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ラウンドテーブル

Konin Kaikeishi KaikanにてIFRSのRound Tableがあるようです。

まあ、Constitutionの話なので、あまり面白くないかもしれません・・・

Tokyo round table

Date: 21 October
Time: 13:30-15:00 and 15:30-17:00 (two sessions on the same topics)
Venue: Konin Kaikeishi Kaikan (JICPA Headquarters)
4-4-1, Kudan-Minami
Chiyoda-ku
Tokyo
Japan


また、Fair Value Measurement に関する Round Tableもあるようで、これはASBJにて11/27。

* 27 November in Tokyo

Where:
The Accounting Standards Board of Japan
Fukoku Seimei Building 20F, 2-2
Uchisaiwaicho 2-chome
Chiyodaoku
Tokyo 100-0011
Japan

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収益認識に関する論点の整理(2)

というわけで、「現在出口価格アプローチ」にかわるもうひとつのアプローチが「当初取引価格アプローチ」です。当初取引価格、早い話が契約価格ですね。履行義務の金額=契約価格とするものです。これであれば契約段階で損益が発生することはありませんし、契約段階で複雑な計算をする必要もありません。IFRSの提案はこちらのほうになっています。

なお契約が複数の履行義務で構成されている場合は、契約価格を配分する必要があります。これは別々に販売したときの価格を基礎として配分することが原則なのですが、それが困難であるときは販売価格を見積もることが提案されています。米国の会計基準などではそれを公正価値で配分しなければならず、その公正価値が証明できない場合はすべての義務を履行するまで収益計上を繰り延べる必要があります。それに比べると、見積価格で配分するというのは、全般的に収益計上が前倒しになる傾向になるといえるでしょう(米国が遅れすぎ、というのもあるのですが)

この履行義務、さまざまな変動要因がありますが、原則としてその義務を履行したとき以外その変動を反映しないことが提案されています。ただし、契約が不利とみなされた場合、すなわち損失を計上することが明らかになった場合は改めて履行義務について測定することが求められます。明らかになった時点で、損失を計上するというわけです。もっとも測定してみないと不利になっているかどうかは分かりませんので、再測定しなければならない範囲というのは意外と広いのかも知れません。

以上をまとめると、以下の設例のようになるかと思います。

01年3月 対価100で1年後と2年後に建物を引き渡す契約 それぞれの建物の価値の比は6:4 という場合

01/3  (借)未収入金 100
    (貸)履行義務 100

02/3  (借)履行義務  60
(貸)収益    60

03/3  (借)履行義務  40
(貸)収益    40

(勘定科目は適当です、あしからず)

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収益認識に関する論点の整理

収益認識に関する論点の整理

「引当金」の論点整理と同日9/8に出てきたこの論点整理。
分厚さでは7月に出た日本公認会計士協会の会計制度委員会研究報告第13号「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)-IAS第18号「収益」に照らした考察-」の公表についてのほうが詳細で実務よりですが、こちらはASBJですので、より概念に寄ったものです。

収益認識については、IASBから「顧客との契約における収益認識についての予備的見解」 (日本語)というDiscussion Paperが昨年の12月に出ています。これに対するコメントは既に締め切られており、2010年の第2四半期に草案を公開すべく議論が進められているようです。それに対して日本はどう対応しますか?というわけです。

この論点整理は第1章、第2章に分かれています。第1章では上記Discussion Paper(以下:DP)の考え方を紹介しています。そして第2章は総論と各論にわけ、総論はDPの論点と原稿モデルの比較をするとともに、以前ASBJが提出したコメントの概要を紹介し、各論では現行実務に及ぼす影響の可能性について整理をしています。

まず、第1章ですが、DPでの収益認識原則は、以下のとおりです

顧客との契約において、「契約資産が増加したとき又は契約負債が減少したとき(あ
るいは両者の組み合わせが生じたとき)」に収益が認識される。

「顧客とは」「契約とは」という議論はあるようですが、とりあえずおいて置いて、「契約資産の増加」「契約負債の減少」が収益認識のトリガーということです。

「契約資産」とは顧客から対価を受け取る権利であり、「契約負債」とは顧客に対して何らかのサービスを提供する義務となります。つまり対価を受け取る権利が増加したり、提供する義務が減る(すなわち義務の履行を完了した)時に収益を認識することになります。現行モデルでは「成果が確実となった時点」で収益を認識するとしています。収益を直接認識するような形です。IASのフレームワークは基本的に要件を満たす資産の増減を収益としていますので、今回の新しいモデルは、よりフレームワークの定義に近づけることになるのでしょう。

