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中央青山の一部業務停止

中央青山の一部業務停止、法定監査を軸に調整・金融庁

中央青山監査法人に対する一部業務停止命令の発動を検討している金融庁は、対象を「法定監査先」企業への監査業務とする方向で最終調整している。法定監査先は上場企業や資本金5億円以上の企業などで、中央青山の場合は今年1月末時点で約2821社・法人に上る。金融庁はカネボウの粉飾決算に絡み、中央青山に上場企業などに対する監査業務を7月から2カ月間停止する方針。


朝出社したら、メルマガのトップ記事も、日経のサイトも、周りの人が持っている日経の一面もすべてこの関係記事でした。一面の記事が違う・・・(うちの宅配は13版)。腐っても横浜市民。そんな田舎に住んでいるわけではないと思っているのですが・・・

ちなみに、うちに宅配されている日経の一面は「外国人投資家、内需企業の株保有拡大」という非常にのどかなものでありました。

そんなわけですっかり出遅れてしまい、既に多くの示唆に富むエントリが、あちらこちらそちらに出てきております。

私はしがない一クライアント(件の監査法人ではない)の実務担当であり、難しい話は皆さんに上の皆さんにお任せして、実務家としての感想を述べさせていただければ、巷間言われている2ヶ月の業務停止というのがいったいどういう状態になるのか、どうもぴんときません。

つまり、この業務停止ってのは、いったい何をやってはいけないのか、よく分かりません。

よほど小さいクライアントならともかく、いまどき3月過ぎてからのこのこやって来て監査が始まるなんてところはないわけで、上期の閑散期と言えども通常であれば多少は監査人はやってきて作業をするわけです。

こんな状態で、たとえばすべての監査業務につき行ってはならない、というのであれば、クライアントはどうすればいいのか。監査契約を継続すると仮定した場合、2ヶ月の空白期間が生じるわけです。だからといって、当然監査手続が減るわけでもなく、したがって監査報酬が減るわけでもありません。いや、件の監査法人は事件を受けて監査手続の更なる厳格化を目指しているわけですから、監査に要する時間は以前よりさらに増えると想像されます。その状態での2ヶ月の空白は、結局下期にそのしわ寄せが行き、10月になってゴルフ焼けして休養十分の会計士さんと「さあ、仕切り直ししてこれから始めましょう」なんていう皮肉な結果を招きかねないような気がします。クライアントにとっては結構負担増となるわけです。

じゃあ、監査法人を乗り換えればいいのか?ことはそう単純ではありません。監査基準委員会報告書第33号「監査人の交代」の公表についてという指針が公表されています(web上では読めません)。ここには引継ぎに関する手続が記載されているはずです(私も読んでいませんので想像です)。つまり、後任の監査法人が監査を受託するには前任者からの引継ぎ手続が必要なのですが、これも監査業務の一環でしょうから、件の監査法人はそれも2ヶ月間できないことになります。はれて業務停止期間が明けて10月になってから、新しい監査法人と1からやりましょう、というのではクライアントにとって前者の選択肢をはるかに上回る負担となります。

つまり、クライアントにとっては契約を継続するも破棄するも負担増で、踏んだり蹴ったり。クライアントにとって迷惑この上ない結果を招きかねません。


あと、3月決算にばかり目を向けているようですが、7月業務停止となった場合、四半期決算の問題があります。マザーズでは四半期決算においても監査人の意見表明が義務付けられています。これが件の監査法人では行えないとすると、大混乱になるでしょう。これをいまさら他の監査法人が行うことは、難しいのではないでしょうか。

また当然数としては僅少でしょうが、4-6月決算の上場企業も存在するわけですから、これらの企業についてはもう決算ができるかどうか、というような状態となってしまうわけです。こちらも大混乱でしょうね

というわけで報道されている通りの"「法定監査先」企業への監査業務"が全面停止されるのであれば弊害はかなり大きいと考えられます。10日にも公表されるという処分内容はもう少し限定されたものになると私は見ていますが、どんなものでしょうか。

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