建設会社、低価法前倒し導入(9/14 日経金融)
販売用不動産への低価法の導入など、会計処理を変更する建設会社が相次いでいる。鹿島、小田急建設は2007年3月期に販売用の土地などに低価法を導入し、含み損を処理する。財務の透明性を高め、投資家からの信頼確保を目指す。
鹿島は販売用不動産への低価法導入で、今期に五十億円前後の特別損失を計上する。販売用に手当てしてきた土地などが対象。従来も保守的時価が大幅に下落した土地などは保守的に評価、含み損を処理してきたが、低価法の導入でより健全性を高める。
「保守的時価」というのがよくわかりませんが(誤植?)、時価が大幅に下落した土地は時価で評価するのが会計基準なので、別に鹿島だけが特別保守的に処理してきたわけではないでしょう。低価法の導入も、2009年3月期から強制適用されるので、それを前倒して適用しようというだけのことですが、先取りできるということは、それだけの時価の把握ができているということであり、かつ株主資本にも余裕がある、というところなのでしょう。固定資産の減損会計の適用でも、余裕のあるところから早期適用していきましたので、棚卸資産の低価法適用でも、同じような動きが見られるのかもしれません。
それにしても、
青木あすなろ建設は会社法施行で企業の内部統制の強化を求められたのを機に、建設工事の受注計上基準を見直した。従来は担当者が受注の可能性があると判断すれば、受注高に計上していたが、近隣住民の反対などで、現実には事業の見通しが立たないものなども含まれ、基準があいまいだった
「会社法施行で」というか、それ以前の問題のような気が・・・
受注高は監査対象ではないのですが、あまりに大雑把な基準。
これにより繰越受注高を275億円減額したとのこと。担当者が判断した金額は半端ではないようです。
大林組は05年3月期まで有価証券の売却損益を保有目的に応じ、営業外収益と特別損益にそれぞれ計上していたが、06年3月期からすべて特別損益に計上するように改めた。アナリストらから「分かりにくい」との指摘が出ていたのに対応した。
確かに「分かりにくい」。ゼネコンだから売買目的有価証券は持っていないでしょう。どのような保有目的で区分していたのかが興味ありますが、その辺の開示はざっと見た限りではなさそうです。
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