「契約資産」はなんとなく「先々もらえる金額」ということはわかりますが、「契約負債」はなかなかイメージしづらいですね。とくに、金額にするとなるとなかなかぴんと来ないものがあります。「契約負債」として認識すべき「履行義務」を金額であらわす、すなわち測定する方法について、IASBは2種類のアプローチを検討したとされます。

ひとつは「現在出口価格アプローチ」と呼ばれるものです。「出口価格」とは何ぞや、という議論は長くなるので置いておいて、要はその義務を第三者に引き受けてもらうには幾らかかるか、ということを考える測定方法ですね。

しかしながらこの方法は問題があります。例えば、100円もらえる仕事を受注して、その仕事を下請けに80円で出した場合、その80円が「出口価格」(=公正価値だと思ってくれればいいです)なのであれば、受注した時点で20円の収益が立ってしまいます。受注しただけで、何の仕事も始まっていないのに、いきなり収益が発生するわけです。さすがのIASBの人たちも、これってどうよ、と思ったらしく、「現在出口価格アプローチ」の議論は現在下火になっています。

というわけで当面つづく。

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【映画】20世紀少年

9/6 109シネマズmm横浜

20世紀少年

1作目2作目に引き続き息子と観賞。

しかし、公開してからずいぶん経つっていうのに、
どうもネタばれを書くのがはばかられる。妙な映画である。
したがって、多くは書かない。

ネットを見る限り、酷評が多いけど、
既に1作目にして細かいことを気にしては観られない
シリーズだということが分かったので、そんなのは求めない。
普通に世界に入って行き、普通に楽しめることができた。
ある意味幸せかも。

まあ、ともだちを大事にしなきゃ、という道徳的な教訓もあったが、
あまりそれを強く出しすぎても面白くなかったと思うので、
これはこれでいいのかと。

うーん、ネタばれなしだとそれはそれで書きにくい。

ネタと関係ないところでは、
科白のない高橋幸宏が妙にかっこよかった。

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引当金に関する論点の整理(2)


前回の続きです。

【論点3】測定

まず「現時点決済概念」か「究極決済概念」かという整理をしています。

「現時点決済概念」は負債の金額を決めるのに、現在その負債を誰かに引き取ってもらうにはいくら払う必要があるか、ということを考えます。

「究極決済概念」は将来その負債の相手先にいくら払う必要があるのか、ということを考えます

通常は、負債は第三者に引き受けてもらうわけではなく、相手先に支払うことにより決済されます。したがって「究極決済概念」に基づいたほうが実態の取引に即しているような気がするのですが、「公正価値」の伝道師であるIFRSは公正価値=第三者が引き受けてくれる価格=「現時点決済概念」での測定に改訂案ではこだわっています。

「究極決済概念」をとった場合、負債の金額は一番実現の可能性がある金額、最頻値が適当な測定方法となります。企業がいくらで決済しようと考えているかの金額で測定することになります。

一方「現時点決済概念」をとった場合、期待キャッシュフローによる測定が整合的になります。すなわち、いくつもの負債を引き受ける業者がポートフォリオの評価として用いる金額ですので、実際に企業がいくらで決済しようとしているかにかかわらず、確率を用いた期待値で測定するというわけです。

先ほどIFRSの改訂案では「現時点決済概念」の方針であると書きましたが、これは認識のところであった「蓋然性」とも繋がっています。つまり引当金を計上する要件として、「蓋然性がない」=0、「蓋然性がある」=1、という考え方ではなく、負債が存在するのだからとりあえず計上する、ただしその金額に発生確率を反映させる、という考え方が「現時点決済概念」での引当金計上の考え方になります。

たとえば、100億の訴訟を受けている場合で、ほぼ勝てる、敗訴の確率5%という場合。従来であれば蓋然性がない、ということで負債を計上する必要がなかったものと思います。ところがIFRSの改訂案では100億×5%の5億円の負債を計上することになります。

