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IASB seeks comments on a proposed new standard on income tax accounting

IASB seeks comments on a proposed new standard on income tax accounting

The International Accounting Standards Board (IASB) today published for public comment an exposure draft of a proposed new standard on the accounting for income tax. If adopted, the standard would replace the existing requirements in IAS 12 Income Taxes.

IAS12号「法人所得税」を全面的に改訂する公開草案が公表されました。

The proposed standard retains the basic approach to accounting for income tax, known as the temporary difference approach. The objective of that approach is to recognise now the future tax consequences of past events and transactions, rather than waiting until the tax is payable. Although the proposed standard retains the same principle, the IASB proposes to remove most of the exceptions in IAS 12, to simplify the accounting and strengthen the principle in the standard. In addition, the IASB proposes a changed structure for the standard that will make it easier to use.

いわゆる「一時差異アプローチ」というものは変えずに、例外を極力排除し、シンプルな原則どおりの会計処理にして、使いやすくした、ということのようです。

といいつつ、もともとのプロジェクトの目的がUSGAAPとのコンバージェンスですので、おのずと米国基準寄りの提案がなされているといえます。

例えば

a proposal to recognise deferred tax assets in full, less, if applicable,a valuation allowance to reduce the net carrying amount to the highest amount that is more likely than not to be realisable against taxable profit. This approach replaces the existing single-step recognition of the portion of a deferred tax asset for which realisation is probable.

税金資産の回収可能性が乏しいとき、従来のIASではもともと税金資産を認識しませんでしたが、今後は一旦税金資産を認識した後に、評価性引当金(valuation allowance)を計上することにより税金資産の純額を減少させようというものです。これなども米国のアプローチに沿ったものといえましょう。

また

a proposal that current and deferred tax assets and liabilities should be measured using the probability-weighted average amounts of possible outcomes assuming that the tax authorities will examine the amounts reported to them by the entity and have full knowledge of all relevant information. IAS 12 is silent on the treatment of uncertainty over tax amounts

税務当局が認めるかどうか分からない不確実な税務ポジションに対しての扱いを新たに定めたということで、これは2年ほど前に発行した米国基準FIN48に対応したものと思われます(アプローチは若干違うようですが)。これなどが日本でも適用になると、税務当局の判断確率を考慮して税金資産の額を計上しなければならず、実務的にかなり面倒なことが予想されます。とくに税務における係争を抱えている会社には影響があるのではないでしょうか。

まだ重要な改訂点すら全て読み込めていませんが、取り急ぎ。

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IFRSと会社法計算規定

旬刊経理情報(2009/4/1)に「IFRS適用に伴う会社法計算規定の論点分析」というあずさ監査法人前田さんの議論が紹介されています。なんとも気が早い、とも思うのですが、いずれは考えなければならない問題ですので、ここで思いつくアイテムを1回整理しておくのは有意義なことではないかと思います。

会社法計算書類の世界と、金商法財務諸表の世界の距離感はだいぶ狭まり、会社法での計算の規定は多くを金商法の世界に委ねています。また、その一方で、計算書類規則では

第百二十六条  損益計算書等には、包括利益に関する事項を表示することができる。

日本の会計基準では取り入れられていない「包括利益」に関する条文をいち早く取り込んでしまう、というコンバージェンスプロジェクトも真っ青のずいぶん大胆なことをしでかしています。このあたりの調整が今後どうなるか注目しています。

前田稿では、以下に分けて論点整理をしています(番号は引用者が付加)
① 連結計算書類への影響
② 計算書類への影響
③ 過年度遡及修正
④ 負債と資本の区分
⑤ 財務諸表の表示

①②について、IFRSの強制適用であればまだしも、任意適用であれば当然配慮が必要となってきます。金商法に基づく連結財務諸表は不要でも会社法に基づく連結計算書類のみ日本基準で作成したものが必要となると、コストの関係から任意適用へのインセンティブがそがれることが確実です。現在米国基準適用の会社については、会社計算規則において一定の配慮がされているので、IFRSについても同様の配慮が必要になってくるでしょう。また、分配可能額の算定についても連結配当規制を適用している会社について同様の配慮が必要となってくるでしょう。

③④⑤については各論の話です。過年度遡及修正については、わが国でも公開草案がじき公表されるとのことですが、単年度の計算書類について毎年株主総会が承認する、という発想から来ている会社法にしてみれば、過去の計算書類を総会を通さないで修正するという手続きはそもそも相容れないものと考えられます。過年度に誤りがあった計算書類であればともかく、会計方針の変更や会計基準の制定により過年度修正が起きた場合は、誤りがない計算書類を修正するということになりますので、その辺の理論構成が難しくなってくるものと思われます。
負債と資本の区別については、現在IFRSから予備的見解が出ています。ここでは「基本所有アプローチ」という概念が提唱されています。これは最終的に残った残余財産に対する請求権の有無により負債と資本の区別をしようというものです。これによると、新株予約権などは、残余財産に対する請求権を伴わないので負債と判断されます。ストックオプションは負債か資本かあるいは中間項目かといったことでずいぶんもめた挙句に、「株主資本」と「純資産」を区別するという独自の形式を採用したわが国にとってはまた大きな方向転換を迫られる内容です。これは会社法だけの問題ではありませんが。
財務諸表の表示については、現状においても上記の包括利益の扱いなど、会社法上不明確なところがあることに加え、これも現在公表されている予備的見解ではいろいろと過激な提案が行われており、こちらの対応も迫られるということです。まあこれも会社法に限った問題ではありませんが。

最後に筆者は上場企業のディスクロージャー制度についての私見ということで結んでいます。はっきりと筆者は述べてはいませんが、ひと言で言えば「制度を統一してくれ」ということに尽きるかと思います。かなり歩み寄ったとはいえ、会社法と金商法といった二重の開示制度があるのは実務にとって負担であるのは明らかで、情報利用者によるニーズがそれほどあるのかどうか、IFRSの導入を契機として、ぜひ検討していただきたい項目であると思います。

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【映画】男はつらいよ 寅次郎と殿様(第19作)

3/29 川崎チネチッタ

冷静に考えればこれはネタ切れが見えてきた作品とも言えます。冒頭の「鯉のぼり騒動」はいつぞやの「ピアノ騒動」の焼きなおしだし、頑固爺さんに寅さんが妙に気に入られるというのは、博の父との絡みなどでおなじみ。そして、父と娘の愛憎というのは吉永小百合の歌子さんの時を思い出させます。こちらは義父と嫁ですが。

そういう二番煎じがそこかしこで見られるのですが、それをリメイクだと考えると、古い皮袋に、昭和の名優である嵐寛寿郎さん演じる殿様と、曲者三木のり平さん演じる執事が新しい酒を注いだと言えましょう。彼らの大げさな演技が決してすべることなく、同じように変人である寅さんとの相性も抜群で、上質なコメディーの名品に仕上がっているように思えます。

ただ、そのコメディー色が強すぎたため、真野響子さん演じるマドンナの個性が薄いものになってしまい、寅さんの失恋物語も随分と淡白なものになってしまっています。まあここ2回がリリーさん(浅岡ルリ子)とぼたんさん(大地喜和子さん)という強烈なマドンナであったので、正統な清楚な美女路線に戻ったともいえるのですが。

あと、前回見た第17作もそうだったのですが、冒頭の歌で3番が流れています。

「当てもないのにあるよな素振り・・・(忘れた)・・・止めに来るかとあと振り返りゃ、誰も来ないで汽車が来る。男の人生一人旅、泣くな嘆くな、泣くな嘆くな影法師、影法師」

この3番、存在自体を知らなく、カラオケにも(確か)なかったと思うのですが、なかなか良い詞ですね・・・

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【映画】ワルキューレ

3/28 川崎チネチッタ

映画館の無料券の使用期限が迫っていたため、というどちらかというと消極的な理由によって観にいった作品。この春休みの時期は子供向け映画に席巻されていて選択肢が異様に狭いのである。一方最近、某シリーズの影響で最近見るのは邦画ばかりだし、シリーズ無関係でも「20世紀少年」や「ヤッターマン」などの思考を必要としない作品ばかりであったため、たまにはこういうのも見なければ、とも思っていた。

