« April 23, 2006 - April 29, 2006 | Main | May 7, 2006 - May 13, 2006 »

【映画】プロデューサーズ

決算中は封印していた(というか、単に行けなかった)映画鑑賞。5月に入ってやっと見に行くことができるようになりました。復帰?第一作に選んだのは、The Producers。

実はここのところ相次いでいるミュージカル映画にはまってました。「CHICAGO」は映画館で3回見たかな、それ以外でも機上でも見てるしビデオでも見た。「オペラ座の怪人」も映画館で3回見た。それより前には「ウェストサイドストーリー」がリマスターされたときも2回見た。そんな私なので、この映画を見に行くことは既に決まっていたのでありました。

唯一の心配はおすぎが絶賛していることだったのだが・・・

【以下ネタばれ】

うん、心配が現実になってしまった。なんか面白くない。結構絶賛している人は多いようだが、自分の笑いのつぼからはかなり外れている。何だろうこの期待外れ感。いろいろ考えてみた。

1.ストーリーのつじつま

いや、こんなおバカな映画の細かい辻褄を問題にするほど野暮ではないつもりです。でも、根本的に「作品がこけた方が儲かる」という、ストーリーの大前提がどうしても理解できなかったんですよ。事実大ヒットしても金を持ち逃げできてるわけで。こけた作品には国税庁(IRS)は見向きもしない、との発言がありましたが、損出してても来るのが税務調査ってものなので・・・、ということを気になる人間が見る作品ではないってことですね。

2.楽曲のインパクト

「オペラ座の怪人」では、冒頭すぐのメインテーマのオルガン「びゃーー、びゃびゃびゃびゃびゃー」というところで既に戦慄が走りましたし、CHICAGOではキャサリンセダジョーンズの「All That Jazz」や「Cell Block Tango」に圧倒されたわけですが、それに匹敵するインパクトのある曲がないのである。見たあともあまり覚えていない。免疫ができて並みのことでは驚かなくなってきている、というのもあるのだろうが。

3.キャラの魅力

たとえばCHICAGOなどでは、自分がリチャードギアになったつもりで観ているわけですよ(こら、笑うんじゃない)。オペラ座の怪人でも役割はかっこいいわけでもないのですがジェラルドバトラーになりきって今にも歌いだしそうになりながら鑑賞しているわけです(迷惑な客だ)。これらに較べると、自ら手を上げて替わりたいキャラというのがいないんですよ。強いて言えば、一番最後の・・・いやこれは究極のネタばれだから止めておこう。

4.品性

いや、私とて決して上品な人間ではありません。でも、ゲイや老人は万国共通の問題だからともかく、ナチのネタは・・・。なんかこう、他国の古傷に塩をすりこんで痛がっているところを笑い飛ばしてるみたいな悪趣味感があります。よくも悪くもこんなことできる国はアメリカしかありません。心の底からは笑えないものがあります。

とつらつら書いてきましたが、個人的には認めたくないのですが、下記の要因も大きいのかなと。

5.会計士の描かれ方

まず、マザコンで女性に声かけることもできない。「Hitch」のときも書いたが、典型的な会計士像がこれらしい。そして、彼が事務所に帰ると「♪Unhappy、Unhappy」と歌いながら単調作業に従事する会計士たち。せっかく仕事忘れに観に来ているのに、なんだこの集団は。そして、夢見る副主人公は上司に辞表を叩きつけ、こう罵るのである

(CPA is)「Cetified Public A--hole!」

ああ、そうですかそうですか。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

監査法人への刑事罰焦点 金融審、不正防止へ論議スタート(4/27 日経)

金融審議会(首相の諮問機関)は二十六日、約四十年ぶりとなる監査法人制度の抜本改革に向けた議論に着手した。監査法人に刑事罰を適用すべきかなどが焦点。カネボウやライブドアなど上場企業をを舞台にした粉飾決算を踏まえ、監査法人の役割と責任を大幅に拡大し、不正会計を未然に防ぐことを目指す制度改革を年内にもまとめる。

