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会計基準のコンバージェンスに向けた共同プロジェクトの第三回会合開催

会計基準のコンバージェンスに向けた共同プロジェクトの第三回会合開催


3 月1 日及び2 日、企業会計基準委員会(ASBJ)と国際会計基準審議会(IASB)は、会計基準のコンバージェンスに向けた共同プロジェクトの第三回会合を東京で開催しました。この会合には、ASBJ から斎藤委員長をはじめとした4 名の委員及びスタッフ、IASB からTweedie 議長をはじめとした4 名のボードメンバー及びスタッフが参加しました。

二つ前のエントリで、感情的な文章を書き散らしましたが、両基準の際を解消していく方向については私も異論があるわけではありません。日本側もそういう意識でおり、IASBと日本基準のコンバージェンスを目指して昨年から共同プロジェクト開かれており、その第3回会合がこのほど日本にて行われて、IASB議長が来日したというわけです。

その中で、いままでの検討テーマに加えて、次の3項目が俎上に上がることになりそうです。

・資産除去債務
・工事契約
・金融用品の公正価値開示

資産除去債務ですが、CESRの報告書では以下の通り。

Estimated costs for asset retirement obligations, such as dismantling and removing costs and site restoration costs, are not commonly capitalized at initial measurement under Japanese GAAP. Recognition of restoration costs (under the definition of IAS 37 for the recognition of provisions) is required under IFRS, whereas recognition is limited to certain industries only, under Japanese GAAP. Under these limited circumstances, thetreatment would normally be different from that of IFRS, as underJapanese GAAP, recognition of such provision is required to be built up towards the realisation of the eventual obligation.

固定資産を使用後に処分する際に費用が発生する場合、その費用は固定資産の取得価額に含めて、耐用年数にわたって償却していくというのがIASの会計処理です。日本で似たようなものには特別修繕引当金があるのですが、適用されるのは特定の場合に限られており、その扱いも異なったものであるということです。


続いて工事契約について、CESRの報告書では、

Contract revenue and costs associated with the short-term contracts are recognised when constructions are to be completed (“completed contract method”). Under the long-term contracts, both percentage of completion method and completed construction method are permitted. Many companies adopting the percentage of completion method do not apply it to all contracts but under certain conditions only, partially influenced by taxation rules.

日本基準では、長期工事契約については、工事進行基準と工事完成基準の双方が認められています。工事進行基準が適用されている場合もすべてに適用されているわけではなく、日本の税法に引きずられた扱いになっているとのことです。

ここには記載されていませんが、国際会計基準では工事進行基準のみが採用されており、日本基準との大きな差異になっています。

最後に金融商品の公正価値開示についてです。

Under Japanese GAAP, fair value of derivatives and investments in securities shall be disclosed in comparison with their carrying amounts. In addition, fair value disclosure of derivative instruments which are used for hedging purposes is
not required. Under IFRS the disclosure requirement covers all financial instruments, not limited to derivatives and investments in securities. Since interest rate has been both low and stable in recent years for the Yen currency, there is
not a significant difference for financial instruments (debt or loan). However Japanese entities that have significant financial debts or loans expressed in other currencies may need to be analysed in more depth. Also future changes in interest rate for the YEN might become significant. For these facts under these circumstances the difference is considered to be significant, and additional disclosure on fair values of all financial assets and liabilities is required

日本基準では、デリバティブと有価証券については簿価との比較の形で公正価値情報が示されていますが、ヘッジ会計の適用を受けているデリバティブ商品については公正価値情報の開示が求められていません。一方IASではこれらに限らず、すべての金融商品にかかる公正価値情報が求められます。現状の低金利下では大きな影響はないものの、外貨建の負債に関しては影響がある可能性があり、金利が動いてくれば重要な差異になってくる可能性があるということです。

一般的にはメジャーな論点ではなさそうですが、資産除去債務については、巨大設備産業には大きな影響がありそうですし、工事契約については建設業に影響を与えそうです。公正価値開示については、売掛金なども金融商品の範囲ですので、すべての企業に影響を与えるでしょうが、とくに金融機関にとっては開示項目が増えるのでしょう(よく知りませんが)

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