキュートさで、和服姿にもそれほど違和感がない。ただ、存在感という点では圧倒的に上の3婆(失礼!特に同世代のコン・リーには)が上回る。「まだまだお前なんかケツが青いよ」、3人がかわるがわるそういっているように見える。役中だけでなく、本当にいじめられているように見えるのだ。
男性陣。役柄のせいか、渡辺謙がいまいち存在感なし。むしろ役所広司の熱演が印象に残る。まあもともと男性陣などどうでもいい映画ですが。
で、やっぱりMVPは大後寿々花(笑)。
息子の友人たちを連れ冬のキャンプなどという酔狂な企画が私の知らない間に持ち上がり、本人の知らない間に引率者に祭り上げられていた。というわけで、某公営キャンプ場。何もかも無料。管理人の態度以外は満足。
12/23「あらしのよるに」を小4の息子と二人で見に行く。
普段は仕事帰りのレイトショーばかりで、1上映に20人もいればいい方、というのが自分の中での常識となっていた。ところが今回は3連休の初日の真昼間。しかも他にハリポタとMr.&Mrs.Smithの上映時間が近いとあって館内はごった返し。上映時間20分前に到着し、時間が余るから子供にアイスでもおごって、などとたまにはパパらしいことを考えていた私は、とても上映時間までには途切れそうにもない行列に、ただただ唖然とするばかり。
私のようなレイトショー専門の客というのは、空間の遊びを埋めるための小銭稼ぎの対象でしかなく、ドル箱はこういう客たちなのだ、ということを改めて思い知る。
「あらしのよるにはもう残りわずかです」とのアナウンスもあるが、この回を逃すと息子の次の約束に間に合わない(忙しいらしい)。だめもとで並ぶ。なんとか予告編終了くらいにチケットを入手でき、スクリーンに駆け込む。前から2列目という席だが贅沢は言っていられない。
「あらしのよるに」、いわずと知れたシリーズものだが、私は最初の一冊しか読んでいない。オオカミとヤギがお互いの正体を知らないまま分かれてしまうところで最初の一冊は終わっていたかと思う。息子は何冊か読んでいるらしい。要所要所で次に展開するストーリーを解説してくれる。息子じゃなかったらただの迷惑なおっさんである。
ストーリーですが、ロミオとジュリエットか、はたまたウェストサイドストーリーか、出自が許さない恋路に走ってしまう二人、いや二匹を描く。日本人なら「矢切の渡し」の展開。ただ異なるのはこの二匹は(おそらく)同性だということ。こう書いてしまうとぜんぜん美しくないが、あまりそんなことは気にならずに、常にこの「友情」を軸に感動的なストーリーが展開していくのである。子供向けと馬鹿にするなかれ。大人でも結構ほろっとさせられる。というかむしろ大人向け?
声優が成宮さんと中村獅童さんと聞いたときはえ?ってな感じでしたが、まったく違和感ありませんでした。むしろ棒読みに聞こえたのはヤギの女の子であるミィ役のこの方。
先日オフ会でご一緒した方とか、相互リンクの依頼を受けた方とかのサイトをリンクに加えたいのですが、MyblogListのは更新が停止になり、後継のDrecomRSSがぜんぜんマニュアルどおりに動いてくれないため、リンクの新設ができない状況にあります。まことに申し訳ありませんが、今しばらくお待ちいただけるようお願いいたします。
米証券取引委員会(SEC)の諮問委員会は株式上場している中小企業に対し、内部統制ルールの適用を免除または軽減することを決めた。規則導入による中小企業の負担が大企業に比べて大きい点を配慮した。上場企業の約八割が恩恵を受ける見通しだ。
・・・諮問委案では、発行済み株式の時価総額が一億二千五百万ドル以下の企業について内部統制ルールの適用を免除する。
時価総額が一億二千五百万-七億五千万ドルで収入が二億五千万ドルを超えない企業には、監査法人に内部統制の体制が機能していることを証明させる義務を免除する。
日経金融ではベタ記事扱いですが、8割の上場企業に何らかの恩恵があるというのはかなり大きいニュースなのではないでしょうか。この記事だけでは短すぎ、SECからも正式に何か出ているわけではなさそう(何か出てましたら教えてください)なので、詳細な内容がわからないのですが、まだ大枠が出来上がったばかりの日本での内部統制ルールの議論には当然影響してくるでしょうね。
とりあえず備忘ということで続報を待ちたいと思います。
