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Framework for the Preparation and Presentation of Financial Statements (財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク)その3 財務諸表の質的特徴

財務諸表の質的特徴として、以下のアイテムが挙げられています。

「理解可能性」Understandability
とにもかくにもユーザーに理解されない財務諸表では意味がない、というのはある意味当然です。しかしながら、その一方で「理解するのが困難なものであっても、意思決定の目的のために必要であれば、困難であることだけをもってそれを排除してはならない」(para.25)とも言っています。バランスの問題だということでしょうが、どうもそのバランス、どんどん崩れていっているような気がしてなりません(私見)

「目的適合性」Relevance
利用者はある目的をもって財務諸表を読むのですから、その目的に適合したものではないとそれは意味がないわけです(para.26)。それらの情報、例えば現在保有する資産の金額というのは、将来発生する現金を予想するのに有益な情報であるとともに、過去に行われた予想を検証するのにもまた有益な情報である、といったように、財務諸表というのは過去の情報でありながら、予測的役割と確認的役割といった2つの相互に連関した役割があるとしています(para.27)。
なお、この文脈において「重要性」Materialityについても述べられています。情報の目的適合性はその情報の内容とその重要性に影響されます(para.29)ただし、それは質的特徴というよりも、単に境界線(threshold or cut-off point)であるに過ぎない、といわれています。特徴ではなく、境界線。ニュアンスが難しくて上手く解説ができません・・・

「信頼性」Reliability
有用であるためにはその情報は信頼性のあるものでなくてはなりません(para.31)これも当たり前。それを、以下の要素に噛み砕いて説明がされています。

・表現の忠実性Faithful Representation
取引や事象を忠実に表現しなければならない、ということ(para.33)。

・実質優先Substance over Form
取引の法的形式よりも、その実質を見て会計処理および表示をする、という原則(para.35)。資産の売却の形式があっても、その資産に対する支配が継続している場合は、売却を認識してはいけない、ってのがその例。

・中立性 Neutrality
情報にバイアスがかかっていてはいけません、ということ(para.36)。

・慎重性 Prudence
財務情報にある程度の不確実性が入るのは不可避であるが、資産や収益をかさ上げしたり、費用や負債を過少計上しないように慎重になりなさい、ということ(para.37)。ただし、
同時に、過剰な引き当てをしたり、資産や収益を過少計上してもいい、といっているわけではない、と釘もさしています。

・完全性 Completeness
情報に漏れがあってはいけません、ということ(para.38)

「比較可能性」Comparability
財務諸表の利用者は同一企業間の時系列の比較をするとともに、異なる企業間の比較も行います。したがって、同じような会計事象は同じように処理される必要があるということです(para.39)。ただし、一方でこの必要性は、単なる統一を意味するものではなく、またこのことが新たな会計基準の導入の障害になってはならない、としています(para.41)
単なる統一を意味するものでない、というくだりが謎ですが、当時の国際会計基準はいろいろと代替的処理を認めているものが多かったですから、そのあたりを考慮したものなのかもしれません。

「情報の目的適合性と信頼性の制約」
目的に適合した信頼性のある財務諸表を作成するのが最終目標ですが、そのための制約も考慮しなければならないということです。ここでは以下のアイテムを挙げています。

・ 適時性 Timeliness
完璧な財務諸表であってもそれが2年後に出てきたのでは目的適合性が著しく低下します。

・ コストベネフィット Balance between Benefit and Cost
金をかければいくらでも財務諸表は完璧になりますが、1円の精度を上げるために百万円かけるのは意味ないでしょう?ということ。

・ 質的特徴の項目間のバランスBalance between Qualitative Characteristics
いままで述べてきたものが全て両立しないこともあります。そのあたりのバランスは専門家の判断の問題だということです(para.45)
「真実公正な概観または適切な表示」True and Fair View/ Fair presentation
財務諸表というものは「真実公正な概観」を備えている、ということです(para.46)。これがUSGAAPにはないIFRSの特徴として重要だという説もあります。ただ私には、当たり前のことにしか見えませんし、表現の忠実性Faithful Representationとの違いが理解できないのであります。

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