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収益認識に関する論点の整理(2)

というわけで、「現在出口価格アプローチ」にかわるもうひとつのアプローチが「当初取引価格アプローチ」です。当初取引価格、早い話が契約価格ですね。履行義務の金額=契約価格とするものです。これであれば契約段階で損益が発生することはありませんし、契約段階で複雑な計算をする必要もありません。IFRSの提案はこちらのほうになっています。

なお契約が複数の履行義務で構成されている場合は、契約価格を配分する必要があります。これは別々に販売したときの価格を基礎として配分することが原則なのですが、それが困難であるときは販売価格を見積もることが提案されています。米国の会計基準などではそれを公正価値で配分しなければならず、その公正価値が証明できない場合はすべての義務を履行するまで収益計上を繰り延べる必要があります。それに比べると、見積価格で配分するというのは、全般的に収益計上が前倒しになる傾向になるといえるでしょう(米国が遅れすぎ、というのもあるのですが)

この履行義務、さまざまな変動要因がありますが、原則としてその義務を履行したとき以外その変動を反映しないことが提案されています。ただし、契約が不利とみなされた場合、すなわち損失を計上することが明らかになった場合は改めて履行義務について測定することが求められます。明らかになった時点で、損失を計上するというわけです。もっとも測定してみないと不利になっているかどうかは分かりませんので、再測定しなければならない範囲というのは意外と広いのかも知れません。

以上をまとめると、以下の設例のようになるかと思います。

01年3月 対価100で1年後と2年後に建物を引き渡す契約 それぞれの建物の価値の比は6:4 という場合

01/3  (借)未収入金 100
    (貸)履行義務 100

02/3  (借)履行義務  60
(貸)収益    60

03/3  (借)履行義務  40
(貸)収益    40

(勘定科目は適当です、あしからず)

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