(追記)
どうもこれの模様。
Proposed Preliminary Recommendationsということらしいので、SECが受け入れるかどうかは不明。
中小企業に対する適用は2007年7月15日以降終了事業年度(したがって2006年7月16日以降から開始する事業年度)まで延期されているので、それまでには決まるのでしょう。
産業再生機構によるカネボウ二社の入札で、花王(4452)と投資ファンド三社の連合が落札した。機構はカネボウ二社の株式と債権を約四千四百億円で売却し、約二百億円の利益を得る見込み。花王は本体をファンド連合に任せ、化粧品事業のみを四千百億円で買収する。花王が会心のM&A(企業の合併・買収)を成功させることができたのには理由がある。
税効果は二つ。ひとつはカネボウ化粧品の商標権などを償却する際、その費用を損金算入して得られるものだ。花王は商標権や特許権などを千四百八十億円で取得し、十年程度で毎年約百五十億円ずつ償却する。この期間で合計約五百億円を節税できる見通しだ。
もう一つは、カネボウ化粧品が前期に営業権を一括償却して発生した累積損失を利用した税効果。会計上は二千二百九十億円の営業権を一括償却したため、カネボウ化粧品に多額の累損が発生した。税法上はこの欠損金を一定期間で定額償却できる。花王はカネボウ化粧品が得る節税効果を五百億円程度と見込む。
すみません、根本的に理解していないので、誰か教えてください。
花王は連結納税対象会社ではないようです(連結納税会社リスト)。花王はカネボウ化粧品を吸収するわけではなく、子会社化するだけですよね。これは、株式の購入とは別に商標権や特許権を取得するということでしょうか?だったら、カネボウ化粧品側に多額の売却益が出てしまいますね。
もっとも、多少の売却益が出ても、後段によると多額の欠損金予備軍を抱えているため、問題なさそうですが、そうであるとすると、後段の計算が前段とダブっていることになります。後段の計算もよくわからない。なんで子会社の欠損金が取り込めるのでしょうか?
今後合併するということでしょうか?でもしないって言ってるし・・・
(追記)
よく読むと後段は「カネボウ化粧品が得る節税効果」といっていますね。欠損金を取り込むという話ではないのですね。でもそんなの花王だから得られる税効果ではない。カネボウ化粧品固有の税効果だから他のファンドが買ったって節税効果は変わらないのでは?うーむやっぱりわからない。
本の会計基準を決める企業会計基準委員会は、上場企業の四半期決算での情報開示ルール案をまとめた。損益、資産・負債のほか、現金収支(キャッシュフロー)の開示も義務付け、経営に大きな影響を与えるリスク情報の記載も求める。幅広い開示を促し、投資情報の充実につなげる。2008年3月期から導入する。
え、そんなものが出たのか、と思い企業会計基準委員会(ASBJ)のサイトへ飛ぶが、そんなものは見当たらない。フライング記事か?
とはいえ、ASBJが検討を進めていることは事実で、会員サイトによると、年内にも「四半期財務諸表の作成基準に関する論点の整理」が公表されるようです。この「論点の整理」自体は会員サイトでも公開されていないようなので内容は不明なのですが、あくまで「論点の整理」であるので、今までの例からすると「ルール案」というほどのものにはなっていないと思うんですがどうなのでしょう。
それから「経営に大きな影響を与えるリスク情報の記載」は結構なのですが、これは明らかに企業会計基準委員会の管轄外の話であるかと思うのですが、こんなことが本当に論点整理に載ってくるのでしょうか。
あと、「2008年3月期から導入する」のも、これは証取法改正の話なので、ASBJにそんな権限はありませんよね。
また、見出しの「買収費用」っていったい何?とか突っ込みだすと止まりません。
何が正しいのか、出てみないとわかりませんね。
♪今日も会いに行こう~
17日(土)、都内某所で某ブロガー主催のオフ会に参加。
書き出しが前日分のエントリと一緒である。今度の某氏はまた別人。こちらも書くことの許可は得ていないものの、既にご本人のブログでは公開されているので、肖像権を侵害しない限りは書いてもいいのであろう。
