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実務対応報告公開草案第23号 「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い(案)」の公表

実務対応報告公開草案第23号
「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い(案)」の公表

平成18年5月1日に施行された会社計算規則(平成18年法務省令第13号)(以下「計算規則」という。)では、繰延資産として計上することが適当であると認められるものが繰延資産に属すると規定されているだけで、旧商法施行規則のように、繰延資産として計上することができる項目及びその償却方法について、具体的な取扱いが示されておりません。また、計算規則の用語の解釈及び規定の適用に関しては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の企業会計の慣行をしん酌しなければならないとされております。
 企業会計基準委員会(以下「当委員会」という。)では、計算規則におけるこれらの規定への対応として、これまで行われてきた繰延資産の会計処理を踏まえ、当面必要と考えられる実務上の取扱いについて検討してまいりましたが、今般、平成18年5月30日の第105回企業会計基準委員会において、標記の実務対応報告の公開草案(以下「本公開草案」という。)の公表を承認しましたので、本日公表いたします。

6月6日付けで、企業会計基準委員会はいくつかの公開草案を発表しています。いろいろありましてblogの更新が遅れていますので、今更感がありますが、取りあげてみます。まずは実務に影響が少なさそうなものから・・・

実務ではあまり重要性がないものの、教科書等では一つの項目をなしていた繰延資産についての公開草案です。

これも実務ではなかなか省みられなくなった企業会計原則では繰延資産について以下のように規定しています

「将来の期間に影響する特定の費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる」

これに呼応して、旧商法では繰延資産に該当する資産を限定列挙の形で挙げていました。最近になってもちょこちょこ規定が変わったりしているのですが、会社法施行直前の規定はこうなっています。

商法施行規則

第三十五条 (創立費)
第三十六条 (開業費)

第三十七条
一  新製品又は新技術の研究
二  新技術又は新経営組織の採用
三  資源の開発
四  市場の開拓

第三十八条  (新株発行費等)
第三十九条  (社債発行費)
第四十条  (社債発行差金)
第四十一条  (建設利息)

ところが、新会社法および会社計算規則においては、以下の規定しかありません。

会社計算規則
第百六条
3  次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。

五  繰延資産として計上することが適当であると認められるもの 繰延資産

何が適当かと言うと、これは公正なる会計慣行を斟酌するということになり、会計側に投げられて格好です。そこでASBJが会計側の見解を出した、ということになります。

もっとも、繰延資産自体実務で用いられることは少なくなりました。少なくとも上場企業で開発費などを繰延処理していると懐事情を疑われる事態にもなりかねないため、一部の費用を除けば即時費用処理するのが実務の原則となっています。ただし、繰延資産に計上した場合は、配当制限に影響する(会社計算規則第186条)となりますので、あまりいい加減な決め方もできずに、今回の公開草案となったのかと思います。

今回の上の繰延資産がどうなったかと言うと、上記の資産は繰延資産として扱われることには基本的には変わりありません。ただし、建設利息は旧商法上の制度自体がなくなったことから廃止。社債発行差金については、実質上の利息であるとの考え方から、金融商品に係る会計基準のほうに移管し、繰延資産としては扱わないことになりました。

これ以外の変更ですが、

・月割の償却の承認
 旧商法では毎期均等額以上の償却と言うことで、支出が3月31日でも1年分の償却が義務付けられていましたが、この基準によりその縛りはなくなりそうです。

・株式発行費に自己株式処分費用が含まれる
 これによって「株式交付費」という名称に変更となりました。

・社債発行費の償却は利息法が原則
 これも均等額以上という縛りからは外れます。定額法を適用してもいいようですが。

細かいところはまだありますがこんなところかと思います。

個人的には、繰延資産の存在意義自体どうかな、とも思うのでうすが、それが検討されるのは企業会計原則が変わるときなのでしょうかね。

(written on June 11)

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