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実務対応報告公開草案第20号「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い(案)」の公表

実務対応報告公開草案第20号
「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い(案)」の公表

ソフトウェア取引を事業の中心とした情報サービス産業においては、無形の資産であるソフトウェアの内容及び状況の確認の困難さや、その開発を巡る技術環境の高度化及び多様化を背景として、近時、いくつかの不適切な会計処理が指摘されています。この問題の解決には、一層深度のある会計監査の実施だけでなく、収益の認識及び測定に関する会計処理基準の明確化も必要ではないかという意見があります。 企業会計基準委員会(以下「当委員会」という。)では、情報サービス産業におけるこのような問題に対処するため、情報サービス産業における中心的な取引であるソフトウェア取引の収益の会計処理について、その実務上の取扱いを検討し、今般、平成18年1月24日の第97回企業会計基準委員会において、標記の実務対応報告の公開草案(以下「本公開草案」という。)の公表を承認しました。

ライブドア問題にかまけているうちに、いろいろフォローしなければならないものが増えてきました。本業に戻りたいと思います。

1/27に企業会計基準委員会(ASBJ)は3本基準案を公開しています。その中でこの公開草案は一番実務に影響を及ぼしそうなものです。読んでみるときわめて当たり前のことが書いているように感じるのですが、いちいちこれが公開草案になっているということは、この当たり前のことが実務の常識には必ずしもなっていない、ということを示しているものかと思います。

で、私は実務に近すぎて、逆に具体論に立ち入ることができませんので、一般論でお茶を濁したいと思います。(以下いつもどおり、基準の文言には忠実ではなく、かなり意訳をしています)

この草案では、以下のケースについて収益を認識する、つまり売上を上げることについてはちゃんと検討しろ、ということを言っています。

・取引の実在性に疑義があるケース
契約書がドラフト段階でとまっていたり、何で入っているか良く分からない協力会社が一枚かんでいたり、取引自体が正規なものなのかどうか疑わしいケース。

・成果物の提供に疑義があるケース
検収書をもらっていなかったり、もらってる割にはいつまでも金もらえなかったり、検収書すなわち相手のOKをもらっている割にはまだずっと作業していたり、こんなのはソフトウェアの完成とはいえないんじゃないの?というケース

・対価の成立に疑義があるケース
売り上げが上がっているのに、値引きが見込まれていたり、また値引きが常習犯であるケース。

・分割検収について
ソフトウェアの売上にあたって、何度かに分けて検収書をもらい売上計上するケースでは、それぞれの検収時に成果物の提供が終了していることが必要。機能的に出来上がっていないのに、作業したから金もらった、という場合はそれは売上としては扱わない、ということ。

また複合取引についても注意すること。ソフトに保守サービスがついている場合、対価が明確に区分できる場合は、売上計上も区分すべき、ということ。ソフトは提供時、保守サービスは保守期間に応じて売上を計上していきなさい、ということのようです。(もっとも、他方が付随的なものであれば一括で計上してもいいとあります。どこまでが付随的なものなのか、議論になりそう)

最後は収益の純額表示。ハードウェアをメーカー等から仕入れて、それにソフトウェアを上乗せして販売する場合、その上乗せ部分の割合が小さい場合、それは単に企業を通過していくものとみなされ、売上と売上原価は相殺しなければならない、ということらしい。

うーん、言いたいことはいろいろあるが言えない。書かなきゃよかった(笑)

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Comments

この前、出資会社であった事例なのですが、開発期間がズルズルとなっている間に、事情が変わって不要となった、というかもっとおおげさなものが必要になって、開発中のものをおしまいにして、手切れ金を払って、他の会社に発注しなおすことになったのですが、存在しないソフトに払った金額(手切れ金)は、どう処理するのかなあ?とか発注先が同じ会社なら、まああわせていくらということでしょうけどね・・

Posted by: おおた葉一郎 | 2006.02.02 at 03:37 PM

おおたさん:

単なる手切れ金だったら、違約金でしょうね。

「おおげさなもの」との連続性があるようでしたら、あわせていくらでソフト価格になるのでしょう。

まあ、税務調査官が飛びつくネタにはなりそうですが

Posted by: KOH | 2006.02.03 at 02:00 AM

昨日、関連エントリーを立てたんですが、さきにKOHさんの読んでおけばよかった、と後悔しております・・・・
いつもながら勉強させていただいております。(感謝)

Posted by: toshi | 2006.04.07 at 10:49 AM

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