40年ぶりですか。このまえ公認会計士法の改正があったばかりなのですが、あれは改革に入らないわけですな。

これに対して会計士業界は「監査法人に刑事責任を追及することは解散命令に近い」として慎重な議論を求めた。

個人的には会計業界の実感に近い感想を持っているのですが、実際にアーサー・アンダーセンがたった1度の失敗のために吹っ飛んだり、民間企業でも雪印食品などは食肉偽装だけで清算となってしまったわけで、不正があった監査法人など飛んでしまえ、という方向に議論が流れるのはある程度やむをえない面もあるかもしれません。

ただ、実務的な問題として、代替すべき監査法人が少ないという問題があります。事実ライブドア担当の監査法人が吹っ飛んだだけで、監査の受託先がなくて(その割には偉そうに)記者会見までしてなんとかしてしまった企業がありましたが、実際に大手が飛んでしまったら混乱はその比ではないわけです。実際にすぐに後任として別の監査法人が引き継げるかというと、後任者もリスクについては慎重に調べるでしょうから、全ての会社の公認会計士がすんなり決まるとも思えません。決まるまでにはタイムラグがあるでしょうが、そのタイムラグを市場は待ってくれるのでしょうか?

会合では監査報酬を企業から受け取る「直接契約」では不正に厳しい姿勢で臨みにくい、との指摘が出た。証券取引所や独立した第三者機関が報酬の仲介役となる「間接契約」の仕組みづくりが検討課題となる。

浅学にして知らないのですが、この「間接契約」とやらは実際にどこかの国で例があって実際にワークしているんですかね?いや、例がなきゃいけないと言っているのではなくて、これが実際に施行されたら、世界初になるのですかね?

これも、現在の監査法人のままでは難しいかと。国なりどこかの機関の仕事の割り振りに応じなければならないのであれば、監査法人は企業にリスクがあろうがなかろうが一定の報酬で監査を受託しなければなくなる。それで破綻したときには監査法人に責任有り。これでは割に合わないでしょう。かといって国に責任を負わすのであれば、監査法人のリスクがなくなるので監査自体がワークしないのでは?というわけで私には理想像がいまいちぴんと来ないのであります

顧客から報酬を受け取りながら文句を言うという、報酬の矛盾を完全に解消するには、国が監査する以外の方法はないかと思います。金融機関には金融庁や日銀といった採算性という概念をまったく無視した方々が監査にこられるそうで、それと同じような方々が通常の民間企業に入ってくるということになります。そうなると国が公認会計士を丸抱えして、民間企業に監査に行く。国が監査証明出して、その代わり企業が破綻したら、国が責任取る。かなりの予算増となりますね。企業は国に監査報酬を払うことになります。ん?こうなるともはや報酬ではなく、登録料?うーん、これもいまいち現実味がわかない。

まあどこの国も試行錯誤している話なので、ここは妙案が出るか、審議会のお手並み拝見と行きましょうか。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

蝶理株、管理ポストに(4/27 日経)

蝶理は二十六日、繊維資材営業部にいた複数の社員が取引の売り上げを過大計上するなど、過去に不適切な会計処理があったと発表した。二〇〇二年九月中間期の売上高が三億円、経常利益と純利益がそれぞれ五億円減少するという。

同社は〇三年三月期末には全て適切な処理は完了し、以後の事業年度への影響はないとしている。不適切な会計処理があったのは〇二年四月から九月末まで。当時営業部に在籍していた社員の関与について社内調査を続けている。

今社内調査を続けているということは、全貌が明らかにはなっていないということ。それでいながら2003年3月末には適切な処理は完了しているというのはどういうことか。おそらく9月以降の売上および収益をむりやり9月に押し込んだということと想像できます。それだけであれば、何もしなくても次の3月末には正しい処理となっていることになりますから。

なぜ今頃という批判もあるようですが、3年前の事が今明らかになったということであれば、止むを得ないのかなと思います。むしろ正直な態度でしょう。3年前のことであり、しかも現在の財務諸表が正しいのであれば、そのまま隠し通せば終わってしまう可能性もあったのでしょうが、いまでは隠し通すリスクのほうが大きくなってしまったということでしょう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