内容は、ヒトラー暗殺計画、といえば思い出すのが「鷲は舞い降りた」。なんて当然のように言っていますが、この本やなぜかこの本にて紹介されていたことがきっかけで読んだのはごく最近のこと。その「鷲は舞い降りた」では、どんなに綿密な計画を立てたとしても、どこかで瑣末な狂いが生じて、その狂いが連鎖して最終的に破綻してしまうという、スリリングな流れが魅力となっています。

それに比べるとこの映画の主人公の計画はあまりにも安易。実行面でこの程度の狂いは当然あり得ることですし、少しでも狂った際には即座に計画を中止する、そういった慎重さがほしかったと思います。もっとも、それでは映画になりませんし、そもそも実話がモチーフになっているので、あまりここだけ取り出すことが意味のある議論ではないですが。

ただ、後半の緊迫した展開は引き込ませるものがありました。指揮官の決断の遅れ、部下のフライング、錯綜する情報と、それぞれの保身が入り乱れる。そしてひとつのきっかけでだんだん流れが変わって行く。まさに「ミッション・インポッシブル」の頓挫。決してカッコいいだけではないトム・クルーズを見ることができます。


で、ここからは個人的な話。映画の良し悪しは置いておいて、まず人物が追えないのである。もともと実生活でも顔と名前を一致させるのが極端に苦手な自分であるが、ましてそれが当時のドイツの国家組織と階級の上下が分からないとなかなか入り込めません。最後のほうになってようやく分かったのでは手遅れでした。この映画では登場人物に大河ドラマよろしく日本語でテロップを出すサービスをしていますが、裏を返せばそれだけ人間関係の把握が難しい、という配慮でしょう。それがあってすら、ですから、個人的にそういうのを把握する能力が落ちているようです。洋画鑑賞力?というものでしょうか。

そして、後からいろいろなウェブサイトで確認すると、人物を追うのが精一杯で、いろいろな伏線を見落としていることが分かりました。上記で書いた計画の杜撰さについても、そういった伏線をしっかりキャッチしてればそれほどの疑問は感じなかったのかもしれません。

というわけで、自信のない方は予習をしていくか、2度見たほうがいいかもしれません。
(まさかム・クルーズの映画でこういった締めの言葉になるとは思いませんでした)

(もう1つ追記)
私は日本人であり、普段外国人と接することも、話すこともそうあるわけではなく、アメリカ人とドイツ人の区別(この定義が意味あるものかどうかはとりあえず置いておいて)がつくわけではありませんが、それでもヒトラーが英語を話していたり、ドイツ軍人たちが散々英語で会話した後に「ハイル・ヒットラー」と宣言するのは妙な違和感がありました。私ですらそうなのだから、英語圏、独語圏の方はどう思うのでしょうね。

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上場企業 経営リスク2段階で表示(3/21) その4

今週ずっとこのネタでひっぱっていますが、早くも公開草案が出てしまったようです。

「監査基準の改訂について」(公開草案)の公表について


同部会においては、現行の、一定の事象や状況が存在すれば直ちに継続企業の前提に関する注記及び追記情報の記載を要する現行の規定を、国際的な基準との整合性を図る観点等から改めることとされました。具体的には、これらの事象や状況に対する経営者等の対応策等を勘案してもなお、継続企業の前提に関する重要な不確実性がある場合に、経営者による適切な注記がなされているかどうかを監査人が確認することとする案がとりまとめられ、「監査基準の改訂について」(公開草案)として公表し、広く一般に意見募集を行うことが了承されました。

やはり、要は2段階表示、というよりも継続企業の前提に関する開示の範囲を狭めようとするのが主眼だったようで。本文にも下記のような記述があります。

なお、従来、「継続企業の前提に関する注記」がなされてきたケースの一部について、経営者の対応策等から継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められないため、「注記」に至らないケースが生じることもある。上場会社等において、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められず当該注記を行わないケースにおいても、例えば、有価証券報告書の 「事業等のリスク」等において、一定の事象や経営者の対応策等を開示し 利害関係者に情報提供が行われることが適切である。

監査基準に、監査項目ではないところに開示しろ、というのは空しくないですか?
2段階といっても、今まで継続企業の前提の注記の対象となっていた案件の一部が、リスク情報のほうに移動する、ということは、新たな開示情報が出るわけではないようです。

となると、そもそもきっかけの記事であります以下の文章

金融庁は上場企業の経営を揺るがすリスクについて、投資家向けの情報開示を強化する方針を固めた。現在は一年以内に企業の存続を揺るがし かねない重大なリスクの公開を義務付けている。今後はこれより前に、リスクの度合いが不明確な段階でも開示を義務付ける二段階制にする。投資家に「銀行が 融資を引き上げる懸念がある」といった予測情報などをきめ細かく開示し、株式市場の透明性を高める狙いだ。

これって今のままだと、激しくミスリーディング、というより誤報に近いと思うんですが、何かセットで新たな開示が要求されるんですかね。

ちなみに、審議会の資料に、わが国と欧米の比較、ということで下記の表がUPされています。

01_3

なるほどとも思うのですが、ほんとにそうかな、と思う面もあります。
気が向いたらまた取り上げます。

それにしても、

御意見がありましたら、平成21年4月3日(金)17:00(必着)までに、

早やっ!意見など言うなといわんばかりのタイミングですね。
ここまで急がせる力はいったいどこから・・・・

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上場企業 経営リスク2段階で表示(3/21) その3

先の記事についてもう少し調べようと思ったら、下記のエントリを見つけました。

経営リスクの2段階(開示会計・監査の国際化 IFRS・J-SOXがもたらすものとは?)

IFRSのどこにこの2段階開示のことが触れらているのかと思ったのですが、どうも、IAS第1号の第125項~第133項あたりに記載があるようですので、また、このブログでも触れることになろうかと思います。

とのことなので、読んでみました。
IAS1号は2007年に改訂しているんですね。
(前回のエントリでは古いパラグラフナンバーを付してしまいましたので、修正しました。)

125 An entity shall disclose information about the assumptions it makes about the future, and other major sources of estimation uncertainty at the end of the reporting period, that have a significant risk of resulting in a material adjustment to the carrying amounts of assets and liabilities within the next financial year. In respect of those assets and liabilities, the notes shall include details of:
(a) their nature, and
(b) their carrying amount as at the end of the reporting period.

(会社は決算期末においての、将来の仮定および見積もりの不確実性につき、来期のうちに資産や負債の貸借対照表価額の多額の修正が起きる重大なリスクがある場合はそれを開示しなければならない。それらの資産負債につき、下記の事項の詳細についても開示しなければならない(a) その内容 (b) 期末の貸借対照表価額)

いい加減な訳はご容赦ください。この条文と、先にあげたpara.23と合わせて二段階というわけですか。

この125項での開示がどういうものかというと

126 Determining the carrying amounts of some assets and liabilities requires estimation of the effects of uncertain future events on those assets and liabilities at the end of the reporting period. For example, in the absence of recently observed market prices, future-oriented estimates are necessary to measure the recoverable amount of classes of property, plant and equipment, the effect of technological obsolescence on inventories, provisions subject to the future outcome of litigation in progress, and long-term employee benefit liabilities such as pension obligations. These estimates involve assumptions about such items as the risk adjustment to cash flows or discount rates, future changes in salaries and future changes in prices affecting other costs.

127 The assumptions and other sources of estimation uncertainty disclosed in accordance with paragraph 125 relate to the estimates that require management’s most difficult, subjective or complex judgements. As the number of variables and assumptions affecting the possible future resolution of the uncertainties increases, those judgements become more subjective and complex, and the potential for a consequential material adjustment to the carrying amounts of assets and liabilities normally increases accordingly.