この5億という金額、実際にこの金額で負債を決済することはありません(まして訴訟であれば第三者に債務を引き受けてもらうことは実際には少ないのでは?)。この金額で負債を計上することに意味はあるのでしょうか。確かにいくつかの企業の株式を持つ投資家にしてみれば、ポートフォリオの評価としてこの金額は意味があるのでしょう。しかし、実際に企業の中の人であるわれわれが成績表としてこの金額を財務諸表に計上するのはどうも抵抗があるんですよね・・・・

ちなみにこの論点整理ではこの「現時点決済概念」「期待値方式」に傾き過ぎることにつき否定的な観点のようです。

そのほか、割引率についての議論。IFRSでは長期の負債を割り引くのが常識となっていますが、日本基準では必ずしも明確ではありませんので、時間的価値が重要であると考えられるときは、割引を求める方向に持っていくようです。

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引当金に関する論点の整理

引当金に関する論点の整理


「収益認識に関す論点の整理」も出ましたが、長くてまだ読んでないので、とりあえずこちらから。こちらのほうがマニアックそうだし。

IFRSには引当金で独立した基準IAS37があり、そして今もなお改訂途上にあります。一方日本では昔企業会計原則で定められた一文が今も燦然と輝いております。

「将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生
の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負
担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸
借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。」

これぞ、原則主義の最たるものではないかと思うのですが、なぜか日本の基準の場合は文章が少なければ少ないでまた叩かれます。というわけで、日本の基準をねたにして、IFRSのお勉強をしましょう、という最近の論点整理の流行を追った文書といえましょう。

この論点整理、論点を4つに分けております。

【論点1】定義と範囲 【論点2】認識要件

日本では商法の時代から負債の中から「引当金」を独立して扱うことに執念を燃やす傾向があります。「未払賞与」なのか「賞与引当金」なのかを規定している基準もあります。ただ、個人的にはその2つを切り分けることにはあまり意味を見出しません。フレームワーク曰く

「負債とは、過去の事象から発生した現在の債務で、その決済により、経済的便益を有する資源が企業から流出する結果となることが予想されるものである。」

というわけで、IAS37号改訂案は引当金を定義しておらず、金融負債以外の負債をひとつに括ってしまっています。そして負債というのは現在の義務(法的または推定的)であると規定しています。現在に何らかの義務があると言えないものは負債として計上できないわけです。その観点から企業会計原則に例示されている引当金を見ると、修繕引当金などは企業の意思決定により回避できるものであり、現在義務を負っているとはいえないことから、負債の定義を満たさないものだとされています。また役員退職慰労引当金については法律上の義務は株主総会承認後に発生するものであるが、現状を踏まえ取り扱いを検討する、というわけで結論を出しておりません。

また、認識要件から蓋然性の要件を削除しています、と書くとわかりにくいですが、要は発生の可能性の程度は問題としないということ。僅少でも(まあ重要性の基準は適用されるでしょうが)義務があるのであれば負債を計上する必要があるということです。限りなく発生確率の低い条件付債務でも、債務である以上負債の計上が要求されるということになるでしょう。

つづく。

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IFRS8月の動向

Source:http://www.iasplus.com/pastnews/2009aug.htm

26 August 2009: ED on improvements to IFRSs
http://www.iasb.org/NR/rdonlyres/BA0DC098-9956-49A3-990E-2573AE1ACF21/0/EDImprovementsFRS09.pdf

21 August 2009: ED on employee benefits discount rate
http://www.iasb.org/NR/rdonlyres/25D72699-B629-44EC-841C-2F02A1FBDBE5/0/EDProposedAmendmentsIAS19DiscountRates.pdf

13 August 2009: Extractive activities – draft discussion paper
http://www.iasb.org/NR/rdonlyres/23F1424B-05E4-4BD1-AFD8-382125765D8E/0/ExtractivesDPworkingdraft10August2009.pdf

7 August 2009: IFRIC proposal on debt extinguishments
http://www.iasb.org/NR/rdonlyres/974EE382-6274-4294-A92B-230D0504C26E/0/IFRICD25.pdf

7 August 2009: IASB ED on classifications of rights issues
http://www.iasb.org/NR/rdonlyres/DDAEFAC3-3C20-4EBA-AD71-D21170ADF0EF/0/EDIAS32Classificationrights.pdf

5 August 2009: Notes from the Special August 2009 IFRIC meeting
http://www.iasb.org/NR/rdonlyres/C68AD06C-349C-4E40-97ED-C7F04C66E41D/0/IFRICUpdateAug09.pdf