この日はもともと別の予定があったのだが、前日に急遽キャンセルとなったため、以前から募集していたこのオフ会に土壇場で参加表明をしたところ、快く参加OKの返事をいただき参加することになったもの。
で、参加してびっくり。ホストのほかに、参加者は某有名ブロガー、某有名ブロガー、某・・・ってな感じ。ブログ界の底辺をはいつくばっている私などが行くべき場所ではなかったのではないか、との思いが頭をよぎる。
そんな思いを杞憂と感じさせてくれたのが、カラオケ合戦。新沼謙二に小林旭、プレスリーときてなんだかほっとする年代に突入してしまったことは認めたくないのだが、認めざるを得ないことのようで。私は今回は遠慮しましたが、次回は仲間に入れてくださいな。
そして、なんといってもそのカラオケ合戦の一方の片隅では別の客が将棋を指しているというその店の雰囲気がある意味新鮮であった。マスターとのベタな会話もまた楽し。
話題?何話したかな。某ブロガーのページには断片的に書いているが、そういえばそうだったかなといった感じで失礼ながらあまり覚えていない。まあ、私にとってみれば酒が入ったらいつものこと。ご容赦いただきたい。
結局4時間くらいは店にいたはず。ぜんぜん時間を感じさせないまま、お開き。赤坂の町を三々五々散っていきました。
参加者の方々、お疲れ様でした。
そして今後ともよろしくお願いいたします。
ところで参加者はホスト含めて7名。正直思ってたよりも少なかった。私のオフ会のイメージとしては、言いだしっぺがいて、常連さんがいて、そしてROMですけど良いですか?という方が何人かいて、結構な人数に膨れ上がるというン年前のニフティのフォーラムのオフ会のイメージがあるため。昨日のオフ会もそうだが、ブロガー主催のオフ会は、それよりも敷居が高いのであろうか?それとも、私が厚顔無恥なだけですかそうですか。
(注)
ここ2日たまたまオフ会がレンチャンとなりましたので、こんなタイトルをつけさせていただきましたが、誰でも良いから有名人に会おうとしているわけではなく、もちろん某タレントみたいに有名人の失言を引き出そうとしているわけでもありません。単に会いたい人に会いに行ったという結果ということでご理解ください。
♪今日も会いに行こう~
16日(金)、都内某所で某ブロガー主催のオフ会に参加。
1次会の参加者は6名。某ブログのコメンテーターとしておなじみの方ばかり。ROMの方も1名いらっしゃいましたが、言いたいことはあっても立場上言えない(謎)という方でしたので、専門分野でなく雑学的な話題にしかコメントができない私は(少なくとも心の中では)小さくなるばかりでありました。そうはいっても門外漢の話であっても聞き役に徹すればそれはそれで面白いもの。楽しい時間をすごさせていただきました。
そして、某コメンテーター手配の店がまたよかったです。外見はどう見ても近所の蕎麦屋にしか見えないのですが、出てくる料理とお酒のすばらしいこと。近所の蕎麦屋の力というのは侮れないものなのか、うちの近所の蕎麦屋とも懇意になったらあんな料理が出てくるものなのか?またひとつ謎が増えてしまいました。
さらに、ホストである某ブロガーの参加者に対する歓待の姿勢にも感激させられました。
参加者を心から歓迎しているという姿勢が伝わってきまして、単純な私はすぐに感動してしまうのでした。
2次会に移動し、さらに4人(だったと思います。間違っていましたら失礼)、のメンバーを加えさらに盛り上がりを、といったときに私の時間的、体力的限界がきまして退散せざるを得なくなったのが残念でした。
参加された皆さん、ありがとうございました。
そして今後ともよろしくお願いいたします。
(書くことの許可を得ていませんので「某」だらけの文章で失礼します)
金融庁は九月、大手銀行とその持ち株会社を対象に、繰り延べ税金資産の計上を制限する規制を発表した。
これにあわてたのがオリエントコーポレーション。オリコは有税引き当てや不動産の減損処理、繰越欠損金で繰り延べ税金資産が膨らんでおり、〇五年九月中間期末の計上額は連結ベースで千四百億円強に達した。株主資本に対する割合は金融庁が今期末の上限と定めた四十%ちょうど。ノンバンクは今回の規制の対象外とはいえ、「株式市場では金融機関全体への規制と受け止められかねない」
