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ニチイ学館・寺田社長、監査報酬の返還請求へ――担当の中央青山に、決算訂正問題で。(5/28日経)

ニチイ学館・寺田社長、監査報酬の返還請求へ――担当の中央青山に、決算訂正問題で。(2005/05/28)

ニチイ学館の寺田明彦社長は二十七日、二〇〇四年九月中間期の連結業績を訂正した問題で、会計監査を担当する中央青山監査法人に対し、昨年度分の監査報酬の返還を求める方針を表明した。同日都内で開いた決算説明会で明らかにした。監査法人の交代は「考えていない」と否定した。

まあまあ社長さん。すごく気持ちはわかる。わかるけど、

ちょっと落ち着きましょうよ。

半期報告書を提出する前に、なにか書類にサインしませんでしたか?
ご本人に記憶が無くても、「経営者による確認書」を会計士に提出しなければ、普通会計士は監査報告書にサインしてくれませんので、何らかの形で社長さんのサインを求める手続がとられているはずです。

その「経営者確認書」には、「財務諸表等の作成責任は経営者にあることを承知しております」って書いていませんか?社長さんのサイン入りで。ですから、財務諸表が間違っていたら、それは社長さんの責任なんですよ。残念ですが。

それでも、昔だったら内々に返還に応じる、または「来期の監査報酬で勉強しまっせ」という監査法人もあったかもしれませんが、現在は監査報酬は商法計算書類や有価証券報告書でガラス張り。非を認めたことがバレバレになってしまいます。監査法人もおいそれとは返還に応じないでしょう。非を認めたら、今度は投資家の訴訟が待っているでしょうし。

公の場で拳を振り上げてしまった以上、監査法人側も売られた喧嘩を買うしかないでしょう。こんな状態で監査契約の継続などできるのでしょうか?

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金融庁、会計基準の同等性について物申す

CESR(欧州証券規制当局委員会)の「特定第3国会計基準と国際会計基準(IAS)との同等性に関する助言案」へのパブリック・コメント・レターの発出について

1.金融庁は、5月27日付けで、CESR(欧州証券規制当局委員会:EU加盟各国の証券規制当局で構成)が2005年4月27日に公表した「特定第3国会計基準と国際会計基準(IAS)との同等性に関する技術的助言案」に対して、パブリック・コメント・レターを発出しました。

4.今回の金融庁のパブリック・コメント・レターは、我が国会計基準のIASとの同等性が認められるための取組みの一環として、引き続き、国内の関係者と緊密な連携を図りつつ、我が国会計基準に求められている一定の補完措置の解消や縮小に向けて、CESRの助言案に対して意見を述べるため、発出したものです。

金融庁の原文はこちらになります。CESRの案が公表されてからの1か月で、(お役所が)これだけのコメントを纏め上げるのはなかなか大変であったと思います。そして、日本語版

24. 我々は、CESRが我々の見解を真剣に考慮してくれるとありがたく思う。

に代表されるような出来栄えであるため、最初から英文で作り上げて、あとでやっつけ仕事で日本語訳をしたようです。事実、このコメント内で、

It would not be easy for non-English countries like Japan to make comments on such technical and voluminous papers as the CESR Draft. We hope that CESR will pay due attention to this matter in the future.

などと、愚痴をこぼしています。

茶々入れはこれくらいにして、内容を見て見ます。

まず Ⅱ.Positive Comments on the CESR Draft において、日本基準の同等性を大筋で認めてもらったことを評価しています。その上で Ⅲ.Major Problems of the CESR Draft: Significant Differences and Remediesとして問題点を3点挙げています。

(1) Problem regarding the General Approach of the CESR Draft
(2) Problem regarding Remedies
(3) Problem regarding Assessment of Significant Differences

(1) をサマリーすると、

We cannot help but have the impression that the CESR assesses technical differences as significant differences not in view of the real world outcome of investor behavior (see paragraph 7) but in view of
accountants. 

・・・

The CESR should, fully in line with the Concept Paper, focus its assessment only on truly significant differences from the viewpoint of investors.

・・・

Residents in Japan issued foreign bonds of approximately 5.1 trillion yen in 2004, and almost 90 percent were issued in the EU capital markets.

The CESR should take a practical outcome-based approach by seriously considering what kinds of impact the CESR's rather theoretical assessment would have on the behavior of market participants, namely economic impacts.

「われわれは投資家を相手にしているのであって、会計士の言うことなど聞きたくない。 細かいこと言わんと、重要なところだけ見てればいいんだよ。あんまり理屈ばかりこねると、5.1兆円の9割を調達している日本が市場から出て行くけど、それでもいいんだな?」


(2)は

Supplementary statements in the form of pro-foma statements would result in forcing Japanese issuers to prepare two sets of financial statements and thus cause huge costs and burden for issuers.

