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業種別委員会報告「消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い」(公開草案)の公表について

業種別委員会報告「消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い」(公開草案)の公表について


日本公認会計士協会では、消費者金融会社等の平成18年3月期決算における利息返還請求に係る処理等への監査上の対応に関し、平成18年3月15日付けでリサーチ・センター審理情報〔№24〕「「貸金業の規制等に関する法律」のみなし弁済規定の適用に係る最高裁判決を踏まえた消費者金融会社等における監査上の留意事項について」を公表しました。しかしながら、審理情報№24は、平成18年3月期決算の監査に当たっての当面の留意事項を示すに止まることから、業種別委員会の下に消費者金融等監査対応検討専門部会を設置し、改めてこの問題への監査上の取扱いの検討を行ってまいりました。
 このたび、一通りのとりまとめが終わったため、草案を公開し広く意見を求めることといたしました。

巷で話題になっている、消費者金融会社のグレーゾーン金利部分の返還請求権にかかる会計処理が公開草案となっています。

なにせ、特殊な業界のことで、実務には全く無縁でありますので、ふむふむと勉強させてもらっている次第。

具体的計算式については、グレーゾーン金利にかかる貸付残高がある場合とない場合で以下の処理となっているようです。

(残高がある場合)
区分ごとの延滞債権口座数×合理的見積期間に係る返還実績率×平均返還額
正常債権口座数×合理的見積期間に係る返還実績率×平均返還額

(残高がない場合)
過去完済・償却件数×合理的見積期間に係る返還実績率×平均返還額

(最初読んだときよくわからなかったのですが、「返還額」とは返還実績のことではなく返還すべき額のことのようです)

企業会計原則注解18に照らし合わせれば、「発生が当期以前の事象に起因」し、「発生の可能性が高」く「合理的に見積ること」ができる金額が、これで算出できるということなのでしょう。口座数と実績率と平均返還額というファクターは素人目には大雑把に見えるのですが、おそらくこれが実務上の限界なのでしょう。

しかし、合理的見積期間に係る返還実績率というのをどう算出するのか。返還実績率はたぶん捉えられるのでしょうが、グレーゾーン金利の存在がクローズアップされ、返還請求のレベルもアップするでしょうから今までの実績率と、今後の予想される実績率では明らかに水準が異なるような気がします。とはいっても、そこまでを合理的に見積もるのは困難でしょうし・・・

それにしても、9月13日に公開草案を出しておいて、適用時期は「平成18年9月1日以後終了する・・・事業年度に係る監査から適用する」ですか。いや、緊急に適用しなきゃならない事情は理解しますが、こういうバックデートっていいんでしょうかね。ちょっと疑問なのですが。

(written on Sep.17)

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