5 August 2009: Notes from Special 4 August IASB meeting
http://www.iasb.org/NR/rdonlyres/E9307811-DDB4-4276-8EF1-CA434BD47446/0/August2009IASBUpdate.pdf

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【映画】ちゃんと伝える

ちゃんと伝える

9/2 川崎チネチッタ

これ以前に見た映画に「剱岳 点の記」「ディア・ドクター」がある。時機を逸してしまったので書かないが「ディア・ドクター」は必見。西川監督。何年かに一回しか出てこないが次が楽しみ。

というわけで今回一ヶ月ぶりくらいで観た映画が「ちゃんと伝える」

「ちゃんと伝える」。実に苦手である。同居の家族に対して、遠方の両親に対して、職場の部下と上司に対して。つれづれ考えると常に「ちゃんと伝える」ことから逃げてきたような気がする。これははっきりと自覚症状がある。ブログやmixiやtwitterに頼らず、言わなければない事をはっきりと自分の口で言わなければならない。自分の場合は極端であるが、こういう映画が出てくるということは、多かれ少なかれそう思っている層がそれなりにいるということなのか。

そんな私と同類な人間を演じるのが、EXILEのAKIRA。演技については上手いとはいえないのかもしれないが、少なくともこの映画にはそれなりにはまっている(というか、予備知識なければきっと誰かわからなかったであろう)。通う学校の教師であり部活の指導教員である父に対する微妙な感情(そういう部活を選ぶこと自体自業自得という気もするが)により、正面から向き合ってこなかったことが父の病によって明らかになっていくその苦悩。そして、結論をあいまいにしながた付き合ってきた彼女に対しても正面から向き合ってこなかったことが、自分の病によって明らかになるその苦悩。実に自分には耳が痛く、共感し通しであった。

伊藤歩もいいですね。阿部寛と共演した「青い鳥」もよかったけど、今回もまた主人公に「ちゃんと伝える」ことを迫る、対照的な彼女を好演。

でも奥田瑛二、高橋惠子が出てくると安定感が増すのは致し方がない。この夫婦は「ちゃんと伝え」あっていたのだろか。

この園子温監督という人はよく知りませんが、こういう正統派映画を作ったとはびっくり、という声が多いから、異色作品を得意とする監督なのでしょう。いい映画だとは思うが、時制の前後を多用しすぎのように感じました。もっと淡々と描いてもよかったのでは。

さあ、これで私の「ちゃんと伝え」ない性格は治るのでありましょうか。無理だろうなぁ。

しかし、洋画を全く見なくなってしまった。観たい作品があるとどうしても邦画を優先してしまうもので。

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国際会計基準、前倒し 住商・日産、来期にも採用

国際会計基準、前倒し 住商・日産、来期にも採用

日本企業の間で、国際会計基準の前倒し採用を目指す動きが出てきた。住友商事、日産自動車が早ければ2011年3月期にも適用する方向で検討に入ったほか、日本たばこ産業(JT)は12年3月期に導入する。日本経団連は住商などを含む上場19社と共同で実務家で構成する準備会合を近く立ち上げ、日本基準にない「包括利益」の開示方法など実務面の課題を整理する。会計の国際化が一歩進む。

昨日のエントリでは、「大手自動車メーカー」とせっかくぼかしていたのに、名前が出ちゃいました。
まあ、これらの企業はそれぞれの事情があるわけで、

日産はルノーがらみで既にある程度のことはやっているはず。
住友商事はIFRICに鶯地さん出してるしなんかやらなきゃね
そして、JTについてはこちらね。

それぞれやりたい、あるいはやらなきゃならない事情があるわけで。
そういうのなしで先駆者になろうとするのは大変ですよ。誰に言ってんだ(謎)

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IFRS時代の生き残り方

昨日は、日経ビジネスを挙げながら、ほとんど中身のない記事でしたので、
今回はIFRS特集のトリに来ています「IFRS時代の生き残り方」に突っ込みを入れてみます。

冒頭では日本電波工業が今期実施を目指すと書いていますが、ある財界関係者いわく「大手自動車メーカーと電機メーカーの2社がやはり今期から早期適用する」と漏らしているそうです。