There is a also concern with large costs and burden to be caused by additional quantitative disclosure requirement under the remedies of Disclosure C. In particular, additional disclosures of net of tax effect of the differences on the profit and loss or on the shareholders' equity under Disclosure C would cause no less burden than Supplementary statements

The CESR should strictly limit applications of additional quantitative disclosures and supplementary
statements, and in principle limit remedies to Disclosure A or Disclosure B.

「追加情報って簡単に言うけど、結局2つ財務諸表作るのとそんなに変わんないよ。またDisclosure Cだって、財務諸表作ってみないとインパクト分かんないし。そんなことやってられないっちゅーに。DisclosureAかBで勘弁してちょうだいよ。」

(3)
There are many items which are assessed as significant differences despite the fact that the differences are technical in substance and would not be significant for investor decisions. The detailed comments on each item are provided as attached.

「あんたらが重要だと騒ぎ立てている項目の中でも、実質的に大差ないものがいっぱいあるよ。添付した表を見てごらん」

とまあ、あえて意地悪く意訳するとこんな感じでしょうか。あまり分のある戦ではないような気がします。

とはいえ、日本はあえて自ら民間による企業会計基準委員会を立ち上げ、最善と思われる会計基準を制定しているわけですから、国際会計基準との違いがその会計基準の質を落としているのだと指摘されれば、堂々と反論する義務があります。今回即座に反論したことは当然の行為だと思いますが、その内容が「会計士の言うことは聞きたくない」「負担に耐えられない」などでは、弱いのではないかと思います。自らの会計基準の正当性を主張することがまず先決ではないでしょうか。 特に「but in view of accountants」のくだりは、経団連が言うことではあっても金融庁が言うことではないはずです。

(これも追記)

と、ここまで思ってから改めて調べると、企業会計基準委員会も同日にコメントを出しているようです。当然お互い連絡とりながらやっているはずですが、あえて相手のコメントについては言及していないようです。政治的な動きは金融庁、理論的反論は企業会計基準委員会という役割分担をしているようですね(こちらはまだ読んでいませんが)。

ちょっと長くなってしまったのでまた後日。

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会計監査 不正発見に重点 会計士協会、来年から

会計監査 不正発見に重点 会計士協会、来年から(5/31 日経夕刊)

日本公認会計士協会(藤沼亜起会長)は2006年度から、企業経営者による不正を見抜くことに重点を置いた会計監査の手法を導入する。カネボウの粉飾決算をはじめ、会計士が経営者の不正を見逃す事例が相次いでいることを問題視。経営者の置かれた状況から不正が疑われる場合には、抜き打ち検査なども行うようにする。国際基準に沿う形で監査の質を高め、財務諸表の信頼性を確保する。

 会計士協は現在、監査手続きの世界標準である国際監査基準(ISA)に国内ルールを合わせるよう、全面的な改定作業を進めている。06年度末までの完了を目指しており、不正発見に関する手続き導入もその一環。

 従来の監査は不正発見を義務づけておらず、企業の作成した財務諸表に誤りがないかを確認する点を重視していた。このためカネボウのように、経営者が意図的に虚偽の資料を提出すると、不正を見抜くのが難しいとの指摘もあった。


監査基準そのものについては、あまり詳しくはないのですが、記事を読むと、現在会計士は不正発見になんら手立てを設けていないように見えます。が、監査基準等を読む限り決してそんなことはないと思うのですが。これでいったい何が変わるのか、どなたかご教授いただければ幸いです。

以下、記事に対する現在の監査基準ですが、

新ルールは、企業や経営者を取り巻く環境が粉飾決算といった不正を生む、リスクになる、との考え方に立つ。企業や経営者の置かれた状況次第では、会計士に疑いの目をもって監査することを徹底させる。

「監査人は職業的専門家としての正当な注意を払い、懐疑心を持って監査を計画し、実施しなければならない。例えば、以下の事項や状況を識別し、評価する際に、懐疑心を高めることが重要である。
・ 不正又は誤謬に起因する財務諸表の重要な虚偽の表示の可能性を高める事項(例えば、経営者の個性、統制環境に対する経営者の影響、業界の動向、事業活動の特性、、財務の安定性)・・・」(監査基準委員会報告第10号 不正及び誤謬 第12項)

新規事業・製品の失敗、重要顧客の倒産、敵対的買収をめぐる争い、あるいは内部管理体制や企業統治の不備など、不正を生むかねない要因を具体的に把握。それらが発生した際の影響を分析し実際の監査で不正を見抜く手掛かりにする

