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中央青山監査法人の一部業務停止(3)

2.では何をしてはいけないの?

「一部監査業務の停止」の内容ですが、金融庁によりますと別紙1の通りです。

証券取引法に基づく監査業務(企業内容等の開示に関する内閣府令の規定が適用される有価証券報告書等に記載される財務諸表についての監査業務に限る)並びに会社法に基づく監査業務(旧商法特例法に基づく監査業務を含む)及びこれに準ずるものとして以下に掲げる法律に基づく監査業務の7月1日より8月31日までの停止

では、監査業務の停止とは言いますが、具体的に何をしてはいけないのか。

監査業務と一言に言っても範囲はかなり広いです。そもそも、監査法人のメイン業務は法定監査なわけで、極端な話出社すること自体が、既に監査業務といえるかもしれません。まあそれは屁理屈としても、例えば停止期間中に監査調書の整理をしてもいいのか、書類整理くらいよさそうなもですが、整理中になにか疑念事項が出てきてクライアントに問い合わせることはできるのか、といったあたりはかなり微妙なことになってきそうですね。

さしあたって気になるのは、前にも書きましたが、マザーズ上場企業については第1四半期の業績開示に当たって、監査法人の意見表明が東証の規則上求められています。これ自体は東証の規則であるので、法定監査の範囲外であり、意見表明自体は可能であるかと思います。しかしながら、意見表明に当たって必要な作業は法定監査に直接つながるものであり、それを明確に区分することは不可能と思われます。となると、マザーズ上場企業に関しては7月の監査業務停止、ということはあまり意味を持たないことになってしまいます。またマザーズに上場している企業に限り7月作業ができる、というのも何かおかしな解釈となるような気がします。このあたり実務はどうなるんでしょうかね。

一方、金融庁は、下記の業務については監査業務停止を免除しています。

・4月決算会社のうち、7月末日までに証券取引法に基づき有価証券報告書を提出しなければならない会社 7月
・5月決算会社のうち、8月末日までに証券取引法に基づく有価証券報告書を提出
しなければならない会社 全期間
・上記以外の5月決算会社 7月
・6月決算会社 8月

いちおう、監査報告書にサインできない、という事態を避けよう、という措置を読み取ることができます。しかしながら、当然サインをするためには監査手続が必要です。6月決算会社は8月のみが免除対象で、7月は業務停止ということになりますが、6月決算で7月に監査作業ができないのであれば、6月に決算締めたあと、クライアントは会計士の先生が出社してくるまでじっと待っていなければなりません。いや、7月1日の現金の実査ができないとなると、監査手続に瑕疵があることになってしまい、意見の質が落ちることになってしまいます。これは、12月決算会社の中間決算においても同じことが言えます。このあたりの実務がどうなるかも疑問です。

上のような例を考えると、業務停止期間中に監査手続自体ができない、と考えるのはいろいろ実務上問題が出てきそうな気がしますし、あまり現実的ではないような気がします。となれば、行ってはいけない監査業務というのは結局「監査報告書にサインすること」だけではないか、というような気がしています。

となれば、実務的にはほとんど影響がないことになります。この業務停止の意義は、一時的に監査人不在という法的不安定状態に置くことによる中央青山監査法人に関するレピュテーションの低下というところにあるのでしょうか。

ちょっと尻切れ状態ですが、時間の都合上いったん上げておきます。

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