悩んだ末、同社は計画を前倒しして繰り延べ税金資産を取り崩すことを決めた。もともと来期に百億円、再来期に三百億円減額するはずだったが、今期にまず百億円減額する。会計上は税負担が増えるため、今期の連結純利益が百億円減る要因になるが、財務の改善を優先した。資本に対する繰り延べ税金資産の割合は今期末、三十六%程度に下がる見通しだ。
優先株や繰り延べ税金資産といったバブル処理の名残を、「貸借対照表から完全に消去して初めて再建は完了する」(飛鳥建幹部)。最終処理に向けどう道筋をつけるか。収益力の回復とともに各社の株価を左右する大きなテーマになる。
相変わらず繰延税金資産に関しての理解をしていない記事、というかこの記事が正しいのだとすると、実務界も実はわかっていないのでは、と思ってしまいます。
繰延税金資産が、バブル処理後の残りかすみたいな書き方がされていますが、繰延税金資産といえど会計原則上れっきとした資産です。資産性があるというのであれば、それは企業に恣意的判断により計上をするかしないか考えるのではなく、当然に計上しなければならないものです。当然に計上しなければいけないものを恣意的に計上しないのであれば、下方修正であろうとれっきとした粉飾決算です。
繰延税金資産の資産性は主に将来の収益力に起因します。資本の規模は少なくとも直接的には将来の収益力を反映するものではありません。したがって資本の規模により繰延税金資産の計上限度を決めることはナンセンスとなります。行政上の規制を繰延税金資産を除いた数値で行うことに合理性があるのかどうかについて私は門外漢なのですが、少なくともそれは規制上の利用にとどめるべきであり、会計上の資産計上限度を定めるのは論理的に正しいとは思えません。まして今回のケースは規制上対象外となっているノンバンクですから。
まして、上記に書いたとおり繰延税金資産の資産性は将来の収益力に起因しますから、再建が成功すればするほど、繰延税金資産の資産性は高まるのであり、繰延税金資産の消去と再建完了を結びつけるのはまったくナンセンスに思えます。
この調査は、平成17 年3月期の証券取引法適用会社2,754 社を対象に、財務諸表に関する監査報告書及び連結財務諸表に関する監査報告書に「追記情報」として記載された、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況、正当な理由による会計方針の変更及び後発事象等について調査し、体系的に分類整理したものであります。各位の実務の参考に供すれば幸いです。
日本公認会計士協会のレポートです。追記情報ですので、会計方針の変更やら、継続企業の前提やら、後発事象やらの種類とそれぞれ何社あったかを記載しています。
そんな中、異彩を放っている会計方針の変更。
○28 特別利益 → 売上高(1件)
a.路線補助金収入 1 件
「特別利益」から「売上高」?
臨時の収入である特別利益と、主要な営業取引高である売上高は通常相容れないはず。
内容は路線補助金収入。補助金であれば、売上高というのは通常ありえない。
いったいなんでしょうか。
最近EDINETは便利なもので、検索機能が充実してきた。検索を工夫すればこれくらいはすぐわかる。というわけで、某社とわかる。
その某社の会計方針の変更の記載
路線補助金収入については、従来、特別利益に計上しておりましたが、当連結会計年度より売上高に含めて計上する方法に変更いたしました。
この変更は、従来、補助の対象を赤字事業者のみとしていた路線補助金制度が、平成13年4月から路線単位の収支で判断する制度へ変更されたことから、より経常的な性格を強めたこと、また、平成16年4月の札幌市からの路線移譲に係る助成金により、従来に比して路線補助金収入が大幅に増加し、その金額的重要性が高まったことから、損益区分をより適正に表示するため行ったものであります。この結果、従来と同一の方法によった場合と比較して、営業利益及び経常利益は1,135,319千円増加しておりますが、税金等調整前当期純利益に与える影響はありません。
某社といいつつ、地名が出てしまっているので会社名が限定されてしまいそうです。それはさておき、路線単位の収支云々は13年4月からの話であるので、今回の変更にはあまり関係ないような気がします。では金額的重要性が問題なのか。しかし、補助金がいくら大きくなってもやはり補助金ではないでしょうか。それは主要な営業の結果なのでしょうか?
