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東日本ハウスに課徴金・監視委、虚偽記載で勧告

東日本ハウスに課徴金・監視委、虚偽記載で勧告

証券取引等監視委員会は22日、ジャスダック上場の住宅メーカー、東日本ハウスに対し、有価証券報告書に虚偽の記載があったとして200万円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告した。課徴金制度が昨年導入されて以来、監視委はインサイダー取引で10件の納付命令を勧告してきたが、虚偽記載で課徴金の勧告を出すのは初めて。ジャスダック証券取引所も12月6日までに情報の適時開示を求める改善報告書を提出するよう命じた。

東日本ハウスといえば私の地元岩手では(いろいろな意味での)有名企業でありますが、こういうことで紙面を飾ってしまうことになるとは・・・

プレスリリースはこちらです。虚偽記載の内容については、「退職給付債務額の計算における錯誤のデータを使用したものであり、退職給付引当金の過少計上を行ったことにあります。」とのことです。他の決算短信の修正に係るプレスリリースを見てもこれ以上のことは書いていないようです。

「錯誤」という言葉をそのまま解釈する限り、おそらく意図的なものではないのでしょう。そう悪質なケースではないように思えます。また課徴金といっても2百万円のようですから、企業業績上さしたる影響はないでしょう。

ただ、こういった比較的悪質さが小さいケースにおいてもどんどん課徴金を課していくという監視委の姿勢を示したものとしては注目すべき判断かと思います。これは「虚偽の記載を行った」ことによる結果責任ですので、「内部統制が有効に機能している」かは関係なさそうですし、「会計士が合理的と判断した」からといって、100%の保証をしているわけではありませんので、監査判断は合理的でも課徴金は課せられるということもあるわけで、なかなか厳しい姿勢であるかと思います。

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Tracked on 2006.11.28 02:32 AM

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