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「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」の公表(2)

「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」の公表(2)


前稿の続きです。この基準ですが、一方で以下のように明記されています。


その場合であっても、次に示す項目については、当該修正額に重要性が乏しい場合を除き、連結決算手続上、当期純利益が適切に計上されるよう当該在外子会社の会計処理を修正しなければならない。なお、次の項目以外についても、明らかに合理的でないと認められる場合には、連結決算手続上で修正を行う必要があることに留意する。

「その場合」とは、IFRSや米国基準を適用している子会社の財務諸表をそのまま連結する場合のことです。日本基準とあまりに大きな差異がある項目については見過ごせないというわけで、ある程度の日本基準の矜持を保っているわけです。例示としてあげられているのは以下の6項目です。

1.のれんの償却

有名どころです。IFRSと米国基準ではのれんは償却せず、毎期減損テストを行い、減損していると認められた金額を損失計上するというもの。対して日本基準では、毎期定期的に償却する(ただし減損に係る会計基準の適用あり)ことになっています。米国で計上されたのれんについても定期的な償却が求められるというわけです。

2.退職給付会計における数理計算上の際の費用処理

IFRSでは、退職給付会計における数理計算上の差異、すなわち見積りの差額につき、損益計算書を通さずに、一括して利益剰余金の加減算項目として計上することを認めています。日本基準ではこの差額は一定の年数をかけて損益に計上していくことになっていますので、その差額分につき損益を修正する必要があります。これは損益の差は永久に整合しないことになります。

3.研究開発費の支出時費用処理

IFRSでは、資産性のある研究開発費については無形資産として計上することとなっています。日本基準(米国基準もですが)では資産性があるかないかなど区別できないので、すべて費用処理することになっています。

4.投資不動産の時価評価及び固定資産の再評価

IFRSでは、投資不動産の評価について、時価(公正価値)評価を原則とする一方、取得価額で評価し、公正価値を注記するという方法も認めています。日本基準(米国基準でも)では投資不動産に関する特段の基準はありませんので、通常の固定資産同様、土地については取得原価、建物については償却後原価で評価することになります。

また、IFRSでは固定資産に関し、規則的な償却ではなく、定期的に再評価する方法も認めています。この場合も日本基準(米国基準とも)と差が出ることになります。

5.会計方針の変更に伴う、財務諸表の遡及修正

IFRSでは会計方針の変更があった場合、開示する過去の財務諸表については、すべて新しい会計方針に従って修正され、当期の財務諸表ではそのインパクトが期首剰余金の修正という形で計上されます。日本では変更のあった期の損益として計上されます。米国でもかつては日本基準と同様だったのですが、最近IFRSと同様の会計基準に改訂されています。

6.少数株主損益の会計処理

あれ、これって何か違うんでしたっけ?「在外子会社における当期純利益に少数株主持分損益が含まれている場合には、・・・当該少数株主損益を加減し・・・」とありますが、それは連結手続上当たり前のような気がしますが・・・。なんか私が勘違いしてるかな?

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【映画】ピンクパンサー

うん、こういうのを待っていたのかもしれない。

「笑わせてみようホトトギス」的な押しつけがましさは「プロデューサーズ」と変わらないかもしれないが、こちらのほうがずっと後腐れがなく、すっきりしている。(もっともHの発音云々は、仏人がみてどう思うか・・・)

正直思ったほどバカ笑いできたわけではない。
もう一工夫欲しいところとか、やり過ぎのところもあった。
そのあたりが持ち味なのでしょうが・・・。
ドリフのコントで育った人間としては、こちらのほうが性に合います。

黙々と演じるジャン・レノが笑えました。

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【映画】明日の記憶

うん、これはジャンル分けをするならば、私はホラー映画の所に入れたいです。これだけリアリティのある恐怖を描いた作品があったでしょうか?

これは若年性アルツハイマーに焦点を当てていますが、最近流行の記憶喪失もの。私が見ただけでも「私の頭の中の消しゴム」「博士の愛した数式」がありました。これらはこれらでそれなりにいい映画だと思いましたが、「明日の記憶」はその二番煎じくらいかな、くらいの気持ちで見に行ったのですが、やられました。打ちひしがれました。

とにかく、自らの身に照らしてたときのその圧倒的リアリティ。固有名詞が出てこないなどの症状、そろそろ気になる年齢です。主人公は私より10歳ほど上の設定ですが、いつでも同じことがわが身にも起こりそう。

そして、妻、娘、同僚、クライアント、決してみんな完璧な人間ではないけれど、主人公の状況に対する暖かい視線が印象的でした。主人公とて、彼らに完璧に接してきたわけではないはずなのに。主人公は周囲の人間に恵まれています。

そう。自分はどうなんだ、10年後、こんな恵まれた環境にいることができるのか?10年後、周囲が暖かい目で見てくれるような生き方をしているのか?そんな難問もこの映画は突きつけてくるのです。