おそらく、収益性の悪い路線を維持することでお金がもらえるのであるから、それは自治体に対する継続的な役務(路線の維持)の提供に対する収益であるから、売上高である、という理論構成なのでしょう。しかしながら、それを売上高に含めてしまって金額をわからなくしてしまうことで、事業自体の収益性がわからなくなります。やっぱり売上高ってのはなんか抵抗がありますね・・・
企業会計審議会内部統制部会の報告書の取りまとめについて
企業会計審議会内部統制部会(部会長 八田 進二 青山学院大学教授)は、本日に開催した内部統制部会において、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」を取りまとめました。
というわけで、日本版SOX法と呼ばれる監査基準案(まだ「案」らしい)が公表されました。どうせ公開草案とそう変わらないんだろうと思って読んでなかったのですが、TOSHIさんによると重要な変更点があるとのこと。じゃあ読んでみようかと思うと、新旧対応表がない。これはわかりにくい、ということで基準部分だけでも並べてみました(MS-WORDファイルです)。
単に並べただけで、推敲もほとんどしていませんし、そもそも並べるだけで力尽き、内容はやっぱり読めていません(汗)。バグ取りはこれからになりますので、当然のことながら正確性には責任が持てませんので念のため。
変更点の多くが言い回しの変更に過ぎないようですが、細かい変更の中にいろいろ隠れているような気がします。読めたらまたネタにしたいと思います。
最近邦画づいている。大停電の夜に、春の雪、そして本作。英語聴いたり字幕見たりするのが面倒だってのがないわけではないが、単純にど派手なおとぎ話や、美男美女のドンパチや、エセ芸者よりも見てみたいと思わせる作品が多いということでもある。「春の雪」には騙されたのだが、それもまた一興。ちなみに上で槍玉に挙げた洋画三作は単なるファーストインプレッションで貶しているだけで、作品自体の優劣について述べているわけではない。見ていないので当然か。
というわけで本作。公開から結構たつが、なかなかレイトショーではやってくれなかったので見に行く機会がなかった。最近はレイトショーのスクリーンすらど派手なおとぎ話に占領されてしまうのであり、やっとこの作品の出番が回っていたということか。
で、久々にほんわかさせていただきました。昨年の「いま、会いにゆきます」といい、年末にこういう映画を見ると、家族に「ありがとう、来年もよろしく」といいたくなる。
単純な私なので、いままであれば、「なんて暖かな時代だろう。そして、今失ってしまったものはあまりにも大きいのではないか」などと、ステロタイプの感想を述べて締めていたかもしれないが。しかしながら、たまたま絶妙のタイミングで、山口先生のエントリを見た直後であったため、単純に上のような感想が述べられないのがつらい。
とこの先いろいろ書こうかと思ったのだが、書きたいことがよくわからなくなってきたのでとりあえずここまで。
原作の漫画についてはあまり知らない。今度じっくり読んでみようと思う。そういえば最近漫画喫茶なんかでじっくり読むということがなくなってきたなぁ。ブログ書くようになってから、そんな「無駄」な時間の過ごし方はしなくなってしまったのか。よくない傾向である。
「どっかーん」は許そう。
「うつぼ」も最初からこんなキャラですから、それも許しましょう。
だから、総じてよかったと思いますよ。
でも、
あの「弁慶の立ち往生人形(リンク先の4を参照)」はないでしょう・・・
壇ノ浦で弁慶が持ち上げた石とか、知盛入水のときに抱えた碇とか、そういう小道具が興ざめさせるほどちゃちなのはどうしてなのでしょうか・・・
(見た人にしかわからないネタですみません)
週末は社内で熱海へ。社内旅行、というにはあまりに短距離、短時間なので、新幹線に乗って忘年会に行くという雰囲気。
ええ、どうせいまどき熱海ですが何か?、なんて感じですが、そもそも社内旅行なんてノリはここ10年したことがなく、出向で職場が変わって久しぶりの体験であったため、逆に新鮮なもの。
事実金曜の夜に降り立った熱海駅は意外と黒山の人だかり。いつだったかぶらっと降り立った熱海駅とはずいぶん雰囲気が異なる。かなり衰えたとはいえこういった忘年会需要はまだまだあるということなのか。
とはいえ、われわれのプランは、新幹線で飲み、夕食で飲み、ホテルの中のバーで飲み、部屋で飲む、というものであったため、夜の街の賑わいがどんなものかは分からないうちに力尽きるという結果に終わった。
そして、朝食後は自由解散。観光する元気もなく、あっさり帰宅。10時半には家に着いた。いったい何しに行ったんだか。
ともあれ、最近は飲み会の後記憶がないまま電車に乗り、自転車に乗るという事態が多発。帰宅中何かかにか間違い(謎)が起きるとことが続いていたため、安心して記憶をなくせる飲み会というものは、それはそれでなかなかいいものであった。
中央青山監査法人の公認会計士が逮捕され、大きな衝撃を与えたカネボウ粉飾決算事件。日本公認会計士協会は会計士のローテーション短縮など再発防止作に本腰を入れ始めた。公認会計士としてアーサー・アンダーセン(当時)東京事務所などに約七年間勤務した民主党の尾立源幸参議院議員(党企業会計ワーキングチーム事務局長)に事件への意見を聞いた。