要は直近の市場価格がなかったり、回収可能性の計算に将来予想が必要だったり、技術的影響が不明だったりで、貸借対照表価額の見積もりが難しくて外れる可能性が結構あるときはその根拠なんかをきちんとディスクローズしなさいってことですよね。

「銀行が融資を引き上げる懸念がある」「短期借入金の借り換えができないかもしれない、という記事が言うようなリスクとはまた性質の違うリスクのような気がするのですが。まあ、もう少し議論の様子をウォッチしてみましょうか。


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【映画】男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(第17作)

3/22 川崎チネチッタ

「人生に後悔はつきもの」・・・

私生活でこんな経歴を持つ岡田嘉子さんに言われると、絶対反論できない説得力を持つこの言葉。「ああすればよかった」という後悔と、「何であんなことをしてしまったんだろう」という後悔(正確な引用ではありません)。この映画はこの言葉に支配されているような気がします。

そしてその後悔に向き合っている相手は宇野重吉さん。書の大家なのに無銭飲食で捕まりそうになるところを寅さんに救出されるような生活。名声を得ているが決して家庭には恵まれていない姿が垣間見える。昔の縁ある人と再会し、「人生に責任がある」と謝ってしまうが、それがしっかり断ち切られ、元の鞘に収まって行く。この二人の対峙がこの映画でのメインのような気がします。

私は宇野重吉さんの本当に晩年の姿しか知らないので、最初出てきたときは寺尾聰さんかと思いましたが、その寺尾聰さん、龍野役場の係長さん役で親子共演。「ルビーの指環」発売の4年前のことです。その上司である課長さんは桜井センリさん。上記の岡田さんと宇野さんのシーンの裏、引立て役として強烈なキャラを打ち出します。犬塚弘さんとともにクレージーキャッツでの寅さん常連。

さて、肝心のマドンナ、太地喜和子さん。渥美清さんとは犬猿の仲だったというのをどこかで見たような気がしますが(ソース不明)、もちろんそんなことは演技上微塵も見えません。リリーさんのときもそうなのですが、マドンナが水商売キャラの場合、会話がテンポよく進んでいきます。「所帯持とう」と心から冗談で言える仲はうらやましい限り。

そんなマドンナ、ぼたんが詐欺に引っかかり、寅さんが男気を出します。その男気は例のごとくから回りするのですが、若いときから頼るものなく生きてきたぼたんは、男気に触れ思わず泣き出してしまいます。

しかし、これは恋の内に入るんですかね。兄の幸せのことになると盲目になるさくらは例によっておせっかいを焼いてしまうのですが、この2人はどちらかというと友情で結ばれていた面が強いのではないでしょうか。寅さんは今回は恋もせず、ふられもしなかったというのが私の結論です。かなり前の第4作を観たすぐ後であったため、観終わった後の気分は上等なのですが、反面今後あまりかっこ悪い恋をしなく寅さんにややさびしい思いもしてしまうのです。

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上場企業 経営リスク2段階で表示(3/21) その2

前記事の続きです。

最後まで読んでさらにびっくりしたのですが

国際会計基準はリスク開示に二段階制をとっており、関連ルールをこれに合わせる。

すみません、本当なら初耳です。というわけで原文に当たってみました。

IAS1 para.2325 <3/25修正>
When preparing financial statements, management shall make an assessment of an entity’s ability to continue as a going concern. Financial statements shall be prepared on a going concern basis unless management either intends to liquidate the entity or to cease trading, or has no realistic alternative but to do so. When management is aware, in making its assessment, of material uncertainties related to events or conditions that may cast significant doubt upon the entity’s ability to continue as a going concern, those uncertainties shall be disclosed. When financial statements are not prepared on a going concern basis, that fact shall be disclosed, together with the basis on which the financial statements are prepared and the reason why the entity is not regarded as a going concern.

こう書いてあるだけなのですが、これが「2段階」なのでしょうか。確かに2段階といえば2段階なのですが、ここに書いてあるのは

・ 継続企業の前提に重要な疑義があるとき
・ 継続企業であることを前提としていないとき

の2段階です。通常継続企業の前提の開示といった場合は前者をさし、後者は言わばすでに逝ってしまった企業の開示です。これを2段階というのであれば、すでにわが国の開示は前者レベルで行われていますので、現在のままで十分ということになりませんかね。
(IFRSがらみの扱いについて、これ以外に何かあるのか、ご存知の方は教えていただければ幸いです)

ここまで読んで、記事の後段にある微妙な文章の重要性に気付いたのですが、

反面、実際に重大なリスクが発生しても、事業継続に問題がなければ、すぐに「注記」の記載を求めず、リスクの内容を開示するだけにする。

またこの「注記」と「内容の開示」の差がよく分からないのですが、要は早期段階の企業と、末期段階の企業を分けよう、という趣旨なのでしょうか?そうであるならば、この記事(というより制度改正の)趣旨はむしろこちらということになりそうですね。
この推測が正しいのであれば、監査人は二つトリガーを持つことになってしまいそうで、扱い方にまた苦慮するのではないでしょうか。

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上場企業 経営リスク2段階で表示(3/21)

3/21日経(13版)1面

金融庁は上場企業の経営を揺るがすリスクについて、投資家向けの情報開示を強化する方針を固めた。現在は一年以内に企業の存続を揺るがしかねない重大なリスクの公開を義務付けている。今後はこれより前に、リスクの度合いが不明確な段階でも開示を義務付ける二段階制にする。投資家に「銀行が融資を引き上げる懸念がある」といった予測情報などをきめ細かく開示し、株式市場の透明性を高める狙いだ。

日経の文章が悪いのか、はたまた私の頭が悪いのか、この記事では何をどうしたいのかが全くもって分からないのです。

「重大なリスクの公開」というのは、すっかり定着しましたいわゆる「継続企業の前提(Going Concern)」に関する注記のことかと思います。これ以前のリスクが開示されていないか、というとそんなわけではなく、有価証券報告書には「事業等のリスク」という開示項目があります。たとえばYahoo! Japanの有価証券報告書を拝見しますとp19から実に31ページにわたってリスク情報を満載しています。まあ、ここの開示は極端に詳細な例ですが、開示は義務付けられていますので、上場会社は多かれ少なかれこの部分で自社にかかわるリスクを記載しています。実務家としては、リスク情報は開示済みというスタンスであるので、この記事に記載されている方針が、何についていっているのかがいまいち理解できないというわけです。

金融庁の企業会計審議会が24日にも議論を始め、4月にも案をまとめる。金融商品取引法に基づく内閣府令などを改正し、2009年3月期決算からの適用を目指す。

「企業会計審議会」がやるって、どこの部会ですか?「企画調整部会」は最近IFRSがらみのことしかやっていないし、「内部統制部会」は見当違い、したがって「監査部会」でしょうか?
確かに私が指摘した上記の開示は監査項目ではありませんので、これを監査対象にするというのであれば、筋は分かります。しかしながら、

例えば「短期借入金の借り換えができないかもしれない」というように、いわばリスクの芽の段階でも「不確定情報」を開示する。

リスクというのは不確定であるからリスクなのであって、確定したらリスクではありません。「不確定情報を監査する」ということが、(もし)実際にやるのであればどのように行われるのか。はなはだ疑問ではあります。

あと、余談ですが3月決算にかかる開示について、4月に案をまとめて5月(?)に府令を改正し6月(?)に施行、というのはやめていただけませんかね。すでに実務サイドでは決算の準備が走り出しており、必要の情報収集の手配をしております。後出しでどんどん必要な情報が増えてくると困るんです。あ、まさか会社法でも開示が必要なんて言い出さないでしょうね・・・、監査対象になるのであればそうならざるを得ないと思いますが。

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IASB and FASB launch public consultation on a future standard on lease accounting

IASB and FASB launch public consultation on a future standard on lease accounting

The International Accounting Standards Board (IASB) and the US Financial Accounting Standards Board (FASB) today launched a public discussion on lease accounting by publishing their preliminary views in a joint discussion paper.

