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経営情報開示義務 「将来リスク」追加へ EU検討

経営情報開示義務、将来リスクも対象・EUが検討

:欧州連合(EU)は欧州市場に上場する日本など域外企業に対し、2007年から追加的な企業情報の開示を義務付ける検討に入った。EUは企業の情報開示ルールの統一を進めており、域外企業にもそれにあわせた開示を求める。日本企業の場合、将来発生する経営リスクの開示義務が新たに加わりそうで、金融庁は欧州での日本企業の起債コストが増えるとして見直しを要請している。

(以下webにはなし。)
:検討案のなかで、日本企業に追加開示の対象になりそうなのが「将来発生事項」の開示。例えば子会社の経営破綻のリスクなど、経営陣が先行きの経営に重要な影響を与えると考える事項を文章で明示させる。EUが本決算と中間決算毎に経営報告書に記載を義務付ける方針なのに対し、日本では現在任意となっている

え、「任意」なんでしたっけ?
昨年度から有価証券報告書の開示項目として「リスク情報」(手許に資料なく正確な用語は失念)が加わったかと思うのですが、それとはちがうんですか?

まあ、確かに英語での開示は義務付けられていはいませんが。。。

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会計制度監視機構?

会計制度監視機構 監査の質向上へ提言(6/7 日経金融)

元日本公認会計士協会副会長の森重栄氏など財務や会計問題の専門家で構成する民間団体「会計制度監視機構」は6日、監査の品質向上のための環境整備を求める提言をまとめた。粉飾決算など企業の不祥事が頻発する中、監査法人への期待は高まっている。独立した立場から品質管理体制の強化や監査報酬の引き上げを提言した。

「提言」の詳細な中身はよくわかりませんが、まあ通常言われていることのようです。
それはそうと「会計制度監視機構」、ってあなた誰です?

ぐぐってみたところ、当記事関係以外で最初にヒットしたのがここですが、会合がKFiで行われるというくらいの情報しかありません。

ん?KFi?ひょっとして、

さらに辿ると、こんなところや、こんなところこんなところまで踏んでしまいました。

どうやら某人気ブロガーが音頭をとって立ち上げ(対談中でそのようなことを言っている)、委員長代理を務めている(現任かどうかは確認取れていませんが)団体のようですね。こちらでは本人とTAC社長との対談中で、日本の会計のステータスが低く発言力が弱いので、アピールする場を設けたのだ、という趣旨のことが述べられています。

アピールする場なのであれば、ぜひ提言の全文をweb上で公開していただきたいですね。機構独自のサイトがないのであれば、ぜひゴーログ上でお願いいたします。あそこはトラックバックするのに手続がいろいろ面倒そうなので、ここでひっそり訴えたいと思います。(すでにどこかで公開されていたら申し訳ありません。)


 

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開示資料よどこへ行く?(2)

改めて、

企業統治 チェック厳しく 金融庁3年後にも新ルール(6/2 日経)

不正対策は十分か。経営統合の決断で適正な手順を踏んだか、経費をきちんと管理しているか--- ガバナンス(企業統治)へのチェックを強めるため、金融庁がルール作りを進めている。西武鉄道やカネボウの不祥事を受けた動きで、財務に影響を及ぼす経営上の課題について監査法人が幅広く点検する仕組みを導入する。最短で三年後には上場企業に新ルールが適用される見通しだ。

まず、「経営上の課題」を「監査法人が幅広く点検」するという記載がすごい。あたかも監査法人がマッキンゼーややボストンコンサルティングにとってかわるような表現。これは完全にAuditを超えてConsultingの世界ですので、独立性の要件が損なわれてしまいます。

この記事は、おそらく内部統制監査について記載したものと思われます。内部統制監査は「企業が財務諸表を作成する手続きが適正に行われているか」をチェックするものです。経営課題をチェックしたり、コーポレートガバナンスの適正性を検討したりすることも確かに内部統制の一分野ではあるかもしれませんが、今回導入しようとしているのは(そして米国のSOX法で規定しているのは)あくまで、財務諸表を作成する手続きに関してのチェックです。内部統制監査の基準については、現在企業会計審議会で審議中ですが、審議で使用している素案が公表されています。それによると、経営者は「財務報告に係る内部統制の有効性を自ら評価」し、監査人は「経営者が行った財務報告に係る内部統制の有効性の評価結果が適正であるかどうかについて・・・意見を表明することにある」とのことです。まず、経営者が財務諸表を作成する上での手続きがしっかりしているかを評価し、その評価に対して監査人が意見を述べるという形式をとることになります。

あくまで監査人の職務は「企業が出してきたもの(通常は財務諸表、この場合は内部統制報告書?)」について、意見を述べることにあるわけで、経営上の課題にあれこれ口を出すかのような表現は誤解のもとです。監査人はそのような訓練・教育を受けていませんし、世間もそこまでは求めていないかと思います。

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紺屋の白袴

紺屋の白袴
〔紺屋が自分の袴は染めないで、白袴をはいている意で〕専門としていることについて、それが自分の身に及ぶ場合には、かえって顧みないものであるというたとえ。髪結い髪結わず。医者の不養生。

・・・この諺以上のコメントが浮かびません。

SEC内部統制ぜい弱(6/7 日経金融)

米会計監査院(GAO)は、米証券取引委員会(SEC)に対して初めて実施した会計監査で、SECの内部統制システムに「ぜい弱な点がある」という報告をまとめた。監査対象は2004年度で、会計処理自体には問題ないという。

GAOはSECが会計書類の作成手順を定めた基準を文書化していないことを重視。財務諸表の作成過程で不正を防ぐための内部統制システムが十分整備できていないと指摘した。

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開示資料よどこへ行く?