「二〇〇四年四月施行の改正公認会計士法で七年ローテーションを導入したがそもそも最初から五年にしておくべきだった。監査法人に遠慮してリーダーシップをとれないまま、会計士協の対応が後手後手に回っていると思う。七年の起算点が二〇〇四年四月からというのもおかしい話だ」
仮にも立法府におられる方が、業界団体のせいにして法律がおかしいと吼えるのはいかがなものかと思って調べてみますと、改正公認会計士法というのは、民主党を除く全会派が賛成しているんですね。そして、委員会でも民主党はローテーション5年への修正案を出していたようです。そういう意味では当時の民主党の見識どおりに現実が動いていることになります。個人的には5年か7年かというのはそんなに大きな問題なのか?という疑問はありますが。
「すでに五年のローテーションを採用している米国では通常、監査報告書にサインする会計士は一人だけ。日本では連名でサインするケースがほとんどだ。これは数が多ければ多いほうが良いという日本独特の考えで、主任会計士という概念が根付いていなかった。そういう観点から、日本の監査が米国により近づいたと言える」
そうかなあ。米国では監査報告書サインする会計士は一人だけ、ってそれはそうでしょう。米国の監査報告書では事務書名しか書きません。(松下電器産業の監査報告書)日本のは確かに数名書くのが普通です(同じく松下電器産業。有報はリンクが張りにくいので商法のにしました)。事務所名書くだけだから、それは一人でしょうね。ただそれは、その一人の責任が重いからではなく、監査法人としてとしてサインして、監査法人が最終的に責任を取るからですよね。日本の場合は、業務執行社員制度が残っていますんで、関与した社員は全員署名する必要がある。いわば監査制度の違いの問題であって、主任会計士の概念とはまったく関係ないと思っているのですが。
「たとえ一日でも業務停止命令を受けたら中央青山にとっては”死刑宣告”。いったんはすべてのクライアントを失うことになる。ただ、市場が混乱するからといってルールを厳格にあてはめないのでは、市場の健全性を確保できない。金融庁は裁量行政を行うべきではない。」
うむ、おっしゃることはその通りなのかもしれませんが、その対策は?
「中央青山が受け皿法人を作れば業務に支障はない」
い、いいんですか、それで?
仕事をしていた。なぜか今日はみんな帰りが早い。気づいたら職場に一人になっていた(ってぜんぜん珍しいことではないが)。急に淋しくなった。竹内結子に会いたくなった。そして会いにゆきました。もう上映終了間近の「春の雪」レイトショー。
まさに、竹内結子の和装コスプレのオンパレード。そして期待通りの演技力を魅せて、私の心の隙間を埋めてくれました。それだけで、行った甲斐あり。
でも、本当にそれだけでした。
ヒロインが竹内結子でなければ途中退場していたかも・・・
いや、それだけというと語弊があり、
映像の美しさは見事なものです。
相変わらず義経が出てきそうな岩代太郎さんの音楽もまあよかった。
でも、ストーリーがあまりに冗長。
映画の中の言葉を使えばまさに「ハナタレ」の恋愛遊戯に150分もつきあわされて辟易というのが実感。
何でも原作は三島由紀夫の傑作小説らしい。
帰ってからレビューを見ると、むしろ原作を読んでいる方のほうが評価が高い。
ガクのある方々にとっては「これが映像化できたことは評価すべきだ」ということのよう。
でもガクのない人間にはそんなことはわからない。そんなに深い原作なのであれば、ガクのない人間にも、理解できないなりの深みを感じさせて欲しかったのであるが、そういうものがなかった。ガクがなさ過ぎて門前払いを食らっているのかもしれないが。
もっともガクのある人間にとっては、原作のヒロインは絶世の美女であるらしく、それが竹内結子であったことは不満であるらしい。私とて竹内結子が絶世の美女でないことは否定できない。うむ、やっぱりガクがなくてよかった。
しかし、自分自身が撮影中妊娠していながら、堕胎を余儀なくされる女性を演じるときときというのはいったいどういう心境なのだろうか。そんな例というのはなかなかなかったのではないか?
11月末は急遽北東北の某都市へ出張することに。しばらくはそのネタで。
宿泊は東横イン。全国的な知名度はどうなのか知りませんが、少なくとも首都圏で電車乗っている方への知名度は抜群。「サンキューゴメンネ」のキャッチフレーズで、新装開店キャンペーンを1泊3,950円で展開する、あの東横インである。いったいその3,950円というのはどういう宿なのか、一回泊まってみたいと思っていた。が、新装開店期間中のみの値段。只でさえ出張とはなかなか縁のない職場にいるのに、そんな都合よくキャンペーン期間に泊まれるわけはない。でも願い続ければ何とかなる、とばかりに広告を見るたびに願っていたら本当に叶ってしまった。思い続けることにより道は開けるというのは本当のようである。しかしながら欲を言わせてもらえば、もっと優先順位が高い願い事はいっぱいあったのだがそれはスルーですか?