いろいろな意味で、久々にずっしり来る映画でした

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「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」の公表

「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」の公表


連結財務諸表を作成する場合、在外子会社が採用する会計処理は、本来、企業集団として統一されるべきものであります。これまで日本公認会計士協会監査委員会報告第56号「親子会社間の会計処理の統一に関する当面の監査上の取扱い」では、在外子会社の所在地国の会計基準において認められている会計処理が、企業集団として統一しようとする会計処理と異なる場合でも、当該会計処理が明らかに合理的でないと認められるときを除き、当面、親会社と子会社との間で会計処理を統一する必要はないものとされてきました。
 その後、我が国の会計基準は、国際的な会計基準と同等の水準まで整備されてきたことや、欧州をはじめ多くの国々において国際財務報告基準(IFRSs)が採用されつつあるなど、国際的な会計基準の適用にも変化が見られることから、企業会計基準委員会(以下「当委員会」という。)では、上述のようなこれまでの取扱いの見直しを検討してまいりました。今般、平成18年5月12日の第104回企業会計基準委員会において、標記の実務対応報告(以下「本実務対応報告」という。)を承認しましたので公表いたします。


連結財務諸表を作成する際に、海外子会社の財務諸表については日本基準に修正したうえで連結しなさい、ほかの国の基準で作成した財務諸表を連結したら、会計処理が首尾一貫しない財務諸表になってしまいますよね、という至極当たり前のことを言っている基準であります。

しかし、この至極当たり前のことが日本ではできていませんでした。というよりしなくても良いと明文で書かれております。

監査委員会報告第56号
「親子会社間の会計処理の統一に関する当面の監査上の取り扱い」

5.在外子会社の会計処理の統一

在外子会社の会計処理についても、本来、企業集団として統一されるべきものであるが、その子会社の所在地国の会計基準において求められている会計処理が企業集団として統一しようとする会計処理と異なるときは、当面、親会社と子会社との間で統一する必要はないものとする。なお、在外子会社が採用している会計処理が明らかに合理的でないと認められる場合には、連結決算手続上で修正する必要があることに留意する。

なぜこの当たり前のことをしなくてもいいという基準が設定されていたのか。「だってしょうがないじゃない」というのが本音です。

そもそも、日本基準なんてのは日本語と一緒であり、日本以外ではまず通用しません。それを在外子会社に強制できるのかというと。ただ日本人の経理担当が居ればいい、というだけであればまだしも、それをいったい誰が監査するのか。現地に日本基準に詳しい会計士がいるかというと、4大会計事務所の出先機関の出張者くらいでしょうから圧倒的に数が少ない。日本にいる会計士が出張ベースで対応する?それも数と費用の面から現実的ではない、というわけで、まあそれなりの国の基準で会計士からお墨付きもらってればまあいいんでないの?くらいのノリで決まったものと思います。

しかし、他国に自国の基準をグローバルスタンダードだと押し付けることに何の疑問も感じない方々にはそんな理屈は通用しません。IFRS(国際財務報告基準)と日本基準のコンバージェンスプロジェクトでは、真っ先にこの点が重要な差異であると俎上に上がっています。またいわゆる2007年問題といわれる、欧州での日本企業上場維持のための会計基準の検討においても、この点は槍玉に上がっています。

ここまで言われては仕方ないので、対応することにしたというわけです。何せ正論には違いないので、会計基準自体はあっという間にできてしまいます。ただ、きっかけがきっかけであるので、IFRSまたは米国基準で作成されている財務諸表については、「当面の間」従来どおりそのまま連結できるということになっています(ただし、一部の項目については修正が必要と明記されています。これについては別稿予定)。

さて、さしあたってどうするかですね。IFRS適用可能国は100国以上などとIASBは豪語しておりますが、あくまで適用可能というレベルであって、ローカルスタンダードが全廃されているわけではなく、中小企業には自国の会計基準が使用されている場合が多いかと思います。これらを平成20年度までに、IFRS、米国、日本、どれかの基準に対応させなければなりません。おそらくこれから例えば中国GAAPのReconciliationチェックリストなどというものが各会計事務所により作成されることになるのでしょう(今もあるのでしょうが、日本の監査が通るまでのレベルにブラッシュアップする必要があるでしょう)。現地に行かなければ対応できないと、会計士の出張要求が増えるんでしょうなぁ。ああ金がない金がない。

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中央青山監査法人ネタ 雑感

すみません、そろそろ止めますのでもう少し引っ張らせてください。

契約企業にも試金石(5/15 日経金融)

