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国際財務報告基準の解釈指針 第8回 「顧客からの資産の移転」(2)

前回の続き。

では、鶯地さんはこのマイナーな基準がなぜ重要だといっているのか。

もともとIFRICというのは既存の会計基準に関する解釈指針です。したがって、現在進行している収益認識プロジェクトの影響を受けるわけではなく、あくまで既存のIAS18号に関する解釈を示すものであるはずです。

しかしながら、取得価額が0の資産でであっても、何らかの履行義務を対価に取得したため、それは資産性がある。そしてその義務の履行にしたがって収益を認識していく、という考え方は現在のIAS18号からなかなか到達し得なかった結論だということです。したがって、現在の収益認識プロジェクトの考え方を先取りしたというところにこの基準の意義があるということのようです。

また、今回の履行すべき義務として、

・ネットワークへの接続
・サービスを受けるための継続的アクセスの提供

の2点に分けたことも注目に値するようです。それは、現在の概念フレームワークのプロジェクトにおける資産の定義では「企業の資産とは当該企業が権利ないしアクセスを有する現時点で存在している経済的資源である」という暫定合意がなされていることからきています。すなわち資産の定義に「アクセス」という語を使用していることから、この「アクセス」ということが今後資産の定義のみならず、収益認識における一時的なものと継続的なものを区分するひとつのモデルとなりうる、と述べています。

ちょっと後段は英語のニュアンスの問題もあり、私にはぴんと来ないところもありますが、前段については確かにそのような気がします。もっとも原則がまだ決まらないうちから、IFRICがどんどん先に進んでいくところにはやや恐ろしさを感じるところではありますが。

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