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決算操作を行うための部(2)

昨日の続きをば

こうして2週間かけて数値はほぼ固まります。ではこの場面で決算数値の発表ができるのか。まだできません。今後は以下の作業が出てきます。

・会計監査

もちろん固まってから「では始めましょう」などという上場会社はいまどきないでしょう。期中から会計監査は行われていますし、決算作業中も入り込んで並行して作業しているわけです。しかしながら、会社の作業が終わっても会計監査が終わるとは限りません。会社の判断としての数値が固まったとしても、それがひっくり返される余地はまだ残っているわけで、そんな状態で数値を公表すると赤っ恥をかきかねないことになります。

それでも最初に開示する決算短信は監査対象ではありませんので、恥はかくけどもそれで終わり、というのが従来の感覚でありました。ところが最近では社長がTシャツを着ているような会社が決算短信をしくじると証取法上の「風説の流布」にあたるという新解釈がまかり通りようになってきたため、このあたりはかなり慎重に対処しなければならないということになります。

・財務諸表以外の開示

貸借対照表と損益計算書があれば何とか格好がついたのも昔の話。キャッシュフロー計算書をはじめ、ほかにもさまざまな注記事項が決算短信提出時に東証から要求されます。本当にこんな時期に開示する必要があるの、とか思う情報もありました。みな思うことは同じであったようで、これに関しては東証の開示は速度を重視し開示内容を簡素化する方向にゆり戻しが起きていますので、これは個人的にいい傾向だと思っています。

・CFO(IR担当)のおべんきょ時間

これは会社ごと、および同じ会社でもCFOが変わると、かなり変わるところかと思います。のんびりした時代ではそこの会社も想定問答集を一言一句丁寧に作って担当役員に提出していたかと思います。今もそういうところはあるでしょうし、そんなもの作っても無視して自分の言葉で語ってしまう役員もいるでしょう。ここをどう準備できるかによって必要時間は変わってきます。後者の方のほうが準備時間は短く済むでしょうが、多少時間がかかっても振り付けどおり動いてくれる方のほうが事務方としては楽でしょう。また大方の会社では財務諸表を作る人と、語る人は別ですので、語る人、すなわちIR担当はこの時点から勉強し始めることになります。

まあ、こんなことをつらつらやっておりまして、気づいたらもう4週間弱過ぎた頃になります。ここでようやく数値が公表できるわけです。たしかに決算発表が1ヶ月以上先、というのであればまだまだ改善の余地はありそうですが、一定の会社規模で20日をきるのは正直まだまだしんどそうな気がします。

性懲りもなく続きます。

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