リース会計のディスカッションペーパーが出たようです。
USGAAP、IFRSとも、現在オペレーティングリースとファイナンスリースに区分している処理を一本化しようという内容、のようです(ちゃんと読んでませんが)。日本は今年追いついたのに、また逃げていかれた、というような印象になります。

詳細内容はこちら

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金融証券市場の追加対策

3/20 日経(13版)4面

:監査法人は、保有銘柄の追加出資による簿価変動の認否や減損の基準の判断で、過度な保守主義に陥らず、合理性にも配慮すべきだ。

「監査法人は~配慮すべきだ」が対策の内容なんですか??
現在の金融庁やJICPAの処分方針を見ながら、「配慮すべきだ」って言われても、監査人さんは大変だと思うのですが。

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関連費用は私の人件費だけ

3/19 日経(13版) 15面

「関連費用は私の人件費だけ」。東証二部上場の業務用洗剤メーカー、ニイタカで内部統制を整備した雑賀努氏はこう話す。売上高百億円強の業態に合わせ、内部統制の整備を簡略化した。


ええ話やな~。
もちろんこの規模で、この監査法人だからできた話なのでしょうが、こういう話が、大企業でももっと出てきてほしいと思います。これが本来あるべき姿なのかなと。

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企業会計基準委員会と国際会計基準審議会が会合し、会計基準のコンバージェンスに向けた進捗状況を確認

企業会計基準委員会と国際会計基準審議会が会合し、会計基準のコンバージェンスに向けた進捗状況を確認


:さらに、ASBJ からは、日本での上場企業によるIFRS の利用の可能性に関する企業会
計審議会企画調整部会から2009 年2 月に公表された「我が国における国際会計基準の取扱
いについて(中間報告)(案)」の概要についても紹介しました。

というわけで、IASBとの定期協議で、2010年にIFRSによる自主的な開示を認める方向が説明されたようです。国際的な公約になってしまいましたのでまずこの方向が認められることになるでしょう。ただ、2010年3月期(つまり来期)から適用可能な企業が一体どれだけあるのでしょうか?気になるところではあります。

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BATICもコンバージェンス?

2009 年度BATIC(国際会計検定)出題範囲について

:なお、2009 年度版BATIC (国際会計検定)Subject2 の公式テキストおよび問題集は、2009 年1 月1 日現在有効に成立している、米国において一般に公正 妥当と認められる会計原則(US.GAAP)、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則及び国際財務報告基準(IFRSS)に準拠しております。

いや、方向としてIFRSを取り入れるのは、そりゃ時流というものですので、否定はしませんよ。
でも、USGAAPとIFRS両方に準拠した問題ってどうやって作るんでしょう?
どちらにも相当レベルの知識が必要でそう簡単にできる話ではないと思うのですが。

それとも、IFRS問題とUSGAAP問題と分けるのかな。それはそれで受験者の負担のような・・・

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【映画】男はつらいよ 寅次郎相合い傘 (第15作)

3/15 川崎チネチッタ

幾多の方々が書いていて、今更陳腐な言葉を重ねるまでもないのですが、紛れもないシリーズ指折りの名作でしょう。チネチッタでの連続上映は6月まで続くのでそれまでは順位付けできませんし、終わったところで順位付けなど野暮なことはしないつもりなのですが、まず確実に5本、そしておそらく3本の指には入ることになるでしょう。もっとも第11作を見てなくては分からない、(いや、観ていなくてもストーリーはつながるでしょうが、味わいは半減するでしょう)という欠点がありますので、この一本というのには勧めにくいところがあるのですが。

とにかく、映画を流れるテンポがやけにいいです。冒頭の夢のシーンはさておき、テーマ曲以降はだいたいマドンナとは比較的関係の薄いサブストーリーから入り、後にマドンナのメインストーリーにと続いて行くのですが、今回は冒頭からリリーさんが登場し、あとはほとんど出ずっぱり。横道それたサラリーマンの「パパ」のサブストーリーはありますが、それはメインストーリーとは密接不可分のものとして進行していきます。マドンナが出ずっぱり、しかも二度目の登場とあれば、ただでさえパターン化されているこのシリーズ、二番煎じとしてだれる部分が出てきてもおかしくないのですが、終幕まであっというまに突っ走ってしまいます。

最後のほうから遡ると、まず「さくらの勇み足」。
なんだかんだ言っても結局兄想いのさくら、その熱意によって何とかリリーさんの想いを引き出すことができたのですが、それをその場に帰ってきた兄にストレートに伝えてしまう。兄の性格を考えれば、そこで手放しにそれを受け入れるはずがないことは分かりそうなものですが、兄の幸せを願う気持ちがそれを盲目にされたのでしょう。ストレートな伝え方をされた寅は「冗談だろ」と流してしまい、リリーさんは「そ、冗談」と煙に巻いてしまう。この二人がこの場で、他にどういう台詞を言えるのでしょうか。この後のシーンでもその行動を悔やむ台詞が出てきますが、明らかに「さくらの勇み足」であるところが、なんとも切ない思いに駆られます。もっともさくらは引き金を引いたに過ぎず、遅かれ早かれこういう運命にはなっていたのでしょうけれども。

題名にもなっている「相合い傘」。
美しいシーンです。某所に動画が上がっていました。何度も観かえしました。山本直純さん、あの顔からどうやって「リリーのテーマ」みたいな叙情的な曲をひねり出すのでしょうか。

「メロン騒動」
たしか、サザエさんにもメロンを家族全員の7等分にしようとしているときに、マスオが腹痛を起こしたのだが、その心配をする前に、サザエが「6等分に変更」と言ってしまい、マスオがふてくされてしまう、というネタがあったと記憶しています(注:記憶は確かなようです。(おやつの行方 参照))。これほどまでに気を使うメロンの分け方。数の入れてもらえなかった寅、それもメロンを受け取った張本人なのですから、拗ねるのはある意味当然。しかし、その正当性をもばっさり斬ってしまうリリーさんの小気味いい啖呵。「ろくでなしのあんたを、大事にしてくれる家がどこにあるってんだ」。おいちゃんや博まですっとしてしまうまさに本音。これだけ本音で啖呵が切れる女性はマドンナではもちろん彼女だけで、あとは実母役のミヤコ蝶々さんを数えるくらいでしょう。しかし、流れ者でありながら帰る家がある寅と、それがないリリー。第11作での別れの原因がまたここで繰り返されるのでした。

「寅のアリア」
この言葉自体このシリーズを重点的観だした最近知りました。で、だいたいはとらやの面々を呆れ返らせるというオチで終わってしまうのですが、今回のアリアはおばちゃんがもらい泣きしてしまうくらいの感動的なもので、珍しくも周りの人々を温めて終わってしまうのです。いつもは寅の人生観が滑稽な形で表れるアリアですが、今回は相手を思いやる気持ちがストレートに出ている異色のものでした。「金があったら想い人の夢をかなえてあげたい」。時代を超えて今でも通じる美しい人の心です。

「出会いと別れ」
言葉とは、強くそして儚い。劇的な再会をした寅とリリー。「あれから何してたの?」「恋していたのよー」。こんなテンポのいい会話ができる二人。それなのに、そのテンポに甘えてしまうと言っていいことと悪いことの区別がつかなくなる。「ホントは捨てられたんだろう?」、このひと言でテンポのいい会話と、二人の仲が急速に失われていく。言葉って本当に恐ろしい。実生活でも自戒の念に駆られてしまいます。