三菱UFJの繰延税金資産(2)

三菱UFJ 4000-5000億円資本増強へ(4/26 日経夕刊)

ただ、三菱UFJは今回の繰り延べ税金資産計上に伴って決算が大幅に上ぶれするのは望ましくないと判断、バランスシート(貸借対照表)上で繰り延べ税金資産と資本を調整し、利益予想には影響しないようにする方向だ。

財務アナリストの雑感のdancing-ufoさんは「マジカルな会計手法」と称しています。確かに、決算はどうにでも操作可能な印象を与える記事です。これはどういうことなのでしょうか。

これは繰延税金資産が「復活」(件の記事の表現)したのはいったいいつか、という問題になるかと思います。

まず、実際の東京三菱銀行とUFJ銀行が合併し、三菱東京UFJ銀行が発足したのは2006年1月1日です。したがって、それ以前に繰延税金資産が復活する余地がないことは疑いのないところです。合併以前であれば税務申告は各行個別で行われるわけですから、UFJの繰延税金資産を東京三菱の収益で回収するということはありえないわけです。

それでは、いつ復活したのでしょうか?まず繰延税金資産の計上には将来の利益計上の可能性が高いことが必要であり、それを証明するにはある程度オーソライズされた中期の利益計画の存在が前提となります(事情により手元に資料がまったくなく記憶で書いていますので表現等不正確なものがあります。以下同じ)。その利益計画がいつ出てきたかということですが、これは三菱UFJ フィナンシャル・グループ(以下FG)のプレスリリースにあります。


株式会社三菱UFJ フィナンシャル・グループ(取締役社長 畔柳 信雄)は、平成18 年2 月17 日に金融庁に提出した「経営の健全化のための計画」を踏まえ、今後の繰延税金資産の回収可能額を見積った結果、繰延税金資産が増加することとなりました。なお、増加する繰延税金資産は、資本準備金として計上しますので、平成18 年3 月期の業績予想に影響はございません。

2月に提出した経営計画がいつ社内でオーソライズされたのかは不明ですが、おそらく遠くない時期でしょう。したがって、繰延税金資産が復活したとするのは一義的にはこの時でしょう。もし、2月時点で繰延税金資産を認識するのであれば、期中に起こった繰延税金資産の増減は損益計算書で認識するのが原則ですから、法人税等調整額として多額の税金勘定の利益を認識することになるはずです。つまり原則としては望ましくない「決算が大幅に上ぶれ」という状態になることになります。

が、これを監査法人側の立場から見るとどうなるか。

監査法人としては、合併後のFGの連結財務諸表等(以下単に財務諸表)に対してはまだなんらの意見表明もしていないわけです。したがって、合併時に遡って財務諸表を修正することも「あり」なわけです。

FGの3月末の財務諸表に意見表明をするためには、まず三菱東京UFJの合併時の財務諸表を正しく認識する必要があります。1月1日時点の財務諸表を正しく認識するためには1月1日時点で明らかになった情報のほかに、監査証明を出すまでに起こった事実、いわゆる後発事象を勘案する必要があります。

ではこの2月に提出した経営計画をどう考えるかということですが、この経営計画はUFJの公的資金が新銀行に移管したことに伴うものです。つまり合併を機にこのような利益計画となったということです。合併時にはその利益計画がオーソライズはされないまでも、既に収益計画が作成される前提となる事実は発生していたと考えることができます(いわゆる第一の後発事象)。

上記の考え方から、合併時に遡って繰延税金資産を認識し、資本剰余金として計上するのはむしろ正当な処理であると考えています。

もっとも、なぜ今になっての発表なのか、という疑問はあります。まあいろいろな可能性を検討していたのでしょうね。

ところで、FGは米国上場会社なので、米国基準でも財務諸表を作成しています。こちらではどうなっているのでしょうね。米国基準ではパーチェス法を適用して多額ののれんを計上しているはずです。ここで合併時に遡って繰延税金資産を計上するのであれば、のれんを減額して繰延税金資産を計上する、すなわち資産間の入り組みとなって資本の部には影響しないことになるかと思います。米国基準でどうやっているか、調べればわかるのですが、時間があったらということで、いったん終了させていただきます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

