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2006.05.09

ニッシン(8571)の日米財務諸表

ニッシン決算短信をつらつら眺めてみました。

この企業、中小企業向けのファイナンスをメイン業務とする金融機関ですが、NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場していることから、米国会計基準による決算短信も作成しており、日本基準によるものと同時に公開しております。一般の企業は米国会計基準による開示のみでOKであるはずですが、三菱東京FGなども日本基準での開示をしているところをみると、金融機関は日本基準での開示が求められているということなのでしょう。

日本基準と米国基準の差はいまや限りなく小さい、ということになっていますが、ニッシンの財務諸表を見る限りではまだまだ差はかなりあるようです(どちらが良いとか、進んでいるとかそういうことは別として)。両方作成しなければならないスタッフの方々の苦労は並大抵ではないかと思います。

もともと金融機関の財務諸表については門外漢ですので、あまり詳細なコメントをすることができないのですが、一番差が大きいのはキャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュフロー」。日本基準が▲899億円と大きく出超であるのに対し、米国基準では243億円と入超になっています。日米間では(表示方法の差はあっても)キャッシュフローに関してはそんなに大きな基準の差はないと思っていましたので、ちょっとこの差にはびっくりしました。

大きな原因は、営業貸付金の扱いにあるようです。日本基準のキャッシュフロー計算書では、営業貸付金の増減について、支出と収入をグロス表示した上で、営業活動によるキャッシュフローに含めて表示しています。一方米国基準では支出と収入をネット表示した上で、投資活動によるキャッシュフローに含めて表示しています。この金額が▲800億円強あり、大きくはこの部分がいたずらをしているようです。

事業規模が拡大すると、貸付金が増加するため、貸付金関係の収支は出超となるわけですが、この支出の性質をどう見るか。確かに一義的には営業活動であることは間違いないのでしょうが、一般企業で言えば利息収入を得るための設備投資ではないか、という議論もできるわけで、そう考えれば投資活動によるキャッシュフローという考え方もできそうです。少なくとも財務諸表の見栄えは投資活動としたほうがすっきりしています。

日本のキャッシュフローの基準を作成したときは、米国基準を限りなく参考にしたはずですが、なぜこんなに大きな差が出ているのか、ちょっと興味深いところではあります。

感想レベルにとどまっていますが・・・

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