機会ができたとはいえ、実際には連日満員の盛況のようで、たまたま前日でネット予約ができたのは結構奇跡的らしい。失礼ながら、そんなに宿泊需要がある都市とは思えないのですが。ってことは周りのホテルが大打撃?事実その東横インは老舗ビジネスホテル、サンルートのほぼ隣という挑戦的な立地にある。相手としてはこのキャンペーンが過ぎるまではひたすら防御の姿勢をとらざるを得ないのであろう。
建物は大変きれいで明るい。まあ新築なのだから当然だ。フロントは女性が切り盛りしている。そういえば、東横インの電車広告では各都市の女将がお待ちしております、とかいうキャッチフレーズがあったような気がする。1泊の間男性従業員の姿をほとんど見なかったような気がする。少なくともフロントは女性ばかりであった。これが方針か?さすがにそんなに客慣れはしていないようだったが、かといって不快な対応をしたわけではない。
新装開店祝いということで靴下のプレゼントがある。靴下・・・。まあ確かに出張の必需品ではある。
部屋に入り、鍵を差込み点灯。うむ、お世辞にも広いとは言えない。だからといって通常のビジネスホテルより狭いかというと、そんな狭いわけでもない。少なくとも机上作業すること、テレビを見ること、寝ることにまったく支障はない。ただし、効率を追求するあまり、通常ホテルに常備される衣装ロッカーがない。衣服の埃が気になる方は注意したほうが良いかもしれない。
そしてこのホテルの売りである全部屋のLANケーブル。いまどき珍しくはないのかもしれないが、少なくとも老舗に比べれば強烈なアドバンテージであろう。やりようによっては電話もできるわけだし。あ、使わなかったけど、ロビーには無料IP電話がある。3分程度で話を終えてください、という注書つきではあるが。
で夕方仕事に出て夜帰ってきたわけであるが、一番びっくりしたのは自動販売機。麒麟の淡麗が150円!ペットボトルのソフトドリンクが120円!長年の経験から、ホテルで飲み物を買ってはいけないという習慣が身についている私はコンビニで飲み物を仕入れてからホテル入りをしてしまい、自動販売機を見て呆然としてしまった。こういう価格設定ができるのか。なぜ他のホテルはやらない!
朝食はおにぎりと味噌汁とおしんことコーヒー。これらがとり放題。わびしいと思うかもしれないが、意外とおにぎりがおいしかったりする。機械の握り方には見えなかったので厨房のおばさんが一人で作ったのか。結局4個食べてしまった。そんな人は周りにはいなかった。
キャンペーンを過ぎると5000円台前半になるようだが、それでも十分にペイはするホテルである、というのが結論。もちろん、寝られればそれでいい人向けね。
インボイスが二十八日発表した二〇〇五年九月中間連結決算は純利益が前年同期比九十九%減り四百万円にとどまった。本業の通信料金一括請求事業は順調だったが、低利用の電話加入権を減損処理し、二億円の特損を計上したため。
電話加入権については、「総務省 電話加入権の税制改正要望を取り下げ~NTT施設設置負担金は当分現行維持する方針」という記事で取り上げられている通り、当分は廃止という状況にはなりそうにもありません。しかしながら、取得時72,000円であった単価が現在36.000円、実売価格は5,000円以下という現状ですので、税務上の扱いにかかわらず評価減を行う企業は結構あります。
ただ、インボイスの場合は「低利用の」電話加入権を「減損」した、ということです。これまでの「評価減」は全電話加入権を対象として一律評価減をしたところが多いかと思いますが、こちらはあくまで「減損」です。減損判定の手続きを踏んで計上したものと思われます。
当社グループにおける集合住宅向けの通信統合サービスを提供している寮、社宅などの減少により、遊休となった電話加入権について帳簿価額と正味実現売却価額まで減額し、当該減少額の215,393千円を減損損失として特別損失に計上いたしました。なお、グルーピングについては、セグメント単位にしております。
グルーピングはセグメント単位とのことです。同社のセグメントは
①企業向け通信統合サービス事業
②集合住宅向け通信統合サービス事業
③不動産関連事業
④その他の事業
このうち、集合住宅向け通信統合サービス事業に減損の兆候があったことになります。しかしながら、セグメント情報を見ますと、売上高は前年比微減、営業損益はむしろ向上し、半期だけで前年度の年間利益に近い水準となっています。長期的にはともかく、減損が必要なセグメントには見えません。
このことは、減損損失の計上が電話加入権のみ行われていることからも伺えます。セグメント全体に減損の兆候があるのであれば、セグメントに属する主要な資産もキャッシュが生み出せないのが普通。減損金額がもっと多額になるはずです。それがまったくないということであれば、まだまだ十分な利益を上げることができるのでしょう。