まだまだ書きたいことはありますが、「今昔物語」としてあと3題

・ 「パパ」を演じる船越英二さん。子持ちの昔の想い人に息子がいて幸せそうな姿を見て立ち去ろうとします。25年後、息子の船越英一郎さん、子持ちの松居一代さんと結婚します。
・ そういえば、冒頭に出てきて、「立ってるだけで金が入ってくるんだったら・・・」とタコ社長をうらやましがらせたエリザベス女王。それに対して「いろいろ苦労があるんだよ」とおばちゃん。これから始まるチャールズ皇太子一家の紆余曲折をおばちゃんは御見通しか?
・ 冒頭の夢は海賊船。34年のときを経た今、まさか新聞の一面に海賊対策が出てくる時代になるとは・・・

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【映画】男はつらいよ 寅次郎と殿様(第19作)


3/29 川崎チネチッタ

冷静に考えればこれはネタ切れが見えてきた作品とも言えます。冒頭の「鯉のぼり騒動」はいつぞやの「ピアノ騒動」の焼きなおしだし、頑固爺さんに寅さんが妙に気に入られるというのは、博の父との絡みなどでおなじみ。そして、父と娘の愛憎というのは吉永小百合の歌子さんの時を思い出させます。こちらは義父と嫁ですが。

そういう二番煎じがそこかしこで見られるのですが、それをリメイクだと考えると、古い皮袋に、昭和の名優である嵐寛寿郎さん演じる殿様と、曲者三木のり平さん演じる執事が新しい酒を注いだと言えましょう。彼らの大げさな演技が決してすべることなく、同じように変人である寅さんとの相性も抜群で、上質なコメディーの名品に仕上がっているように思えます。

ただ、そのコメディー色が強すぎたため、真野響子さん演じるマドンナの個性が薄いものになってしまい、寅さんの失恋物語も随分と淡白なものになってしまっています。まあここ2回がリリーさん(浅岡ルリ子)とぼたんさん(大地喜和子さん)という強烈なマドンナであったので、正統な清楚な美女路線に戻ったともいえるのですが。

あと、前回見た第17作もそうだったのですが、冒頭の歌で3番が流れています。

「当てもないのにあるよな素振り・・・(忘れた)・・・止めに来るかとあと振り返りゃ、誰も来ないで汽車が来る。男の人生一人旅、泣くな嘆くな、泣くな嘆くな影法師、影法師」

この3番、存在自体を知らなく、カラオケにも(確か)なかったと思うのですが、なかなか良い詞ですね・・・

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【読書】ギスギスした職場はなぜ変わらないのか 手塚利男 Nanaブックス

著者のブログでは3/15発売、3/16店頭と書いてあるので、まだあまりweb上の書評は出ていない様子です。書店にぶらっと入り目に付いた本を手にとったらこれだった、ということはやはりギスギスしている自覚があるということか。

類書に比べ、力の抜き方がいいと思います。どんなに職場を活性化しようとしても「残り二割り位の人のモチベーションは高まらないで残る」と言い切り、それでもいいと、ポジティブな割り切り方をしています。あまりに「熱い」本だと退いてしまいますからね。

かく言う私も、職場旅行、運動会、飲みニケーション、若手時代こういったものをどちらかというと苦手で、切り捨ててきたほうの立場です。世の中の流れもそうで、こういった習慣は徐々に廃れてきました。そして、今現在9人の部下を抱える立場になりました。今更上記のような手段でコミュニケーションをとることは自分が嫌がっていたことを押し付けることになりますし、中途採用が半分くらいとなり部下の価値観が多様化した現在当時と同じ効果があるかは疑問です。そんななか、そうでなくても人とのコミュニケーションがどちらかというと億劫な上司(つまり私)は何をすればいいのか、試行錯誤が続きます。そもそも9人の部下。一人一人の報告を聞いているだけで定時間が過ぎてしまいます。部下は残業削減が至上命令となっていますので、自分の抱えている仕事は残業時間にやらざるを得ない。深夜に帰宅、そして疲労、コミュニケーションが面倒、といった悪循環に陥っていきます。どこかで断ち切らなければあかんのですが、抜本的な解決策はまだなし。

とりあえず、バーバルコミュニケーションを億劫に感じないようになりたいと思うのですが、ってmixiやブログに書いているようじゃまずダメなのかも・・・

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投資家からみたIFRS


これも企業会計3月号。野村證券の野村さんの論考です。

野村さんは、わが国の会計基準とIFRSの間には未だわが国の企業経営に重要な影響を及ぼしうる重要な差異が存在しているものと考えている、ということで次の3点を個別論点として検討しています。

1. 包括利益

損益計算書に表れない資本の部の変動を示す包括利益ですが、IFRSでは損益計算書に記載されるが、日本では明示的に記載されるものではありません。といっても、日本基準においても、開示されている情報から包括利益についてかなりの部分を読み取れるものであることは野村さんも否定していません。しかしながら、昨年度の決算において、純利益と包括利益の増減率の方向性が逆方向を示したことから、明示的に包括利益を表示した場合、今までと異なるメッセージを発信することになるのではないか、と指摘されています。

もっとも、包括利益自体の情報としての有用性については常に議論されているところではありますが、開示されていても投資行動にはさほど影響していないという意見も根強かったと思います(すみません、ソースがすぐ出てきませんが)。

2. のれん

日本基準では定額償却、IFRSでは償却せず減損処理、というのは典型的な両者の差異として有名です。今年度の在外子会社における会計基準に対するIFRS等の導入にしても、のれんについては、現地で償却していないものを、日本側で償却させる処理をしています。これについては、企業結合が業績に与える影響は大きくなってきており、一刻も早く処理を収斂させるべきだとしています。

また、収斂の方法についても問題意識を持っており、ある一定の日をもって、それ以前に取得したのれんは償却継続、それ以後に取得したのれんは非償却となり、混乱することを危惧されています。

ただ、これについては、米国がのれんの非償却を導入した際には、既存ののれんの償却についても基準適用とともに停止したという記憶があります。おそらく実務的にそのような方向になるのではないでしょうか。

3. 過年度遡及修正

会計方針の変更、表示の変更、誤謬の修正があった場合、それを当期のインパクトとするのではなく、過去に遡って修正をしなさい、という基準です。日本ではあまり過去を修正する、という実務は行われていないのですが(粉飾等あった場合は別ですが)、IFRSやUSGAAPではこれを要求しています。日本でも近いうちに草案が出そうですので、収斂の方向はすでに見えています。

しかし、実務としてはこれは大変なんですよ。とくに、何年間か遡って財務諸表を修正しなければならない、ってことになると、すでに必要な資料を廃棄していたり、全子会社に号令をかけて数値を拾わなければないとか、いろいろな手間が予想されます。個人的には、やめてほしいんですが・・・

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国際会計基準がやってくる(3/12 日経)

ビートルズみたいな言われ方をされているこの取材記事。東証の西室さんと経団連の島崎さんへのインタビューです。西室さんは元東芝の社長、島崎さんは住商の役員であります。

西室さん
:外国企業や投資家の関心をひきつけるためにも早く強制適用に移行すべきだ。
:東証も市場運営者の立場で先頭に立って手伝いをする。号令をかけるだけでなく東証の決算をなるべく国際基準で作ることも必要。四半期開示などの制度面で必要な点があれば変えていくべきだろう。

これって、株式会社東京証券取引所がIFRSで決算をする、って言ってますか?「号令をかけるだけでなく」と言っているから多分そうなのでしょう。事務方の苦労が思いやられる発言であります。東証が率先垂範したからといって、どれだけの効果があるのかは疑問ですが。

とまあ、いけいけどんどんの西室さんに対し、島崎さんは強制適用の動き自体には賛同しているのですが、

:実務面でどんな対応が必要なのか、もう少し詳しく調べないといけない。
:1年ぐらいかけ欧州の先行事例などを研究したい。

と、比較的慎重な姿勢を示しています。というより、実務家からすればこれが真っ当な意見であるかと思います。欧州が数年かかり、米国がこれから5年くらいかけてやろうとしていること。英語が比較的流通していないわが国で同じことをやろうとするわけですから、それなりの時間がかかります。先行している会社の任意適用ならともかく、強制適用の拙速な運用は市場の混乱を招くだけであると考えます。

