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引当金に関する論点の整理

引当金に関する論点の整理


「収益認識に関す論点の整理」も出ましたが、長くてまだ読んでないので、とりあえずこちらから。こちらのほうがマニアックそうだし。

IFRSには引当金で独立した基準IAS37があり、そして今もなお改訂途上にあります。一方日本では昔企業会計原則で定められた一文が今も燦然と輝いております。

「将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生
の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負
担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸
借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。」

これぞ、原則主義の最たるものではないかと思うのですが、なぜか日本の基準の場合は文章が少なければ少ないでまた叩かれます。というわけで、日本の基準をねたにして、IFRSのお勉強をしましょう、という最近の論点整理の流行を追った文書といえましょう。

この論点整理、論点を4つに分けております。

【論点1】定義と範囲 【論点2】認識要件

日本では商法の時代から負債の中から「引当金」を独立して扱うことに執念を燃やす傾向があります。「未払賞与」なのか「賞与引当金」なのかを規定している基準もあります。ただ、個人的にはその2つを切り分けることにはあまり意味を見出しません。フレームワーク曰く

「負債とは、過去の事象から発生した現在の債務で、その決済により、経済的便益を有する資源が企業から流出する結果となることが予想されるものである。」

というわけで、IAS37号改訂案は引当金を定義しておらず、金融負債以外の負債をひとつに括ってしまっています。そして負債というのは現在の義務(法的または推定的)であると規定しています。現在に何らかの義務があると言えないものは負債として計上できないわけです。その観点から企業会計原則に例示されている引当金を見ると、修繕引当金などは企業の意思決定により回避できるものであり、現在義務を負っているとはいえないことから、負債の定義を満たさないものだとされています。また役員退職慰労引当金については法律上の義務は株主総会承認後に発生するものであるが、現状を踏まえ取り扱いを検討する、というわけで結論を出しておりません。

また、認識要件から蓋然性の要件を削除しています、と書くとわかりにくいですが、要は発生の可能性の程度は問題としないということ。僅少でも(まあ重要性の基準は適用されるでしょうが)義務があるのであれば負債を計上する必要があるということです。限りなく発生確率の低い条件付債務でも、債務である以上負債の計上が要求されるということになるでしょう。

つづく。

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