大手自動車メーカーといっても、トヨタとホンダは米国基準適用会社で早期にIFRSに移行するメリットはあまりなさそうです、ということは・・・・
電機メーカーもソニー、パナソニック、日立、東芝、三菱電機、といったところはやはり米国基準適用会社です、ということは・・・
かなり限られてきそうです。


:だが、実を言えば、はやる企業が目指すIFRSは「さらに変化しようとしている」

ASBJ西川委員長のお言葉ですが、IFRSが日本の進路を決める2012年には今と更に大きく変わっている可能性があることは事実です。先に挙げた体力のある、ある意味Reputationのために適用するような企業ならともかく、普通の企業で適用を焦るメリットが大きいとは私には思えないのです。

:ソニーは昨年末からIFRSの導入に向けてグローバルなプロジェクトを立ち上げた・・・グローバル企業は世界のグループ企業が同じ会計基準になる利点を生かす仕組みを作るのである

ソニーは先に述べたようにもともと米国基準適用会社ですから、グローバルな会計基準の統一をしようと思えばできる立場にありました。それをやらなかった事情はわかりませんが、単に困難だったからなのか、あるいは現地に会計を含めたマネジメントを任せることにメリットがあったからなのか、いずれかだと思います。少なくとも十数年前は、「欧米企業は現地にマネジメントを押し付ける、日本企業は現地の発想を取り入れる、それが日本的経営の強みだ」みたいな主張がまかり通っていましたから、あえて会計基準も押し付けないことにもそれなりのメリットがあったのではないかと思います。IFRSの問題というより、経営スタイルが時代と合わなくなってきているということなのかもしれません。植民地支配が大の苦手である日本人が今後どのように上手に現地にマネジメントを押し付けていくか、というのが会計問題に限らず大きな課題なのでしょう。

:そこではもともと社内にあった事業か、買収で引き寄せたものかを問わず、利益率や将来性で事業間の選別を行える企業ほどIFRS時代には強くなれる。・・・キャッシュフローをより重視した経営も重要になる。

要はのれんの償却方法の相違のことを言っているのですが、上記に書いてあるのは当たり前のことであって、IFRSだろうが日本基準だろうが変わるところはないと思います。


:監査法人が強くなる可能性もある

あ、これには異存ありません(笑)

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IFRS強制適用(日経ビジネス)

IFRS強制適用 売り上げ半減、利益急増の驚愕

一応紹介しておかないとね。
すみません、まだちゃんと読んでいません。

ただ、期待していたよりはちょっと薄いかな。
この前のダイヤモンドのほうがしっかりしてそう(あくまで印象)

「売り上げ半減」は売り上げの総裁表示
「利益急増」はのれんの償却停止のことですよね、きっと(大げさのような気が)。

それより「敗軍の将、兵を語る」緒方重威氏の方も面白そう。

というわけで、内容については(if any)後ほどということで。

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国際財務報告基準の解釈指針 第8回 「顧客からの資産の移転」(2)

前回の続き。

では、鶯地さんはこのマイナーな基準がなぜ重要だといっているのか。

もともとIFRICというのは既存の会計基準に関する解釈指針です。したがって、現在進行している収益認識プロジェクトの影響を受けるわけではなく、あくまで既存のIAS18号に関する解釈を示すものであるはずです。

しかしながら、取得価額が0の資産でであっても、何らかの履行義務を対価に取得したため、それは資産性がある。そしてその義務の履行にしたがって収益を認識していく、という考え方は現在のIAS18号からなかなか到達し得なかった結論だということです。したがって、現在の収益認識プロジェクトの考え方を先取りしたというところにこの基準の意義があるということのようです。

また、今回の履行すべき義務として、

・ネットワークへの接続
・サービスを受けるための継続的アクセスの提供

の2点に分けたことも注目に値するようです。それは、現在の概念フレームワークのプロジェクトにおける資産の定義では「企業の資産とは当該企業が権利ないしアクセスを有する現時点で存在している経済的資源である」という暫定合意がなされていることからきています。すなわち資産の定義に「アクセス」という語を使用していることから、この「アクセス」ということが今後資産の定義のみならず、収益認識における一時的なものと継続的なものを区分するひとつのモデルとなりうる、と述べています。

ちょっと後段は英語のニュアンスの問題もあり、私にはぴんと来ないところもありますが、前段については確かにそのような気がします。もっとも原則がまだ決まらないうちから、IFRICがどんどん先に進んでいくところにはやや恐ろしさを感じるところではありますが。

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