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原則主義への対応と解釈指針の役割

企業会計3月号。すでに1月前の号となっていますが、特集が「IFRS導入のインパクト」でIFRSネタの宝庫となっています。その中からIFRICの委員である鶯地さんの論考。IFRICとは国際財務報告解釈指針委員会、つまりIFRSの解釈の指針を決めるところです。そこがどのような方針で動いているか、そしてそれに日本がどう絡んで行くべきか。まとめてみました。

原則主義の特徴と利点ということで、以下の点が挙げられています
・ 法律を前提としたルールを作らない
・ 数値基準を唯一の判断基準としない
・ 産業別、商品別といった個別のルールを作らない
・ 判断基準となるものの確証や証跡の形式を限定的に定めない
・ ルールに不明確な点があれば概念フレームワークに立ち返って判断する

つまり、この数値を越さなきゃ大丈夫、この確証をそろえれば大丈夫、といった解釈を認めないということであります。迷いがあったら常に基本に立ち返る。ある意味宗教的な信念をも感じます。

しかしながら、基本に立ち返っても複数の解釈が成り立つ場合には、複数の会計処理が成り立ち、財務諸表の比較可能性が失われます。ダイバージェンス(divergence)と呼ばれるこの問題、それぞれの企業がベストの判断をしているはずであり、多少の違いであれば許容範囲内にあるのが通常ですが、ときにそれが市場の信頼を逸するほどに大きな差異が生じると判断された場合、IFRICの出番となるわけです。

といっても、解釈指針を公表すれば、その解釈指針をさらに解釈する指針が必要になる、というように、解釈指針を乱発すれば、結局それは原則主義から大きく逸脱したものとなってしまいます。したがってIFRICでは取り上げるべき判断基準を明確にし、公表する指針数は極めて限定されたものとなっています。この論考ではいくつかの判断基準が挙げられていますが、逆に取り上げられなかった理由として以下の2点が主なものとしています

・ 重要性がないもの
・ IFRSの基準が明確であると判断されるもの

そして、もともと複数の会計処理が考えられるためIFRICの俎上に載せようと考えていた事象が、後者と判断された場合、解釈は1つであり、他の選択肢は明らかな誤りということになってしまい、過年度の財務諸表の修正等、影響が大きいものになる、と指摘されています。原則主義の怖いところと言えるかもしれません。

そして、限定された議題しか取り上げないIFRICでは、現在適用が義務付けられている欧州企業の声が大きくなる傾向にある。そのような積み上げがアダプション後の日本に悪影響を与えることを危惧しています。実際に適用する企業からのコミュニケーションの絶対量が足りないことを切に訴えています。住友商事に在籍したままIFRICの活動を行っている鶯地さんだからこういった危機感を肌で感じることができるのでしょう。

そして、財務諸表の「読者」に対しても、財務諸表を「解釈」する能力が必要であり、原則主義というのは財務諸表の読者の力量も試すものであるとしています。総資産がいくら純利益がいくら、という数値だけではなく、注記情報を含めた全体像を読みこなす力が求められるというわけです。

作者であり、読者でもある私にとってはなかなか耳の痛い意見でありました。

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24 February 2009: First meeting of Monitoring Board is 1 April 2009

24 February 2009: First meeting of Monitoring Board is 1 April 2009

:The first meeting of the new IASC Foundation (IASCF) Monitoring Board will take place in London on Wednesday 1 April 2009, in conjunction with the meeting of the IASCF Trustees, which is scheduled for 1-2 April 2009 in London.

モニタリングボードは4/1の開催が決まっているようです。前回の記事

:しかし、発足に向けた最終確認作業で、欧州委員会域内市場・サービス担当のマクリービー委員の署名だけが得られていない状況で、発足時期については見通し が立たないという。

と引用したのですが、見通しが立ったのでしょうか?

でもこちらによると
:The relationship and responsibilities of the participating organisations are described in the Memorandum of Understanding (MoU) developed by the members of the Monitoring Board and the Trustees. The Trustees formally approved the MoU in New Delhi. The formal process of signing the MoU is now under way and should be completed shortly.

ということですし、こちら
:The IASCF has released the Memorandum of Understanding (MoU) related to the Monitoring Board. This is in process of being signed by all parties.

ということなので、今日現在でまだサインがされてない、というのは事実であるようです。サインを見越して、期日だけをリリースしている状態なのでしょうか。”should be completed shortly”という時期は過ぎているような気がしますが。

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【映画】男はつらいよ 寅次郎子守唄(第14作)

3/8 川崎チネチッタ

直近の作品に比べたらインパクトの面でやや劣るものの、これはなかなか地味な名作。それぞれのキャラが実にいい味出しています。

十朱幸代さん
今回のマドンナ。もちろんだれもが知る大女優なのですが、私の人生とはかなりすれ違っているようで、今までもこの方の印象はあまりないのです。本作品では30歳なりの可愛さを好演しているのですが、他の人の印象のほうが強いです。吉永小百合さんと浅岡ルリ子さんにはさまれた形になっているのが不運なのかもしれません。

上條恒彦さん
今回のマドンナにストレートに告白する青年。髭中顔だらけ(作品中のおばちゃんの台詞)の地顔で出ているだけなのに、貧乏で薄汚いが純情という役柄がにじみ出てくるところがすごいです。

下條正巳さん
「上條さんはかけ毛布、下條さんはしき毛布」というCMがかつてあったが、その下條さんの親父が本作品ではじめての三代目おいちゃんを演じる。うん、もちろん森川さんの演技は神だし、松村さんの演技もよかったが、やっぱり私にとっておいちゃんは下條さん。いい悪いの問題ではなく、慣れ親しんでいるのだ。そして、ダメ親父の月亭八方さんに、上手く言葉に出来ないながらも食って掛かろうとする演技は、初登場いきなりの名演であるといえましょう。

三崎千恵子さん
初めての下條さんとも息のあった演技をしてくれたが、今回は子供ができなかったわが身に、寅さんが連れてきた赤ん坊を授かってから、実の親に引き渡すまでの喜怒哀楽を味わい深く見せてくれました。いつもとは一味違うおばちゃんが見られる作品です。

太宰久雄さん
博の怪我が軽傷ですんだと分かった後、従業員を全員早退させ、一人残った工場でぽつんと「良かった・・」とほっとするシーンが印象的でした。いつもは工場の経営のことで頭が一杯のシーンばかり出てくるため、今回のこのシーンでもまた、一味違う社長が見られます。

春川ますみさん
第3作で寅さんと見合いした駒子さん?と思いきや別人の役柄。ただ、ダメ男につかまる水商売女という役柄は同じで実にはまっています。呼子の港での寅さんとの粋な会話は第11作のリリーさんを彷彿させ、本作品でのマドンナがいったいどちらなのか悩んでしまいます。

渥美清さん
マドンナの職場である病院で仕事中の何気ない光景を電柱の陰から優しいまなざしで見守るシーンが印象的。本作品ではあまりマドンナとの想いが交差する場面があまりないため、逆にこうしたシーン一つ一つが心に沁みます。

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IASB-FASB ディスカッションペーパー 「顧客との契約における収益認識についての予備的見解について」

http://www.iasb.org/Current+Projects/IASB+Projects/Revenue+Recognition/Discussion+Paper+and+Comment+Letters/Discussion+Paper+and+Comment+Letters.htm

IFRS導入する際に一番混乱するのが、この収益認識だと思います。どうも日本とは違うらしい、でも日本基準もIFRSも文言上多くを語っているわけではない。何をどうしたらIFRSに組み替わるのか、つかみどころがないように思えます。

それは今後IFRSの採用に動きつつある米国でも、あまり語らないIFRSに戸惑っているように見えます。なにしろ、米国には「収益認識」といった一本の基準がない代わりに、いろいろなところに収益認識の基準が見え隠れしていて、Rule basedの名に恥じずとにかく細かい。これまた全貌が掴みにくいものであります。