上場企業、クレーム件数など経営の舞台裏開示を――経産省が導入促す(6/5 日経)

経済産業省は上場企業に対し、経営実態や成長戦略を細かく開示する「知的資産・経営報告書」の作成を促す。客単価の推移や受けつけたクレームの数など有価証券報告書ではわからない経営関連指標の公開も求め、投資家が企業の将来性を判断する目安にする。開示基準案を10日にも公表し、まずは企業による自発的な導入を目指す。

開示基準案は産業構造審議会(経産相の諮問機関)の委員会が決める。環境報告書や知的財産報告書と同様に法的な義務ではないが、積極的に開示すれば投資家からの信頼が高まる利点を説明して企業に導入を呼びかける。東京証券取引所も前向きに評価しており、開示ルールに将来盛り込むことを視野に入れている。

企業統治 チェック厳しく 金融庁3年後にも新ルール(6/2 日経)

不正対策は十分か。経営統合の決断で適正な手順を踏んだか、経費をきちんと管理しているか--- ガバナンス(企業統治)へのチェックを強めるため、金融庁がルール作りを進めている。西武鉄道やカネボウの不祥事を受けた動きで、財務に影響を及ぼす経営上の課題について監査法人が幅広く点検する仕組みを導入する。最短で三年後には上場企業に新ルールが適用される見通しだ。


「経営上の課題について監査法人が」チェックしたり、「経営の舞台裏」を開示したり、日経だけ読んでいると、いったい有価証券報告書(有報)含めた開示資料は、いったいどこに行ってしまうのか、わけがわからなくなってしまいます。注意深く読まないとミスリーディングになってしまいますね。


まず、「舞台裏」の開示についてです。開示されないからこその「舞台裏」であって、開示されてしまってはそれはすでに「舞台裏」ではないのではないか、という屁理屈のひとつも言いたくなります。知的資産情報については開示不足ではないか、との指摘は確かによく耳に入ってきますが、その「知的資産」の内容が、客単価とかクレーム件数となると、「知的資産」の範疇からは大きくはみ出ているような気がするのですが(それとも私が「知的資産」を狭く解釈しすぎ?)。どちらにせよ「知的資産」→「舞台裏」という感覚がよく分かりません。

それでも、投資家が望む情報がなかなか入手しづらいという事実があるのであれば、METIが音頭とってひな形作るのもいいかもしれません。ただ47thさんのところにあるように「企業の経営に関する情報の開示は、企業側にしてみれば知らせたい情報を市場等(のステークホールダー)に伝えることによって、その将来的な価値創造の可能性についてより高い評価を得ることにあり、」と言われると、そうかな?と思うわけで。なぜなら、企業というものは自分が伝えたい情報はあの手この手を使って開示するのがいわば本能だと思うからです。

私の分野で行けば、一時期pro-forma損益というのが流行りました。リストラ費用を除いたEPSとか、いろいろ前提条件をつけた数値ですね。

日本では通常投資判断に使用される指標に経常利益というものがありますが、これは最終利益から特別利益、特別損失を控除したものです。一時のリストラ損失などは通常特別損失に分類されるため、経常利益という指標に含まれないことになります。

一方、米国基準ではそもそも特別損益という概念がありません。いや、正確に言うと異常損益(extraordinary loss/profit)という概念がありますが、この範囲は非常に限定されており、通常使用されません。例えば、こちらで見られるとおり、2001年の同時多発テロ関係の損失すらextraordinaryと認められないとの結論が出ていますので、じゃあ何がいったいextraordinaryかというと該当するものなどほとんどないということになります。

これでは、当然一時のリストラ費用などextraordinaryとなるわけはなく、通常の損益に含めて表示しなければなりません。それでは投資家に一時的損益悪化の誤解を与えるということで、pro-forma損益、つまり一定の仮定のもとに置いた数値の開示を行ったわけです。もちろん、通常の会計基準に従った損益は開示するのですが、それをことさら目立たないように、そしてプレスリリース等では主にpro-forma損益についてのみ触れるという実務が行われていたようです。

エンロン破綻→SOX法制定という流れの中、この問題も槍玉に上がり、2003年1月のSECのルールにより、GAAPに従わない数値を開示する場合は必ずreconciliationを付すように定められました。

このルール対応で個人的にいろいろ大変だったため(謎)、例示が長くなってしまいましたが、要は企業が開示したい情報については別にMETIの助けを借りんでも企業は何とかして開示しようとするものだ、というのが言いたかったわけで、自分の伝えたい情報が投資家に伝わらないと嘆いている企業があれば、それは単にPRIRの巧拙の問題に過ぎないのではないでしょうか?そして伝えたい情報の偏りを修正するのが規制当局の役割ではないでしょうか?というのが私の疑問なわけです。

長くなってしまったので、もう一つのネタについては別途。

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