このグルーピングで電話加入権だけ取り出して減損することは可能なのでしょうか?使っていない電話加入権の減損、これだけ取り出せば健全な処理で文句のつけようがないのですが、ルールからは外れているようにも見えます。追記あり
(12月6日追記)
よく考えると、遊休資産は独立したグルーピングをする、という規定がありました(手元に減損の実務指針がないのですが、確かそのような規定があったはず)。これで遊休の土地などは減損をしなければなりません。電話加入権も同じように考えれば、遊休のものはそれだけグルーピングして減損するというのもありなのでしょう。ただまったく同じ権利を表象するもので、どこのセグメントに属するかで帳簿価額が違うってのが、感覚的にはしっくりきません。
プラスチック加工機械のプラコーは二十九日、二〇〇五年九月中間期の連結最終損益が七千九百万円の赤字(前年同期三千万円の黒字)になったと発表した。従来予想は二千七百万円の赤字だった。減損会計の適用に伴う再評価差額金取崩額約五千二百万円の扱いについて、監査法人の指摘により未処理損失へ繰り入れ変更した。
失礼ながらぜんぜん知らない企業でしたので、サイトを見て調べてみました。IR情報のサイトはこちらです。いまどき珍しいくらいシンプルなサイトであります。IR情報が事業報告書だけっつーのもいかがなものかと。ライブドアファイナンスによればこれだけ業績に関するプレスリリースが出ていますのに、サイトに何ものっけないのはなんだかなぁと思います。
それはそうと、土地の再評価差額金の扱いについて。「未処理損失に繰り入れ変更した」ため損益が悪化した、という下りがよくわかりませんでしたので、開示情報を見ると、
減損会計適用に伴う、再評価差額金取崩額取扱いについて、当該取崩額を、当期損益として処理する方針でおりましたが、企業会計基準適用指針第六号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」に従い、未処理損失に繰入れることにしたものであります。この為、当期純損失は51,965 千円増加しますが、純資産の予測額の変更はありません。
どうも再評価差額金の取崩額を利益として計上する予定だったのが、「監査法人の指摘により(日経記事)」未処理損失に繰り入れる、すなわち損益計算書を通さず、純資産を悪化させる会計処理に変更した、ということのようです。
かつてあった「土地の再評価に関する法律」により、一時期土地の簿価を時価で評価しなおし、差額を純資産に繰り入れる、という処理が可能だったことがありました。その際には
(借)土地
(貸)再評価差額金、繰延税金負債
という仕訳が行われました
プラコーのB/Sを見ますと、前年度末では再評価差額金が318百万円、繰延税金負債が216百万円計上されていますので、534百万円だけ土地の評価を引き上げたであろうことが推測できます。
固定資産の減損の会計基準によると、再評価後の帳簿価額に基づいて減損会計を適用することになっていますので、高い簿価を基にして減損の判定をしなければならない、すなわち再評価時より時価が大きく下落していれば減損損失を認識しなければなりません。
このときの再評価差額金の扱いについては「売却した場合と同様に、剰余金修正を通して未処分利益に繰り入れる」とされています(固定資産の減損に係る会計基準の適用指針第64項)。つまり、損益計算書を通さないことになります。
この会社の場合、土地評価差額金が52百万円、繰延税金負債が35百万円減少していますので、土地に評価が87百万円下がり、下記の仕訳があったことが推定できます。
(借)減損損失 87
評価差額金 52
繰延税金負債 35
(貸)土地 87
差額金取崩額 52(利益剰余金)
法人税等調整額35
会社側ではこの「差額金取崩額 52」の部分が「特別利益」にでもなるかと思ったのでしょうが、会計基準上は認められていないことになります。
すなわち、結果的に言えば評価を上げるときは損益計算書で利益を上げることができなかったなのに、評価を下げるときにはダイレクトに損益に効いてくることになります。評価差額金を計上するときは減損会計基準の導入など思いもよらぬ時期ですから、安易に土地再評価法に頼ったばっかりに減損損失が膨らんでしまったというケースは結構あるのかもしれません。今回はたまたま予想をミスったため明るみに出たわけで。
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