そのような問題意識から、米国FASBとIASBは共同で収益認識の基準作りに取り組んでいます。昨年の12月にでたこのディスカッションペーパーはその中間報告とでもいえるものかと思います。出たのは知っていたもののサボって読んでいなかったのですが、経営財務2/23のASBJ豊田氏の論考がわかりやすく(といってもマニア向けには、という話ですが)まとまっていましたので、それをさらにかいつまんで生きたいと思います。

まず問題意識として、米国に対しては「稼得過程」に問題があるとのことです。「稼得」とは、日本で言う「実現」と捉えれば当たらずしも遠からずといったところだと認識しているのですが、この「稼得」の意味合いと「資産および負債の増減」の関係があいまいであり、それが100種類以上もの収益認識ガイダンスを生み出している、ということのようです。一方IFRSに対しては、いろいろ書いていますが、要は「指針が少ない」というところに尽きるようです。米国からしてみればよくこの少ない条文数でワークしているのか分からない、といったところなのでしょう。

これらの問題点の解決策として提示されているのが「資産負債モデル」という考え方であり、ざっくり自分流にまとめると以下の通りかと思われます。

・ 企業は顧客と契約したときに対価を請求する権利を得るとともに、財やサービスを顧客に提供する義務を負う。
・ 上記の権利と義務を測定し、その純額ポジションが貸借対照表に計上される。
・ 契約資産が増加するか、契約負債が減少することにより、純額ポジションは借方側に計上され、その貸方勘定として収益が認識される。それは通常、企業が義務を果たし、負債が変動することによって生じる。
・ 提供すべき義務は、いろいろな要素に分解可能である。契約当初にそれぞれの要素に対して対価の額を配分しておく。義務が履行されるたびに、配分した金額の収益が計上されることになる。

シンプルといえばシンプルなのですが、権利と義務、特に義務の測定って??という感覚に陥ります。論考はこれから詳解に入っていきますが、ひとまずこの稿はここまで。

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GMのGoing Concern

http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/40730/000119312509045144/d10k.htm#toc75433_20

延々3ページ半、長くて途中で読む気が失せました。
日本じゃ考えられない長さですね

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〔焦点〕世界的に広がる時価会計への緩和圧力、日本の国際会計基準の導入に影響も


やや古い記事ですが、


:ただ、公開草案を詳細にみると、2010年3月期からの選択適用については「情勢を見極めた上で判断する必要がある」と表記しており、2012年の義務化 の判断時期についても「1つのめどとして考えられるが、諸情勢で前後し得る」と先送りの可能性も示す。さらにパブリックコメント期間は2カ月間。通常の1 カ月に比べると長く、慎重な姿勢が目立っており、金融庁は「世界情勢を見極める必要がある」として導入スケジュールには神経質だ。

まあいつものことです。良くも悪くも欧米の顔を見ながら進路を決めております。これを欧米追随と笑う人たちは、独自性を出して異なった会計基準を定めた瞬間に、遅れた会計基準だといってまた笑います。実務サイドとしては、もう下手な独自性を出されるよりは、さっさと追随を決め込んだほうが楽、という心境になりつつあります。


:しかし、発足に向けた最終確認作業で、欧州委員会域内市場・サービス担当のマクリービー委員の署名だけが得られていない状況で、発足時期については見通し が立たないという。

ほう。これは知りませんでした。IASBのBoardの上にはTrustee(評議会)という組織がありBoardの首根っこを押さえていたのですが、さらにその上に政府系の屋上屋を重ねようというのが、モニタリングボードという組織です。すんなり発足したと思っていたのですが、もめているんですね。米と欧のコンバージェンスは、見えるところではちゃんと握手をしながらテーブルの下で足をけりあっている、という印象です。それでもここまで進んできたんだからたいしたものだと言えるのでしょうが。

:時価会計ルールの適用緩和で大きくかじを切っているのは、欧州だけではない。米国は、国際会計基準を2014年以降に段階的に受け入れるかどうかを 2011年に最終判断するとの「工程表(ロードマップ)案」を公表しており「受け入れに転じた」とみられていたが、風向きが大きく変わる可能性が出てい る。

ロードマップのコメント募集期間が延長されており、こうしたことからもオバマ政権のIFRSに対する政策変更の可能性について取りざたされているようです。まあ、こうやって米欧がちゃんばらをやっている間にしっかり勉強して準備しないとね。

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【映画】男はつらいよ 寅次郎恋やつれ(第13作)

(2/28 川崎チネチッタ)

さて、いよいよ、また吉永小百合。2年前に結婚した旦那をあっさり殺しての再出演。

しかし第9作および本作で感じるのは、映画のなかに、ピーンと張った緊張感みたいなものである。これが吉永小百合という女優に帰属するものなのか、あるいは歌子さんというキャラクターに帰属するものなのか、判別しかねるのであるが、第9作で寅が歌子さんと二人でいるときの緊張感に耐えかねて草団子の素を粘土細工さながらにこねくり回してしまうシーンや本作のタイトルにもなっている「恋やつれ」のシーンに表れているように見える。そう。「恋」やつれとではない。この人のためになにかしなければならない、という無言の圧力を吉永さん、いや歌子さんが持っており、それに応えようとすることで寅はやつれ、そして歌子さんが父親と和解し、施設への就職が決まり、全ての問題が解決すると、寅はほっとすると同時に、役割を終えた寂寥感に包まれる。

ただ、その緊張感がほぐれた一瞬に出た言葉「浴衣、きれいだね」。このひと言で映画全体が淡い恋愛風味に染まっていき、観る側の緊張感もほぐしていく。こういう自然に女性をほめる言葉というのは、このシリーズでありそうで、実はあまりないのでは?

というように、歌子さんに対する失恋色は薄い。逆にその役割を担わされているのが高田敏江さん扮する絹代さん。わざわざ島根までさくらと社長を連れて失恋劇を演じてしまうまでのくだりでいつもどおりのどたばた劇が見られる。ただ、失礼ながら美形ではない絹代さんに岡惚れしてしまった過程があまり描かれていないので、いまいちこの失恋にも(このシリーズにおいての)リアリティが感じられない。

というわけで、全体的にタイトルとは裏腹に恋愛色が薄い、自立と和解をテーマとした人間ドラマとして観るのが正当なのであろう。

そして、観終わった後帰りの駅では、約35年後の歌子さんの張りぼてが微笑んでいたのでした。

それ以外を箇条書きで
・ 夢オチでは顔を見せない寅の嫁さんが登場。目覚めた電車の中で迷惑がっているのが吉田義夫さん。夢にリアルにと忙しい人である。
・ 島根を去るさくらと社長のシーンで、駅で延々と流れているのは学校のブラスバンド。曲はなぜかタイケの「旧友」。下手くそさが非常にリアル。もとホルン吹きにとってはひたすらしんどい曲である。
・ そして津和野で流れていたのは桜田淳子・・・
・ 吉永さん、声だけのシーンですぐ分かる。すぐにでも「シャープの液晶」などといいかねない声色。
・ 寅が恋やつれなら博は労働やつれなのだそうだ。おそらく博より労働時間の長い私は一向にやつれない・・・
・ 諏訪家で歌子さんに頭をなでられたり、抱っこされたりの満男。この中村はやと君、当時そうとうやっかまれたのではなかろうか。

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川崎チネチッタ24作連続上映

これを期にちょっと完走してみようかなと思い立ったわけです。

現在第13作まで進んでいますが、皆勤しております。
途中4作歯抜けしているのですが、うち3作はDVD観賞で追いついております。
今後決算期に入りどこまで皆勤できるか分からないのですが、出来るだけついていきたいなと思っています。いまでは週一回の貴重な娯楽です。

今後は本件に関して書き溜めたものを少しずつUPして行こうと考えています。
会計ネタばかりでは私が疲れますからね。


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<『男はつらいよ』40周年記念上映>
みんなで笑ったり、みんなで涙したり。