前記監査基準委員会報告第10号(以下単に第10号とします)での付録1には「不正リスク要因の例」として、数多くの項目を挙げており、「監査人は、識別した不正リスク要因に対応するために、不正及び誤謬による財務諸表の重要な虚偽の表示を発見できるように、実証手続きに関する監査計画を策定し、実施する実証手続き、実施の時期及び範囲を決定しなければならない・・・」(同24項)と規定しています。

例えば、業績が改善している事業でも、市場全体では競争が激化し本来は収益環境が厳しい、と会計士が把握していれば、何らかの不正が行われている可能性を疑った監査が可能になる。

第10号付録1では、「業界の動向に関連する要因」が不正リスク要因の大項目の2番目に掲げられており、「激しい競争によりマージンが低下したり、市場が供給過剰になっている」という状態は、不正リスク要因であることを明確にしています。

また、子会社の内部管理体制が不十分とわかっていれば、子会社で不正が発生する恐れがあるとして、監査に時間をかけ、不正を発見しやすくなる。

内部統制の弱い部分に監査時間をかけるのは、監査の基本中の基本かと思うのですが・・・

仮に、監査における資料収集や内部告発などで何らかの疑惑が浮上した場合は、通常の監査手続きを中断。抜き打ちによる在庫の検査や、取引先も含めた調査をするなど、不正発見に努めさせる。

第10号付録2では、不正リスクがある場合の監査手続きとして「予告なしに事業所を往査するか、又は特定の監査手続きを実施する。例えば、前もって監査人が参加することが伝えられていない事業所の棚卸に立ち会い、あるいは抜き打ちで現金を実査する。」とあります。(確かに取引先の調査については微妙な問題がありそうですが・・・)

長々と書いてきましたが、結局この記事では、今の基準の何が問題なのかがよくわかりません。記事に載っている例は、今の基準でもできそうなことがほとんどのようです。できたことをやってこなかったのだとすれば、それは運用の問題かと思いますし、そうではなくルールの不備が問題なのであれば、もっと何が新しくなるのか、明確にしてほしいと思います。

まあ、素人の感想ですので、実際に監査されている監査法人の方々には自明のことなのかもしれませんが・・・

(追記)
とまあ、ここまで書いてUPしようと思っていたのですが、こんなん3月31日付で出ていてたんですね。
(そんな日に出されてもフォローできません・・・)

監査基準委員会報告書第27号「監査計画」、同第28号「監査リスク」、同第29号「企業とその環境の理解及び重要な虚偽表示リスクの評価」、同第30号「評価したリスクに対応する監査人の手続」、同第31号「監査証拠」及び同第5号「監査リスクと監査上の重要性」(一部改正)について

無知をさらけ出すようで、UPしていませんでしたが、すぐフォローできる余裕もありませんので、やはりこのままUPさせていただきます。記事では何が新しくなったのかよく分からない、ということには変わりませんから。

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貴ノ花関

小学校高学年くらいでしょうか。東北北奥の田舎町に住んでいた私の家の近所には神社があり、その神社にはなぜか大きな土俵がありました。年に1、2回くらいは使用しているのを見たことがあるのですが、大半は空いており、子供たちの絶好の遊び場となっていました。

折しも、現相撲協会理事長の横綱北の湖の全盛期。ところが北の湖は「江川、ピーマン、北の湖」と並び称されるほどの不人気横綱。今見ればどことなく愛嬌のある顔も、当時は無敵の強さもあいまって、ふてぶてしく見えたのでしょう。

そんな、北の湖全盛時代に、痩身ながら果敢に向かっていったのが当時の大関貴ノ花でした。決して磐石の強さではなかったですが、いや逆に、ハラハラしどうしの相撲だったからこそ、端正な顔立ち、恵まれない体格とあいまって、判官贔屓の対象となり、大人気でした。

当時の子供たちの人気が、貴ノ花に集中したのも致し方ないことでしょう。私もそのクチで、場所が始まると、貴ノ花の勝敗の結果をまず調べて一喜一憂する(結構一憂が多かった・・・)。遊び場の土俵でも、土俵際で逆転の技をかけようとする。貴ノ花の横綱昇進を夢見て、自分で雲竜型の土俵入りを真似てみたり。。。。

結局、横綱昇進の夢は夢で終わってしまいましたが、その夢が息子二人によって実現されたのは、周知の通りです。しかし、私としてはそれよりも、貴ノ浪、貴闘力、安芸ノ島といったゼニの取れる力士を育てた功績を評価したいです。若貴ブームの中、彼らも後半戦の土俵を沸かせました。そして、彼らが土俵を去るにつれて、わたしもテレビ桟敷席から徐々に離れていくことになってしまいました。

晩年(という歳でもないですが)は息子兄弟、そして元おかみさんとの人間関係でかなり心を磨り減らしたようです。それが今回の病気の遠因だとすれば、あまりに悲しいことです。

またひとつ、私の昭和が終わりました。

合掌。

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