金融庁はこのほど中央青山監査法人に業務停止命令を出し、会社法に基づく監査などを七月から二ヵ月禁じた。二千社を超える企業が新たな監査先探しを迫られるが、企業によっては中央青山に監査を頼み続けざるを得ないところもあるという。理由は契約切り替えで"隠していた数字"が表に出るから。今回の処分は企業の透明性確保に向けた決意を問う試金石となる可能性を秘めている。

・・・日経が無責任に煽ってどうするよ。「決意を問う試金石」って、ここで監査人を変えなかったら「透明性確保に向けた決意」がないってことですかい?それは飛躍しすぎ。

東証社長、中央青山に早期対応を要請

東京証券取引所の西室泰三社長兼会長は16日の記者会見で、金融庁に業務停止処分を受けた中央青山監査法人に対し「厳粛に受け止め、職務を十分に果たせるよう全力で対応してほしい」と述べ、上場企業の情報開示や上場審査に支障がないよう早期に対応することを求めた。

まあ、それはそうと、あまり注目されている様子がないのですが、東証さんの会社法監査はどうなるんでしょうか?たしか会計監査人は中央青山監査法人ですよね(前年度の招集通知p30を参照)。総会で新たな監査人を選ぶのか、一時監査人の選任をするのか、はたまた留任なのか。上場スケジュールにも微妙に影響しそうで、判断が注目されます。

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中央青山監査法人の一部業務停止(3)

2.では何をしてはいけないの?

「一部監査業務の停止」の内容ですが、金融庁によりますと別紙1の通りです。

証券取引法に基づく監査業務(企業内容等の開示に関する内閣府令の規定が適用される有価証券報告書等に記載される財務諸表についての監査業務に限る)並びに会社法に基づく監査業務(旧商法特例法に基づく監査業務を含む)及びこれに準ずるものとして以下に掲げる法律に基づく監査業務の7月1日より8月31日までの停止

では、監査業務の停止とは言いますが、具体的に何をしてはいけないのか。

監査業務と一言に言っても範囲はかなり広いです。そもそも、監査法人のメイン業務は法定監査なわけで、極端な話出社すること自体が、既に監査業務といえるかもしれません。まあそれは屁理屈としても、例えば停止期間中に監査調書の整理をしてもいいのか、書類整理くらいよさそうなもですが、整理中になにか疑念事項が出てきてクライアントに問い合わせることはできるのか、といったあたりはかなり微妙なことになってきそうですね。

さしあたって気になるのは、前にも書きましたが、マザーズ上場企業については第1四半期の業績開示に当たって、監査法人の意見表明が東証の規則上求められています。これ自体は東証の規則であるので、法定監査の範囲外であり、意見表明自体は可能であるかと思います。しかしながら、意見表明に当たって必要な作業は法定監査に直接つながるものであり、それを明確に区分することは不可能と思われます。となると、マザーズ上場企業に関しては7月の監査業務停止、ということはあまり意味を持たないことになってしまいます。またマザーズに上場している企業に限り7月作業ができる、というのも何かおかしな解釈となるような気がします。このあたり実務はどうなるんでしょうかね。

一方、金融庁は、下記の業務については監査業務停止を免除しています。

・4月決算会社のうち、7月末日までに証券取引法に基づき有価証券報告書を提出しなければならない会社 7月
・5月決算会社のうち、8月末日までに証券取引法に基づく有価証券報告書を提出
しなければならない会社 全期間
・上記以外の5月決算会社 7月
・6月決算会社 8月

いちおう、監査報告書にサインできない、という事態を避けよう、という措置を読み取ることができます。しかしながら、当然サインをするためには監査手続が必要です。6月決算会社は8月のみが免除対象で、7月は業務停止ということになりますが、6月決算で7月に監査作業ができないのであれば、6月に決算締めたあと、クライアントは会計士の先生が出社してくるまでじっと待っていなければなりません。いや、7月1日の現金の実査ができないとなると、監査手続に瑕疵があることになってしまい、意見の質が落ちることになってしまいます。これは、12月決算会社の中間決算においても同じことが言えます。このあたりの実務がどうなるかも疑問です。

上のような例を考えると、業務停止期間中に監査手続自体ができない、と考えるのはいろいろ実務上問題が出てきそうな気がしますし、あまり現実的ではないような気がします。となれば、行ってはいけない監査業務というのは結局「監査報告書にサインすること」だけではないか、というような気がしています。

となれば、実務的にはほとんど影響がないことになります。この業務停止の意義は、一時的に監査人不在という法的不安定状態に置くことによる中央青山監査法人に関するレピュテーションの低下というところにあるのでしょうか。

ちょっと尻切れ状態ですが、時間の都合上いったん上げておきます。

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Google Trendsで「会計」検索

ガ島通信さんのところで知る。Google Trendsが話題とか。

早速「会計」をキーワードに入れて見る

1. Kizuki Japan
2. Shinjuku Japan
3. Minato Japan
(以下略)


・・・Kizuki Japanって何処です?

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