1969年の第1作公開から約40年間に渡り日本中で親しまれてきた国民的シリーズ「男はつらいよ」。全48作を通して描かれた下町の暖かい人情 や美しい日本の風景、また愛すべき主人公"寅さん"がマドンナと織りなす切ない恋模様は、われわれ日本人の心に沁み、ときに笑わせ、ときに涙させ、励ま し、力づけてくれました。今回の特集では、記念すべき第1作「男はつらいよ」から、最高傑作の誉れ高い第25作「寅次郎ハイビスカスの花」、シリーズ最終 作品となった「寅次郎紅の花」まで、全48作品中24作品をニュープリントの美しい映像で上映します。

【日程・上映作品】
1/1(祝)~1/9(金) 第1作 『男はつらいよ』
1/10(土)~1/16(金) 第2作 『続・男はつらいよ』
1/17(土)~1/23(金) 第5作 『男はつらいよ 望郷篇』
1/24(土)~1/30(金) 第6作 『男はつらいよ 純情篇』
1/31(土)~2/6(金) 第7作 『男はつらいよ 奮闘篇』
2/7(土)~2/13(金) 第8作 『男はつらいよ 寅次郎恋歌』
2/14(土)~2/20(金) 第9作 『男はつらいよ 柴又慕情』
2/21(土)~2/27(金) 第11作 『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』
2/28(土)~3/6(金) 第13作 『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』
3/7(土)~3/13(金) 第14作 『男はつらいよ 寅次郎子守唄』
3/14(土)~3/20(金) 第15作 『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』
3/21(土)~3/27(金) 第17作 『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』
3/28(土)~4/3(金) 第19作 『男はつらいよ 寅次郎と殿様』
4/4(土)~4/10(金) 第21作 『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』
4/11(土)~4/17(金) 第22作 『男はつらいよ 噂の寅次郎』
4/18(土)~4/24(金) 第25作 『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』
4/25(土)~5/1(金) 第26作 『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』
5/2(土)~5/8(金) 第27作 『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』
5/9(土)~5/15(金) 第29作 『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』
5/16(土)~5/22(金) 第32作 『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』
5/23(土)~5/29(金) 第35作 『男はつらいよ 寅次郎恋愛塾』
5/30(土)~6/5(金) 第42作 『男はつらいよ ぼくの伯父さん』
6/6(土)~6/12(金) 第46作 『男はつらいよ 寅次郎の縁談』
6/13(土)~6/19(金) 第48作 『男はつらいよ 寅次郎紅の花』

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鳩山総務相「国辱もの」 旧東京中央郵便局を視察

鳩山総務相「国辱もの」 旧東京中央郵便局を視察

:鳩山邦夫総務相は2日、再開発工事が進んでいる東京駅前の旧東京中央郵便局を視察し、重要文化財の価値がある建物を「米国流の利益追求主義で壊してきたのは国の恥だ。国辱ものだ」と語った。日本郵政の全株式を保有する株主として、再開発の中止を求めていく考えを改めて示した。

つまり、
「米国は利益追求主義で文化に敬意を払わない恥ずべき国である」
と、そういうことをおっしゃっているんですよね、大臣殿

なぜ失言扱いされないのかが不思議・・・


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【書籍】国際会計基準で企業経営はこう変わる(高浦英夫監修 東洋経済新報社)

高浦さんはあらた監査法人の理事長さんです。したがって、実際に著しているのはあらた監査法人、あるいはPWCに属している会計士さんたちです。

日本の基準と比較して、あれが違う、これが違うといった経理専門家向けの話題ではなく、今世界で起きている動きと、それに対して日本がどう対応しているかを見る上では手っ取り早い書き方になっています。経理担当者ではなく、経営者や教養として知りたい方にはお勧めかと思います

ただ、忘れてはならないのは、この方々も最終目的は商売であります。それが最後の章が「・・・PWCができること」となっているので明確であります。そのため危機のあおり方については内部統制狂想曲の時代の教訓を踏まえ、冷静に読んで行く必要があります。共著ですので、同じことが何度も書いてあり、意図しているかはどうかはともかく、危機が繰り返し植えつけられる構成になっています。とくにリーマンがIFRSではなくUSGAAPだから救済が遅れたかもしれない、みたいな書きぶりはいくらなんでも筆が滑りすぎかと思います。経理専門書を読み解く力がある方はある程度眉に唾をつけて読む必要があるかと。

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留保金を雇用対策に?

「ビジネス法務の部屋」

:私が疑問に思いますのは、これほど世間で「企業価値」が話題となっている今こそ、「継続事業のお値段とはこういったもの」というMAご専門の方々の意見が 日本中に広まるのではないか、(もしくは国民が耳を傾けるのではないか)と期待するのでありますが、ほとんど聞こえないのであります。

私もそう思っており、鳩山総務相が何を言っているのか、そしてこのかんぽ問題の論点が未だに理解できておりません。さりとて、この問題に口を挟むには役者不足ですし、ある程度の反論の記事も出始めているようにも見えるので、私はもっと単純な分野にて。


http://www.asahi.com/politics/update/0109/TKY200901090127.html
:また、製造業の派遣切りも論議になり、与謝野経済財政相は「人を安く使おうという傾向が企業に見られるのは残念だ。何兆円の内部留保を持っているところが職を簡単に奪うのはどうか」と述べ、トヨタなどの大企業を念頭に雇用不安を招いている企業側の姿勢を批判した。

いつの間にやら財務大臣にまでなってしまった与謝野氏のこの発言ですが、経理的には違和感ありありです。政治家の方々は内部留保というと、金塊でも隠し持っているようなイメージでも持っておられるのかもしれませんが、もちろん内部留保というのはそういうものでありません。
この文脈で内部留保が語られる場合、金額が多岐に渡っており、定義もあいまいなことが多いです。が、おそらく「利益剰余金」と同値と捉えている方が多いように見えますので、まずその前提で話をします。経理用語としての利益剰余金は大雑把に言うと以下の概念でしかありません。

(当期末累積利益)-(既配当金額)

つまり、儲かったけど「まだ」株主に配当していない金額、が利益剰余金です。たとえその金が機械装置や棚卸資産に代わっていたとしてもそれは利益剰余金としてカウントされたままです。あくまであといくら配当できるかを示す概念に過ぎません。株主は会社に配当を要求する権利がありますから、こうした機械装置や棚卸資産を売り払ってまで配当を要求する権利があるわけです。内部留保を取り崩して雇用を確保しろという議論は、極端に言えば会社の資産を売り払って従業員に分配しろという議論に等しいわけです。まあそれは言い過ぎにしても、現在の内部留保は事業の前提となっており、内部留保を直接利用しようとした場合、一部の事業の継続に影響してくるわけです。まずこの点を理解していらっしゃらない議論が大部分のようにお見受けします。

もう少し進んだ議論では、利益剰余金があるのだから、まだ会社が潰れるまでは行かないであろう、という議論です。つまり雇用維持をした場合はこれからの年度でも人件費がかさんでくる。そうした場合は、損失が膨らむ。その結果として利益剰余金が減少するが、その利益剰余金はまだ枯渇するまでは至っていないのだから、それまでは雇用維持を優先すればいいのではないか、という意見です。こういう議論であればある程度理解できます。

しかしながら、これとて資金繰りが続くことが前提となっています。人件費減少を織り込んだ決算でもすでに今期から大企業での大幅赤字決算が予想されている中、必要なキャッシュが今後とも調達できるとは限りません。今後の配当余力が不明で利払いもどうか分からない企業には銀行も投資家も金を出してはくれません。利益剰余金があったところで、その分キャッシュが無尽蔵に出てくるわけではないのです。

現在の派遣切りの実態、いや、正社員にまでそれが忍び寄っていることについての賛否についてここで述べません。しかしながら、利益剰余金の厚みがあるから雇用吸収能力がある、といった単純な見方には、経理の立場からして組するわけには行かないのです。

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