三菱UFJの繰延税金資産(1)

三菱UFJ 4000-5000億円資本増強へ(4/26 日経夕刊)

三菱UFJフィナンシャルグループ(FG)は二十六日、二〇〇六年三月期で自己資本を四千億-五千億円増強する方針を固めた。経営統合で将来の収益見込みが強まったと判断、旧UFJグループが経営危機に際して大幅に減額していた「繰り延べ税金資産」を資産に計上する。


いつも思うのですが、金融面担当の方が書いたこの手の記事を読むと、どうも本質を外しているという印象が否めないのであります。まず、見出しに非常に違和感があります。繰延税金資産の回収可能性が高まったことを「資本増強」と呼ぶのが正しいのか。貸借対照表の資本の部の推移と、BIS規制しか見てないのであれば確かに資本増強なのかもしれませんが、会計側から見ると実際に現金が動かず、単に資本剰余金と繰延税金資産が両建てになって膨らんだものを「資本増強」と呼ぶのはちょっとミスリーディングなのでは?と思います。

同じようなことが、次の記事にも

旧UFJ行員の心境複雑(4/27)

三菱UFJフィナンシャルグループ(FG)が二〇〇六年三月期で約四千八百億円の繰り延べ税金資産を積み増したことが明らかになった。旧UFJグループが旧三菱東京FGとの経営統合に追い込まれる原因となった繰り延べ税金資産が「復活」し、新グループを潤すという皮肉な結果となった。

三菱UFJの収益力から見て「復活」は当然だが、旧UFJの行員は複雑な心境だろう。復活した繰り延べ税金資産を削減せずに済んでいたら、旧三菱東京FG主導の経営統合に追い込まれなかったのではないかとの思いがよぎるからだ。

これもなんか変な話で、経営統合したからこそ資産計上できるわけであって、UFJ単体では資産計上できなかったという単純な話です。

繰延税金資産は将来の税負担を軽減させる効果を持って資産として計上できるわけですから、近い将来に一定の収益が上がることが前提となります。収益が上がらないとそもそも税金を支払わないわけですから、税負担の軽減は不可能。したがって資産には計上できないというわけです。

ですから、UFJ単体では将来の収益力が足りない。三菱東京と経営統合することにより将来の安定した収益が見込めるようになった。信用力が増した。それだけのことです。「削減せずに済んでたら経営統合に追い込まれなかった」という考え方自体繰延税金資産の性質をよく分かっていないのではないのかなと思います。ですから、以下のような表現になってしまうわけで、

・・・財務内容などを勘案し1:0.62という統合比率を決めた際にも、これほどの資産復活は想定外だったはずだ。

そんな間抜けなデューデリって・・・(笑)。当然繰越欠損金等の税効果は通常資産査定のうちの一つに入りますので、経営統合によって繰延税金資産が復活することは想定の範囲内であったでしょう。

ところで、この記事ですが、もう一つ気になる表現をしています。

ただ、三菱UFJは今回の繰り延べ税金資産計上に伴って決算が大幅に上ぶれするのは望ましくないと判断、バランスシート(貸借対照表)上で繰り延べ税金資産と資本を調整し、利益予想には影響しないようにする方向だ。

これについては稿を改めてということで。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

リニューアル

長らく自らの決算業務もあり、サボっておりましたが、5月1日、会社法とともに(まったく関係ありませんが)、当ブログもリニューアルさせていただきました。

この4月で、体力まかせの決算は年齢的に限界が来ていることを思い知らされましたので、平成18年度は、とにかく楽をすることを目標にがんばりたいと思います。ブログ書く時間をなんとか確保できるように。

といいつつ、まだ税務申告、株主総会と決算業務は残っていますが・・・

GWは書き溜めたものを自動エントリ機能でUPしていきたいと思います。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« April 23, 2006 - April 29, 2006 | Main | May 7, 2006 - May 13, 2006 »